日本で昼夜人口差が大きい市区町村ランキング

日本で昼夜人口差が大きい市区町村ランキング エンタメ

朝の山手線が満員なのに、夜の丸の内が静かなのはなぜか。その答えは「昼間人口」という統計に出ています。

昼間人口は、通勤・通学で流入した人を足し、流出した人を引いた人口のこと。住民票ベースの人口(夜間人口)との差が、その街が昼にどれだけ膨らむかを表します。分かるのは5年に1度の国勢調査だけで、2026年9月時点で公表されている最新の集計は2020年(令和2年)国勢調査のものです。

今回は「差が大きい」という言葉どおり、昼間人口から夜間人口を引いた人数で並べました。あわせて、統計局が公表している昼夜間人口比率(昼間人口÷夜間人口×100)も載せています。

※数値はすべて2020年(令和2年)国勢調査の従業地・通学地集計によるもの。昼夜間人口比率は総務省統計局「社会・人口統計体系」の指標A01302の値です。

順位 市区町村 昼間人口から夜間人口を引いた人数 昼夜間人口比率 夜間人口 昼間人口
1位 東京都千代田区 837,100人 1,355.4% 66,680人 903,780人
2位 東京都港区 712,187人 373.4% 260,486人 972,673人
3位 東京都中央区 464,211人 374.4% 169,179人 633,390人
4位 東京都新宿区 444,143人 227.1% 349,385人 793,528人
5位 大阪府大阪市中央区 345,476人 433.1% 103,726人 449,202人
6位 東京都渋谷区 307,461人 226.1% 243,883人 551,344人
7位 大阪府大阪市北区 280,978人 301.6% 139,376人 420,354人
8位 愛知県名古屋市中区 201,508人 316.4% 93,100人 294,608人
9位 東京都品川区 159,668人 137.8% 422,488人 582,156人
10位 福岡県福岡市博多区 149,722人 159.4% 252,034人 401,756人

東京23区をひとまとめにした「特別区部」は、夜間973万3,276人に対して昼間1,234万6,348人。差は261万3,072人で、どの区よりも大きくなります。ただし23区を合計した数字なので、順位からは外しました。

11位以下は、札幌市中央区14万7,966人、神戸市中央区13万6,894人、文京区11万3,579人、豊島区11万471人と続きます。

表の右側3列を見比べると、同じ「昼に膨らむ街」でも中身が違うことが分かります。千代田区は夜間人口が6万6,680人しかない小さな区で、そこに90万人が集まる。一方の品川区は夜間人口が42万2,488人あり、比率では137.8%と控えめですが、差の人数では9位に入ります。

1位 東京都千代田区:昼に83万7,100人増える

夜間人口6万6,680人に対して昼間人口90万3,780人。差は83万7,100人で、昼夜間人口比率は1,355.4%と全国で唯一の4桁です。

2位の千代田区以外で比率が1,000%を超える市区町村はなく、2位の福島県大熊町(588.5%)とも倍以上の開きがあります。住んでいる人の13.6倍が昼間にいる、という計算になります。

丸の内・大手町・霞が関・永田町がすべてこの区に入っていることを考えれば、数字としては納得のいく結果です。

2位 東京都港区:昼間人口は97万2,673人で全国最多

夜間人口26万486人、昼間人口97万2,673人。差は71万2,187人です。

注目したいのは昼間人口そのもので、97万2,673人は市区町村としては全国最多。1位の千代田区(90万3,780人)を6万8,893人上回ります。それでも差と比率で千代田区に及ばないのは、港区の夜間人口が千代田区の約3.9倍あるからです。

3位 東京都中央区:比率374.4%で港区とほぼ並ぶ

夜間人口16万9,179人、昼間人口63万3,390人、差は46万4,211人。昼夜間人口比率は374.4%で、港区の373.4%とはわずか1.0ポイント差です。

比率がほぼ同じでも、差の人数では港区が24万7,976人上回ります。比率は街の「膨らみ方」、差の人数は「膨らむ量」を表していて、この2つは別物だということがよく出ている組み合わせです。

4位 東京都新宿区:夜間人口が34万9,385人と多い

夜間人口34万9,385人、昼間人口79万3,528人、差は44万4,143人。比率は227.1%で、ここまでの3区より一段低くなります。

理由は夜間人口の多さです。千代田区・中央区・港区の夜間人口を全部足しても49万6,345人で、新宿区1区のほうが14万人以上多い。オフィス街であると同時に、住宅地としての規模も大きい区だということです。

5位 大阪府大阪市中央区:東京以外で最上位

夜間人口10万3,726人、昼間人口44万9,202人、差は34万5,476人。昼夜間人口比率は433.1%で、これは千代田区と大熊町に次ぐ全国3位の水準です。

比率だけで並べれば中央区(374.4%)や港区(373.4%)を上回ります。差の人数で5位にとどまるのは、夜間人口が10万人規模と小さいためです。本町・淀屋橋・難波を抱える区としては、東京の都心3区と同じ構造だといえます。

6位 東京都渋谷区:比率226.1%で新宿区とほぼ同じ

夜間人口24万3,883人、昼間人口55万1,344人、差は30万7,461人。比率は226.1%で、新宿区の227.1%とほぼ重なります。

夜間人口は新宿区より10万5,502人少なく、そのぶん差の人数でも13万6,682人の開きがつきました。

7位 大阪府大阪市北区:梅田を抱えて比率301.6%

夜間人口13万9,376人、昼間人口42万354人、差は28万978人、比率は301.6%です。

大阪市内では中央区に次ぐ2番目。中央区と北区の2区を合わせると、差の人数は62万6,454人になります。港区1区(71万2,187人)には届きません。

8位 愛知県名古屋市中区:比率316.4%は大阪市北区より高い

夜間人口9万3,100人、昼間人口29万4,608人、差は20万1,508人。比率316.4%は全国6位で、7位の大阪市北区(301.6%)を上回ります。

夜間人口が9万3,100人と大阪市中央区(10万3,726人)に近い規模のため、比率では競り合い、差の人数では引き離される形になりました。

9位 東京都品川区:比率は137.8%でも差は15万9,668人

夜間人口42万2,488人、昼間人口58万2,156人、差は15万9,668人。比率は137.8%で、上位10のなかでは最も低い数字です。

それでも順位に入るのは、母数となる夜間人口が大きいから。比率137.8%は全国では上位に入らない水準ですが、42万人の街が1.4倍になれば、増える人数は16万人に達します。

10位 福岡県福岡市博多区:東名阪以外で唯一のランクイン

夜間人口25万2,034人、昼間人口40万1,756人、差は14万9,722人、比率は159.4%です。

上位10のうち、東京・大阪・名古屋以外はこの博多区だけ。11位の札幌市中央区(14万7,966人)とは1,756人差で、ほぼ並んでいます。

まとめ

軸を昼夜間人口比率に変えると、顔ぶれが入れ替わります。1位は同じく千代田区の1,355.4%ですが、2位は福島県大熊町の588.5%。夜間人口847人に対して昼間人口4,985人という、上位10とはまったく規模の違う数字です。以下、大阪市中央区433.1%、中央区374.4%、港区373.4%、名古屋市中区316.4%、大阪市北区301.6%、愛知県飛島村282.5%(夜間4,575人・昼間1万2,923人)、新宿区227.1%、渋谷区226.1%と続きます。

比率で見ると、人口数千人規模の町や村が都心の区に混ざって上位に入ります。母数が小さいぶん、工場や事業所がひとつあるだけで比率が跳ね上がるためです。差の人数で並べたときに都心の区だけが残るのは、そういう理由です。

反対側も見ておくと、昼夜間人口比率が最も低いのは宮城県七ヶ浜町の67.1%。住んでいる人の3分の1が昼間は町の外に出ている計算になります。

なお全国で見ると、昼間人口と夜間人口はどちらも1億2,614万6,099人で一致します。国全体では人は出入りしないので、これは定義上そうなるものです。昼夜間人口の差とは、国内のどこからどこへ人が動いているかを測る数字だということになります。

この記事の数値は、次の統計から集計しています。

コメント