アジアで高級住宅の価格が上昇している都市ランキング

アジアで高級住宅の価格が上昇している都市ランキング エンタメ

最初にこの記事の前提を書いておきます。都市ごとの「地価」を各国横断でそろえた公的統計は存在しません。土地の価格を公表する制度そのものが国によって違うためです。

そこで使うのが、不動産サービス大手ナイト・フランクのPIRI 100(プライム国際住宅価格指数)です。世界100市場の「プライム住宅」——各市場で価値の上位5%にあたる住宅——の価格変動を同じ基準で集計したもので、2026年4月23日公表の最新版には2025年の年間変動率が載っています。

この記事は、PIRI 100に含まれるアジアの21市場を、2025年の価格変動率が大きい順に並べました。

※PIRIは公的統計ではなく、不動産サービス会社ナイト・フランクが世界の自社リサーチチームのデータをまとめたものです。対象は各市場で最も高価な住宅(同社の定義では価値の上位5%)で、市場全体の平均価格ではありません。対象100市場は主要金融都市・ゲートウェイ都市・別荘地・高級スキーリゾートから選ばれており、収録されていない都市もあります(ホーチミン・ハノイは対象外)。ここでの「アジア」は中東を含む地理的なアジアです。

順位 都市 国・地域 2025年の価格変動率 PIRI 100での世界順位
1位 東京 日本 +58.5% 1位
2位 ドバイ アラブ首長国連邦 +25.1% 2位
3位 マニラ フィリピン +17.5% 3位
4位 ソウル 韓国 +14.7% 4位
5位 ベンガルール インド +9.4% 8位
6位 ムンバイ インド +8.7% 10位
7位 シンガポール シンガポール +7.9% 13位
8位 ジッダ サウジアラビア +7.2% 15位
9位 デリー インド +6.9% 17位
10位 バンコク タイ +6.3% 20位

11位以下は、リヤド+3.5%(世界41位)、ドーハ+2.0%(56位)、クアラルンプール+1.1%(62位)、ジャカルタ+0.8%(66位)、台北+0.1%(72位)と続きます。

世界100市場の上位4つが、すべてアジアの都市でした。世界全体の平均は+3.2%です。

1位 東京:+58.5%

世界100市場で最も大きな上昇率です。2位ドバイの2.3倍、世界平均+3.2%の18倍にあたります。

2020年からの5年間では+159.3%で、こちらはドバイに次ぐ世界2位。ナイト・フランクは、東京の新築マンション市場について「供給の少なさ、低金利、アジア太平洋からの強い流入需要に支えられている」と説明しています。

2位 ドバイ:+25.1%

2025年は+25.1%で世界2位。2020年からの5年間では+193.9%と、世界100市場で最も大きい上昇率です。

ナイト・フランクによれば、ドバイでは2025年に1,000万ドル超の住宅取引が500件ありました。中東地域の平均上昇率+9.4%は5地域で最も高く、その大部分をこの都市が押し上げています。

3位 マニラ:+17.5%

2025年+17.5%で世界3位。2020年からの5年間では+84.9%で世界4位です。

東南アジアからPIRI 100に入っているのはマニラ・シンガポール・バンコク・クアラルンプール・ジャカルタ・プノンペンの6市場で、そのなかで最も大きく上がりました。

4位 ソウル:+14.7%

世界4位。世界の上位4市場がすべてアジアという並びは、この4都市で完成します。

2020年からの5年間では+64.8%で世界7位でした。

5位 ベンガルール:+9.4%

世界8位。インドからはベンガルール・ムンバイ・デリーの3市場がPIRI 100に入り、3つとも上位20に入りました。

ナイト・フランクは、インドの急速な富の形成が市場の最上位層を塗り替えているとし、その中心をムンバイとしています。

6位 ムンバイ:+8.7%

世界10位。5位ベンガルールとの差は0.7ポイントです。

インドの3市場は+9.4%・+8.7%・+6.9%と近い水準に並んでおり、特定の都市だけが動いたわけではない形になっています。

7位 シンガポール:+7.9%

世界13位。ナイト・フランクは、シンガポールについて「価格の記録更新が続いている一方、高い印紙税のため取引量は抑えられている」としています。

100万ドルで買える面積は28.1㎡。ナイト・フランクが5年比較の対象にしている20市場のなかでは、モナコ・香港・ジュネーブに次いで狭い市場です。

8位 ジッダ:+7.2%

世界15位。サウジアラビアからはジッダとリヤドの2市場が入っており、リヤドは+3.5%(世界41位)でした。

ただし2020年からの5年間で見るとリヤドが+77.7%で世界5位に入ります。直近1年と5年で、同じ国の2都市の位置づけが入れ替わっています。

9位 デリー:+6.9%

世界17位。インドの3市場のなかでは最も小さい上昇率でした。

ひとつ上の世界16位には、同じ+6.9%でフランスのスキーリゾート、クールシュヴェル1850が並んでいます。

10位 バンコク:+6.3%

世界20位。ここまでがアジアで上位20に入った10市場です。

11位のリヤド(+3.5%、世界41位)とは2.8ポイント差があり、アジアの上位10とそれ以下のあいだには段差があります。

まとめ

2025年の世界の高級住宅価格は平均+3.2%で、2024年の+3.6%をやや下回りました。100市場のうち73市場で上昇、24市場で下落しています。地域別の平均は中東+9.4%、中南米・カリブ+4.7%、アジア太平洋+3.7%、ヨーロッパ+3.3%、北米だけが-0.9%でした。

アジアの21市場のうち、下落したのは6市場です。プノンペン-1.4%(世界86位)、香港-2.1%(89位)、北京-4.9%(94位)、上海-5.0%(95位)、深圳-7.2%(98位)、広州-12.2%(100位)。中国本土の4市場はすべて下落し、広州は世界100市場で最下位でした。

2020年からの5年間で見ると、上昇率の上位15にアジアから入ったのはドバイ+193.9%(世界1位)、東京+159.3%(2位)、マニラ+84.9%(4位)、リヤド+77.7%(5位)、ソウル+64.8%(7位)の5市場。逆に5年で下がったのはジャカルタ-1.3%、プノンペン-5.6%、深圳-6.6%、広州-0.3%で、香港+0.9%とクアラルンプール+0.6%もほぼ横ばいでした。

最後に、旧版のこの記事との違いを書いておきます。旧版の順位は1位ドバイ、2位リヤド、3位シンガポール、4位ベンガルール、5位ホーチミン、6位マニラ、7位ジャカルタ、8位バンコク、9位東京、10位ソウルでした。

この指標では東京が1位で、旧版が9位に置いた都市が世界100市場の首位に立ちます。ドバイは2位、マニラ3位、ソウル4位、ベンガルール5位、シンガポール7位、バンコク10位。旧版が2位としたリヤドはアジアで11位、7位としたジャカルタは14位です。そして旧版が5位に入れたホーチミンは、PIRI 100に収録されていません。旧版が触れていなかったムンバイ・ジッダ・デリーが、この指標では上位10に入ります。

この記事の数値は、次の資料から集計しています。

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