IT企業がどこに集まっているかは、事業所を数えれば分かります。日本の全事業所を同じ基準で数えた統計は、経済センサスだけです。
使うのは令和6年経済センサス‐基礎調査の、市区町村別・産業別の民営事業所数です。この記事では情報通信業(日本標準産業分類の大分類G)の事業所数で並べました。通信業・放送業・情報サービス業・インターネット附随サービス業・映像音声文字情報制作業を合わせた区分です。
※「情報サービス業・インターネット附随サービス業」は、情報通信業のうちソフトウェア業、情報処理・提供サービス業、インターネット附随サービス業を合わせた内数で、いわゆるIT企業に最も近い区分です。集計は事業所の所在地ベースで、本社が別の場所にあっても事業所がある市区町村に計上されます。東京23区は統計上「特別区部」としてまとめられており、区ごとの数字とは別の集計です。政令指定都市は市単位で集計しています。
| 順位 | 市区町村 | 情報通信業の事業所数 | 情報通信業の従業者数 | うち情報サービス業・インターネット附随サービス業の事業所数 | 1事業所あたりの従業者数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | 特別区部(東京23区) | 30,599事業所 | 116万5,349人 | 21,032事業所 | 38.1人 |
| 2位 | 大阪市 | 5,922事業所 | 17万4,328人 | 4,443事業所 | 29.4人 |
| 3位 | 名古屋市 | 2,977事業所 | 8万1,614人 | 2,308事業所 | 27.4人 |
| 4位 | 横浜市 | 2,944事業所 | 7万6,111人 | 2,427事業所 | 25.9人 |
| 5位 | 福岡市 | 2,635事業所 | 5万5,049人 | 2,052事業所 | 20.9人 |
| 6位 | 札幌市 | 1,883事業所 | 3万8,135人 | 1,469事業所 | 20.3人 |
| 7位 | 京都市 | 1,107事業所 | 1万8,058人 | 779事業所 | 16.3人 |
| 8位 | 川崎市 | 1,093事業所 | 6万7,236人 | 853事業所 | 61.5人 |
| 9位 | 仙台市 | 1,051事業所 | 2万1,843人 | 793事業所 | 20.8人 |
| 10位 | 広島市 | 950事業所 | 1万8,102人 | 681事業所 | 19.1人 |
11位以下は、神戸市892事業所、さいたま市739事業所、千葉市526事業所、岡山市502事業所、新潟市461事業所と続きます。
全国の情報通信業は85,992事業所・216万9,025人。上位10市区町村で事業所の59.5%、従業者の79.1%を占めます。
1位 特別区部(東京23区):30,599事業所
全国の35.6%がここにあります。従業者116万5,349人は全国の53.7%で、働く人の半分以上が東京23区に集まっている計算です。
2位大阪市との差は5.17倍。1事業所あたりの従業者数38.1人は全国平均25.2人を大きく上回ります。一方で情報サービス業・インターネット附随サービス業が占める割合は68.7%で、これは上位10のなかで最も低い数字でした。放送や映像制作の事業所が多いためです。
2位 大阪市:5,922事業所
3位名古屋市の1.99倍。従業者17万4,328人も全国2位です。
1事業所あたり29.4人で、全国平均25.2人を上回ります。情報サービス業・インターネット附随サービス業の比率は75.0%でした。
3位 名古屋市:2,977事業所
4位横浜市との差は33事業所。全体の1%ほどの差しかなく、横並びと見たほうが正確です。
従業者8万1,614人は全国3位、1事業所あたり27.4人。情報サービス業・インターネット附随サービス業の比率は77.5%です。
4位 横浜市:2,944事業所
情報サービス業・インターネット附随サービス業の比率82.4%は、事業所が200を超える都市のなかで全国で最も高い数字です。放送・映像制作より、ソフトウェアと情報処理に寄っています。
従業者7万6,111人は全国4位、1事業所あたり25.9人でした。
5位 福岡市:2,635事業所
従業者5万5,049人は全国6位。事業所数の順位(5位)より1つ下がるのは、5位に川崎市が入るためです。
1事業所あたり20.9人、情報サービス業・インターネット附随サービス業の比率は77.9%でした。
6位 札幌市:1,883事業所
従業者3万8,135人は全国7位。1事業所あたり20.3人です。
情報サービス業・インターネット附随サービス業の比率78.0%は川崎市と同じ水準で、上位10のなかでは高いほうでした。
7位 京都市:1,107事業所
事業所数では7位ですが、従業者1万8,058人は全国10位。1事業所あたり16.3人は上位10のなかで最も少ない数字です。
情報サービス業・インターネット附随サービス業の比率70.4%も、特別区部に次いで低い数字でした。小さな事業所が多い構成になっています。
8位 川崎市:1,093事業所
この都市だけ数字の形が違います。1事業所あたり61.5人は、事業所が100を超える全国の市区町村で最も多く、2位の多摩市(42.4人)を大きく上回ります。
事業所数は8位ですが、従業者6万7,236人は全国5位。福岡市・札幌市より事業所は少ないのに、働く人は多いという形です。
9位 仙台市:1,051事業所
8位川崎市との差は42事業所。従業者2万1,843人は全国8位です。
1事業所あたり20.8人、情報サービス業・インターネット附随サービス業の比率は75.5%でした。
10位 広島市:950事業所
従業者1万8,102人は全国9位。7位京都市の1万8,058人とは44人差で、ほぼ同じ規模です。
1事業所あたり19.1人。11位は神戸市の892事業所で、その差は58事業所でした。
まとめ
情報通信業の事業所は全国1,719市区町村のうち1,394に存在します。ただし全産業に占める割合は、事業所数で2.1%、従業者数で3.9%にとどまります。
従業者数で並べ替えると順位が変わります。1位特別区部116万5,349人、2位大阪市17万4,328人、3位名古屋市8万1,614人、4位横浜市7万6,111人、5位川崎市6万7,236人、6位福岡市5万5,049人、7位札幌市3万8,135人、8位仙台市2万1,843人、9位広島市1万8,102人、10位京都市1万8,058人。事業所数では8位の川崎市が5位に上がり、7位の京都市が10位に下がります。
情報サービス業・インターネット附随サービス業だけを見ると、全国61,279事業所・171万2,275人で、情報通信業全体の71.3%(事業所数)にあたります。この比率が高いのは横浜市82.4%、船橋市81.5%、柏市80.5%、町田市80.4%。東京周辺の都市が並びます。
最後に、旧版のこの記事との違いを書いておきます。旧版の順位は1位東京23区、2位大阪市、3位横浜市、4位福岡市、5位名古屋市、6位札幌市、7位京都市、8位神戸市、9位仙台市、10位広島市でした。
この統計では名古屋市が3位、横浜市が4位、福岡市が5位と入れ替わります。そして旧版が8位に置いた神戸市は11位で上位10から外れ、代わりに川崎市が8位に入りました。旧版は川崎市にまったく触れていませんが、従業者数で見ればこの都市は全国5位です。1位・2位・6位・7位・9位・10位は旧版と同じでした。
この記事の数値は、次の統計から集計しています。


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