アメリカの平均年収は、労働統計局(BLS)の雇用・賃金四半期調査(QCEW)で州ごとに公表されています。2025年の年平均で見ると、全米の平均年収は7万8,720ドル。対象となる雇用者は1億5,573万2,363人です。
ただしこの数字は州によって大きく違い、最も低い州は全米平均の7割にも届きません。年収が低い順に50州を並べ、下から10州を見ていきます。
※本記事の数値は、米国労働統計局「Quarterly Census of Employment and Wages」2025年の年平均値(州計、agglvl_code=50)に基づきます。金額はドル表記のままとし、円換算はしていません。
順位の決め方と、対象から外したもの
順位はQCEWのavg_annual_pay(平均年収)が低い順。QCEWは失業保険の適用事業所から集めた賃金記録を集計したもので、企業が所在する州でカウントされる事業所ベースの統計です。働く人が住んでいる州ではなく、勤め先がある州の数字という点に注意してください。
対象は50州。コロンビア特別区(ワシントンD.C.)は州ではないため外しています。なお同区の平均年収は12万8,901ドルで、含めれば50州のどこよりも高くなります。
| 順位 | 州 | 平均年収(2025年) | 全米平均との比 | 2019年の平均年収 | 6年間の伸び | 雇用者数 |
| 1 | ミシシッピ州 | 53,223ドル | 67.6% | 40,687ドル | +30.8% | 1,173,251人 |
| 2 | ウェストバージニア州 | 60,359ドル | 76.7% | 46,618ドル | +29.5% | 695,422人 |
| 3 | サウスダコタ州 | 60,575ドル | 76.9% | 45,150ドル | +34.2% | 460,392人 |
| 4 | オクラホマ州 | 60,996ドル | 77.5% | 48,023ドル | +27.0% | 1,700,650人 |
| 5 | アーカンソー州 | 61,152ドル | 77.7% | 45,448ドル | +34.6% | 1,305,532人 |
| 6 | アイダホ州 | 62,392ドル | 79.3% | 44,264ドル | +41.0% | 874,283人 |
| 7 | ケンタッキー州 | 62,521ドル | 79.4% | 47,723ドル | +31.0% | 1,990,460人 |
| 8 | モンタナ州 | 62,882ドル | 79.9% | 44,883ドル | +40.1% | 512,424人 |
| 9 | ネブラスカ州 | 63,063ドル | 80.1% | 47,854ドル | +31.8% | 1,021,306人 |
| 10 | ルイジアナ州 | 63,090ドル | 80.1% | 49,286ドル | +28.0% | 1,928,041人 |
2位から10位は6万359ドルから6万3,090ドルの間に9州が収まっており、差は2,731ドルしかありません。一方で1位のミシシッピ州は2位から7,136ドル離れています。
第1位 ミシシッピ州:53,223ドル
全米平均との差は2万5,497ドル。全米平均に対する比率は67.6%で、2位のウェストバージニア州(76.7%)より9.1ポイント低い水準です。
2位との差7,136ドルは、10位までのどの段差よりも大きく、2番目に大きい段差(5位アーカンソー州→6位アイダホ州の1,240ドル)の約5.8倍。1位と10位の差が9,867ドルですから、その7割以上が1位と2位のあいだで生じていることになります。週給に直すと1,024ドルです。
第2位 ウェストバージニア州:60,359ドル
6万359ドルで、全米平均の76.7%。2019年の4万6,618ドルからの伸びは+29.5%で、下位10州のなかでは8番目、つまり下から3番目の伸びにとどまります。
雇用者数は69万5,422人で、下位10州では3番目に少ない規模。3位のサウスダコタ州との差はわずか216ドルで、この2州はほぼ横並びです。
第3位 サウスダコタ州:60,575ドル
6万575ドル。雇用者数46万392人は下位10州で最も少なく、7位ケンタッキー州(199万460人)の4分の1以下の規模です。
2019年比の伸びは+34.2%で、全米の伸び(+33.0%)をわずかに上回っています。下位10州のうち全米の伸びを超えたのはアイダホ州・モンタナ州・アーカンソー州・サウスダコタ州の4州だけで、サウスダコタ州はそのうち最も伸びが小さい州でした。
第4位 オクラホマ州:60,996ドル
6万996ドル。2019年の4万8,023ドルからの伸びは+27.0%で、これは下位10州のなかで最も小さい数字です。全米の+33.0%を6ポイント下回ります。
2019年時点の金額だけを見れば、オクラホマ州(4万8,023ドル)は下位10州のなかでルイジアナ州に次いで2番目に高い水準でした。伸びが鈍かったぶん、2025年には4位まで下がっています。雇用者数は170万650人です。
第5位 アーカンソー州:61,152ドル
6万1,152ドル。全米平均の77.7%です。2019年の4万5,448ドルから+34.6%伸びており、これは下位10州で3番目に大きい伸び。
6位のアイダホ州との差は1,240ドルで、2位から10位までの段差のなかでは最も大きい区切りです。ここを境に、6万1,000ドル台前半のグループと6万2,000〜3,000ドル台のグループに分かれます。雇用者数は130万5,532人。
第6位 アイダホ州:62,392ドル
6万2,392ドル。2019年の4万4,264ドルからの伸びは+41.0%で、下位10州のなかで最も大きい伸びです。全米の+33.0%を8ポイント上回ります。
2019年の金額で見ると、アイダホ州の4万4,264ドルは下位10州のうち下から2番目(最も低いのはミシシッピ州の4万687ドル)。6年間で順位を押し上げた形です。雇用者数は87万4,283人で、下位10州では4番目に少ない規模でした。
第7位 ケンタッキー州:62,521ドル
6万2,521ドル。雇用者数199万460人は下位10州で最も多く、3位サウスダコタ州の4.3倍にあたります。
伸びは+31.0%で、全米平均の伸びを2ポイント下回ります。6位のアイダホ州との差は129ドルで、これは2位から10位の段差のなかでは2番目に小さい区切りです(最小は9位→10位の27ドル)。
第8位 モンタナ州:62,882ドル
6万2,882ドル。2019年の4万4,883ドルから+40.1%と、アイダホ州に次ぐ2番目の伸びです。
雇用者数は51万2,424人で、サウスダコタ州に次いで2番目に少ない規模。下位10州のうち雇用者数が100万人を下回るのは、サウスダコタ州・モンタナ州・ウェストバージニア州・アイダホ州の4州です。
第9位 ネブラスカ州:63,063ドル
6万3,063ドル。10位のルイジアナ州との差は27ドルで、下位10州のなかで最も近い2州です。全米平均比はどちらも80.1%で並びます。
2019年の4万7,854ドルからの伸びは+31.8%。雇用者数は102万1,306人でした。
第10位 ルイジアナ州:63,090ドル
6万3,090ドル。2019年の金額4万9,286ドルは下位10州のなかで最も高い水準でしたが、6年間の伸びが+28.0%とオクラホマ州に次いで小さく、2025年も下位10州に残りました。
雇用者数は192万8,041人で、ケンタッキー州に次いで2番目に多い規模。11位はニューメキシコ州(6万3,124ドル)で、ルイジアナ州との差は34ドル。10位と11位は実質的に横並びです。
まとめ
反対側も見ておきます。平均年収が最も高い州はマサチューセッツ州(10万85ドル)で、次いでニューヨーク州(9万9,941ドル)、ワシントン州(9万9,675ドル)。1位のマサチューセッツ州とミシシッピ州の差は1.88倍です。コロンビア特別区を含めれば12万8,901ドルが最高で、ミシシッピ州の2.42倍になります。
伸びで並べ替えると見え方が変わります。下位10州のうち、2019年から2025年の伸びが全米平均(+33.0%)を上回ったのはアイダホ州(+41.0%)、モンタナ州(+40.1%)、アーカンソー州(+34.6%)、サウスダコタ州(+34.2%)の4州。逆にオクラホマ州(+27.0%)、ルイジアナ州(+28.0%)、ウェストバージニア州(+29.5%)は全米を3ポイント以上下回っており、下位のなかでも差が開く方向に動いています。
なお、よく「年収が低い州」として名前が挙がるニューメキシコ州は11位、サウスカロライナ州は15位、アラバマ州は16位で、いずれも下位10には入りません。参考までに、カリフォルニア州は50州中47位(9万6,963ドル)、テキサス州は39位(7万7,964ドル)、フロリダ州は31位(7万2,772ドル)で、この3州はいずれも全米平均の7万8,720ドルを下回っています。


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