アメリカで産業の多様性が高い州ランキング

アメリカで産業の多様性が高い州ランキング エンタメ

ひとつの産業に頼りきっている州と、いろいろな産業が並んでいる州。後者のほうが景気の波に強いと言われます。では、実際にどの州が分散しているのか。

今回使うのは、米国労働統計局の雇用・賃金四半期センサス(QCEW)の2024年の年平均雇用者数。州ごとに、21の産業大分類が雇用に占める割合を出し、ハーフィンダール指数で集中の度合いを測りました。

ハーフィンダール指数は、各産業のシェア(%)を2乗して全部足した数字です。ひとつの産業に100%集中していれば10,000、21の産業に均等に分かれていれば476になります。数字が小さいほど分散していることになります。

※産業の区分は北米産業分類(NAICS)の大分類21区分。民間・連邦政府・州政府・地方政府のすべてを合計しています。事業所数が少ない区分は非公表になるため、公表されている区分の合計を分母にしました。非公表分は州によって0〜6%で、最も大きいデラウェア州で5.7%です。コロンビア特別区は州ではないため順位から外しました。

順位 州名 ハーフィンダール指数 最も大きい産業とその割合 2番目に大きい産業とその割合 年平均雇用者数(2024年)
1位 ワシントン州 726.4 医療・福祉 14.6% 小売業 9.2% 359万人
2位 コロラド州 751.7 医療・福祉 13.5% 専門・科学・技術サービス業 10.1% 290万人
3位 ユタ州 754.0 医療・福祉 12.1% 小売業 10.5% 171万人
4位 テキサス州 760.9 医療・福祉 13.6% 小売業 10.1% 1,394万人
5位 ジョージア州 762.2 医療・福祉 13.3% 小売業 10.6% 486万人
6位 ノースダコタ州 778.9 医療・福祉 16.3% 小売業 10.7% 43万人
7位 アリゾナ州 780.8 医療・福祉 15.1% 小売業 10.7% 322万人
8位 バージニア州 784.8 医療・福祉 13.5% 専門・科学・技術サービス業 11.7% 411万人
9位 カリフォルニア州 789.8 医療・福祉 16.7% 宿泊・飲食サービス業 9.3% 1,818万人
10位 ノースカロライナ州 790.7 医療・福祉 14.2% 小売業 10.9% 490万人

11位以下は、フロリダ州791.1、ネブラスカ州791.1、ニュージャージー州792.5、オクラホマ州793.2、オレゴン州796.6と続きます。

まず押さえておきたいのは、50州のうち46州で、最も大きい産業が「医療・福祉」だということ。例外はハワイ州とネバダ州(宿泊・飲食サービス業)、インディアナ州とウィスコンシン州(製造業)の4州だけです。差がつくのはその割合で、最も低いのがユタ州の12.1%、最も高いのがウェストバージニア州の21.3%でした。

全米の数字は789.6。上位10のうち9州がこれを下回り、9位のカリフォルニア州(789.8)はほぼ全米平均と同じです。

1位 ワシントン州:726.4

ハーフィンダール指数726.4で、2位のコロラド州を25ポイント引き離しています。上位10のなかで唯一、730を下回りました。

最も大きい産業は医療・福祉の14.6%。2位が小売業9.2%、3位が教育サービスと製造業の8.0%で並びます。10%を超える産業が医療・福祉のひとつしかありません。同じ条件を満たすのは、ほかにカリフォルニア州・イリノイ州・ニューヨーク州・ペンシルベニア州の4州です。

2位 コロラド州:751.7

医療・福祉13.5%、専門・科学・技術サービス業10.1%、宿泊・飲食サービス業10.0%、小売業9.5%。上位4つが9〜13%の範囲に収まっています。

上位10のなかで、2番目に大きい産業が専門・科学・技術サービス業なのは、この州とバージニア州の2つだけです。

3位 ユタ州:754.0

最も大きい産業の割合が12.1%と、50州で最も低い州です。医療・福祉に続いて小売業10.5%、教育サービス9.3%、製造業8.9%。

2位のコロラド州とは2.3ポイント差。年平均雇用者数171万人は上位10で3番目に小さい規模です。

4位 テキサス州:760.9

年平均雇用者数1,394万人はカリフォルニア州に次ぐ全米2位。その規模で760.9という数字を出しています。

医療・福祉13.6%、小売業10.1%、宿泊・飲食サービス業9.7%、教育サービス9.5%。エネルギーの州という印象が強いものの、鉱業・採石業は雇用の上位4つに入っていません。

5位 ジョージア州:762.2

医療・福祉13.3%、小売業10.6%、宿泊・飲食サービス業9.3%、製造業8.8%。4位のテキサス州とは1.3ポイント差です。

上位10のなかで、製造業が上位4つに入るのはジョージア州、ユタ州、ノースカロライナ州の3つです。

6位 ノースダコタ州:778.9

年平均雇用者数43万人で、上位10のなかで群を抜いて小さい州です。次に小さいユタ州の4分の1です。

医療・福祉16.3%は上位10で2番目に高い数字ですが、そのあとが小売業10.7%、教育サービス8.6%、宿泊・飲食サービス業8.0%と続き、全体としては分散しています。

7位 アリゾナ州:780.8

医療・福祉15.1%、小売業10.7%、宿泊・飲食サービス業9.8%、管理・支援・廃棄物処理サービス業7.7%。

上位10のなかで、4番目に大きい産業が管理・支援・廃棄物処理サービス業なのはこの州だけです。コールセンターや人材派遣を含む区分で、アリゾナ州の特徴が出ています。

8位 バージニア州:784.8

専門・科学・技術サービス業が11.7%と、上位10のなかで最も高い比率です。首都ワシントンD.C.に隣接する州で、政府関連の受託業務が多く含まれます。

医療・福祉13.5%との差は1.8ポイントしかなく、1位と2位の産業がここまで近い州は上位10でバージニア州だけです。

9位 カリフォルニア州:789.8

年平均雇用者数1,818万人で全米最大。指数789.8は全米平均の789.6とほぼ同じです。

医療・福祉16.7%は上位10で最も高く、そのあとが宿泊・飲食サービス業9.3%、小売業8.8%、教育サービス8.5%。情報通信業は上位4つに入っていません。シリコンバレーの印象とは違い、雇用者数で見ればカリフォルニア州のIT産業は州全体の一部にとどまります。

10位 ノースカロライナ州:790.7

医療・福祉14.2%、小売業10.9%、製造業9.5%、宿泊・飲食サービス業9.4%。

11位のフロリダ州(791.1)とは0.3ポイント差、12位のネブラスカ州(791.1)とは0.4ポイント差です。10位から12位は同着と見るのが正確です。

まとめ

集中している側も見ておきます。50位 バーモント州986.1、49位 ウェストバージニア州959.0、48位 ミシシッピ州917.7、47位 メイン州917.1、46位 コネチカット州916.0。ウェストバージニア州は医療・福祉が21.3%で、50州で唯一20%を超えました。バーモント州は医療・福祉18.3%に教育サービス13.2%、小売業12.0%が続き、上位3つで43.5%を占めます。

順位から外したコロンビア特別区は1,319.4で、州に混ぜれば最も集中しています。公務が25.5%、専門・科学・技術サービス業が16.9%。首都という性格がそのまま数字に出ています。

最後に、旧版のこの記事との違いです。旧版は1位カリフォルニア州、2位テキサス州、3位ニューヨーク州、4位イリノイ州としていましたが、この指数ではカリフォルニア州は9位、テキサス州は4位、ニューヨーク州は40位(884.9)、イリノイ州は16位(799.0)です。旧版が6位としたマサチューセッツ州は39位、7位としたペンシルベニア州は37位、9位としたオハイオ州は27位でした。

旧版が挙げた10州のうち、実際に上位10に入ったのはテキサス州、カリフォルニア州、ワシントン州、ジョージア州の4つ。そして旧版が1位としたカリフォルニア州は、全米平均とほとんど変わらない水準でした。

この記事の数値は、次の統計から集計しています。

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