日本で平均年収が高い都道府県ランキング

日本で平均年収が高い都道府県ランキング エンタメ

平均年収の話は、体感と統計がずれやすい話題です。1位が東京であることは誰でも知っていますが、2位以下がどう並ぶかを言い当てられる人はあまりいません。

今回使うのは、厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査です。ただし、この調査は「年収」という数字そのものを公表していません。公表されているのは月々の給与と1年分の賞与なので、次の式で推計しました。

推計した年収 = きまって支給する現金給与額(2025年6月分)× 12 + 年間賞与その他特別給与額(2024年1月〜12月)

※対象は、企業規模10人以上の事業所で働く一般労働者(短時間労働者を除く)の産業計・男女計です。給与は2025年6月分の1か月、賞与は2024年の1年間の額。6月分を12倍しているため、月ごとの変動は反映していません。また、この調査は事業所を対象としたもので、調査事項には事業所の所在地が含まれ、抽出も都道府県・産業・事業所規模別に行われています。数字は「その都道府県にある事業所で働く人の賃金」であって、住んでいる人の所得ではありません。

順位 都道府県 推計した年収 きまって支給する現金給与額(月額) 年間賞与その他特別給与額 全国平均との差
1位 東京都 678.0万円 44万8,500円 139万7,800円 +132.4万円
2位 神奈川県 592.1万円 40万2,900円 108万6,300円 +46.5万円
3位 愛知県 570.4万円 38万0,400円 113万8,900円 +24.8万円
4位 大阪府 550.4万円 37万6,500円 98万6,400円 +4.9万円
5位 兵庫県 545.5万円 36万9,100円 102万6,000円 -0.04万円
6位 千葉県 534.9万円 37万1,400円 89万2,500円 -10.6万円
7位 滋賀県 533.7万円 36万2,100円 99万1,600円 -11.9万円
8位 京都府 533.7万円 36万6,800円 93万5,000円 -11.9万円
9位 茨城県 533.4万円 36万2,300円 98万6,300円 -12.2万円
10位 栃木県 517.4万円 35万0,800円 96万3,900円 -28.2万円

11位以下は、三重県516.6万円、埼玉県513.6万円、広島県513.3万円、山梨県510.3万円、静岡県506.1万円と続きます。

この表で目を引くのは、全国平均の545.6万円を上回るのが東京・神奈川・愛知・大阪の4都府県しかないことです。5位の兵庫県は全国平均をわずか400円下回っています。平均年収という数字は、上位のごく一部に引き上げられてできあがっているわけです。

もうひとつ、7位から9位までの3府県は、推計した年収の幅が2,900円しかありません。滋賀と京都にいたっては年200円差です。この位置では順位に意味はなく、横並びと見るのが正確です。

1位 東京都:678.0万円

月額44万8,500円、賞与139万7,800円。全国平均を132.4万円上回り、2位の神奈川県とも85.9万円離れています。上位のなかで、東京都だけが別の水準にあります。

賞与は月額の3.12か月分にあたり、47都道府県で最も厚い。集計の対象になった一般労働者は572万4,610人で、全国2,892万3,710人のおよそ2割が東京都に集まっています。平均年齢43.4歳・平均勤続年数12.6年は、いずれも全国平均(44.4歳・12.7年)より短い数字です。

2位 神奈川県:592.1万円

月額40万2,900円、賞与108万6,300円。月額が40万円を超えるのは、東京都とこの県だけです。

一方で賞与は月額の2.70か月分で、全国平均の2.72か月分をわずかに下回ります。2位の座は賞与ではなく月々の給与の高さで取っている、という形です。平均年齢は44.6歳。

3位 愛知県:570.4万円

月額38万0,400円、賞与113万8,900円。賞与額は東京都に次ぐ全国2位で、月額の2.99か月分に相当します。

平均年齢43.2歳は47都道府県で最も若く、平均勤続年数13.4年は最も長い。若くて勤続が長いという組み合わせは、上位10のなかでは愛知県だけに見られます。対象労働者は200万2,560人で、東京・大阪に次ぐ3番目の規模です。

4位 大阪府:550.4万円

月額37万6,500円で全国4位、賞与は98万6,400円。合計で全国平均を4.9万円上回りました。

ただし賞与は月額の2.62か月分で、全国平均を下回ります。平均勤続年数12.0年も全国平均の12.7年より短い。対象労働者240万9,710人は東京都に次ぐ全国2位です。

5位 兵庫県:545.5万円

月額36万9,100円、賞与102万6,000円。全国平均545.6万円との差は400円で、47都道府県のなかで全国平均に最も近い県です。

賞与102万6,000円は東京・愛知・神奈川に次ぐ全国4位、月額に対する比率2.78か月分は全国3位。月額は6位にとどまりますが、賞与の厚さで5位まで上がっています。

6位 千葉県:534.9万円

月額37万1,400円は全国5位。一方で賞与89万2,500円は上位10のなかで唯一90万円を下回りました。

賞与は月額の2.40か月分で、これも上位10で最も低い数字です。平均年齢45.1歳は上位10のなかで最も高く、茨城県と並びます。

7位 滋賀県:533.7万円

月額36万2,100円、賞与99万1,600円。賞与額は全国5位で、東京・愛知・神奈川・兵庫に続きます。

8位の京都府との差は年200円。月額では京都府のほうが4,700円高いのですが、賞与で5万6,600円上回った結果、合計でわずかに前に出ました。対象労働者27万5,320人は上位10で最も少なく、東京都の約21分の1です。

8位 京都府:533.7万円

月額36万6,800円は全国7位で、滋賀・茨城の両県より高い。それでも順位が下になるのは、賞与93万5,000円が上位10のなかで千葉県に次いで低いためです。

賞与は月額の2.55か月分。月々は関西2位の水準なのに、年収でならすと滋賀県に届かない、という構図になっています。

9位 茨城県:533.4万円

月額36万2,300円、賞与98万6,300円。賞与額は大阪府と100円しか違いません。

京都府との差は2,700円、滋賀県との差は2,900円。平均勤続年数13.3年は上位10のなかで愛知県に次いで長く、平均年齢45.1歳は千葉県と並んで最も高い数字です。

10位 栃木県:517.4万円

月額35万0,800円は全国13位と、上位10のなかでは低いほうです。それでも10位に入ったのは、賞与96万3,900円が全国8位と厚いため。

賞与は月額の2.75か月分で全国4位。茨城県とあわせて、北関東の2県が上位10に入っています。関東地方からは東京・神奈川・千葉・茨城・栃木の5都県、近畿地方からは大阪・兵庫・滋賀・京都の4府県が入りました。

まとめ

下から見ておきます。最下位の47位は青森県の400.8万円で、46位沖縄県411.4万円、45位宮崎県411.6万円と続きます。東京都との差は277.2万円、倍率にして1.69倍です。

この差をつくっているのは、月々の給与よりも賞与のほうです。月額は東京都44万8,500円に対して最も低い青森県が28万2,400円で1.59倍。ところが賞与は東京都139万7,800円に対して最も低い沖縄県が57万6,800円で、2.42倍に開きます。月額に対する賞与の比率を見ても、東京都の3.12か月分に対して沖縄県は1.96か月分でした。

最後に、旧版のこの記事との違いを書いておきます。旧版は7位静岡県・8位埼玉県・9位千葉県・10位滋賀県としていましたが、この統計では静岡県は15位、埼玉県は12位で、いずれも上位10に入りません。千葉県は6位、滋賀県は7位です。代わりに入ったのが茨城県(9位)と栃木県(10位)で、旧版はこの2県にまったく触れていませんでした。

埼玉県について旧版は「東京で稼ぐ人が多く住んでいるから平均年収が高い」と説明していましたが、この調査が集計しているのは事業所の所在地別の賃金です。東京都内の事業所で働く人の給与は、住まいがどこであっても東京都に計上されます。どの統計を使うかで、同じ「平均年収」という言葉の中身は変わります。

この記事の数値は、次の統計から集計しています。

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