自分の住む県は、食べものをどれくらい自前でまかなえているのか。この問いに答える数字を、農林水産省が毎年出しています。
今回使うのは都道府県別食料自給率(カロリーベース)の令和6年度概算値です。その都道府県で生産された食料のカロリーが、そこに住む人が食べたカロリーの何%にあたるかを示します。100%を超えていれば、県外へ送り出す余力があるということです。
ただし、この数字には農林水産省自身がはっきりした断りを付けています。「データの制約から、各都道府県の生産・消費の実態を十分把握できていない部分があること」「各地域の自然・社会・経済的な諸条件が異なっていること」から、水準を都道府県間で単純に比較できるものではない、という注意書きです。以下の順位は、その前提のうえで並べたものとして読んでください。
※令和6年度は概算値、令和5年度は確定値。一部の野菜類等は全体の生産量で按分されています。全国のカロリーベース食料自給率は38%です。
- 公式情報:農林水産省|都道府県別食料自給率について
| 順位 | 都道府県 | カロリーベース食料自給率(令和6年度概算値) | カロリーベース食料自給率(令和5年度確定値) | 平成10年度からの変化 | 生産額ベース食料自給率(令和6年度概算値) |
|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | 北海道 | 227% | 213% | +35ポイント | 202% |
| 2位 | 秋田県 | 221% | 202% | +58ポイント | 194% |
| 3位 | 山形県 | 147% | 148% | +18ポイント | 198% |
| 4位 | 青森県 | 126% | 123% | +8ポイント | 254% |
| 5位 | 新潟県 | 120% | 114% | +29ポイント | 119% |
| 6位 | 岩手県 | 113% | 109% | +12ポイント | 203% |
| 7位(同率) | 福島県 | 86% | 79% | +10ポイント | 112% |
| 7位(同率) | 佐賀県 | 86% | 102% | -7ポイント | 135% |
| 9位(同率) | 富山県 | 78% | 77% | +8ポイント | 69% |
| 9位(同率) | 鹿児島県 | 78% | 81% | -10ポイント | 260% |
11位以下は、宮城県77%、栃木県72%、茨城県70%、福井県69%、島根県63%と続きます。
表で最初に目につくのは、100%を超えているのが北海道・秋田・山形・青森・新潟・岩手の6道県しかないことです。しかもその6つのうち5つが東北と北海道に集まっています。
もうひとつ、右端の生産額ベースの列を見てください。カロリーで数えるか金額で数えるかで、並びがまったく変わります。カロリーでは9位の鹿児島県が、生産額では260%で全国1位です。この点はまとめでもう一度触れます。
1位 北海道:227%
カロリーベース227%で、2位の秋田県とは6ポイント差。令和5年度の213%から14ポイント上がりました。
平成10年度は192%だったので、26年で35ポイント伸びています。生産額ベースでは202%で5位。カロリーでも金額でも200%を超えているのは、47都道府県で北海道だけです。
2位 秋田県:221%
令和5年度の202%から19ポイント上昇し、221%になりました。上位10のなかで、前年度からの上がり幅が最も大きい県です。
平成10年度は163%。26年間で58ポイントの上昇は47都道府県で最大の伸びで、2位の北海道(35ポイント)を大きく引き離しています。一方、生産額ベースでは194%の7位にとどまります。
3位 山形県:147%
147%。上位10のなかで唯一、令和5年度(148%)から1ポイント下がりました。
平成10年度の129%からは18ポイントの上昇です。生産額ベースは198%で6位。カロリーの順位(3位)より金額の順位(6位)のほうが低い県は、上位10では山形県と秋田県、北海道の3つだけです。
4位 青森県:126%
126%で、令和5年度の123%から3ポイント上昇。
特徴は生産額ベースとの差です。金額で数えると254%で全国2位まで上がります。カロリーの順位(4位)と生産額の順位(2位)の両方で上位に入るのは、上位10では青森県と北海道だけです。
5位 新潟県:120%
120%。令和5年度の114%から6ポイント上がりました。
平成10年度は91%で、当時は100%に届いていません。26年で29ポイント伸びて、この期間に100%を超えたことになります。ただし生産額ベースは119%で15位と、上位10のなかで富山県に次いで低い順位です。
6位 岩手県:113%
113%で、令和5年度の109%から4ポイント上昇。100%を超える6道県のうち、最も低い数字です。
生産額ベースでは203%の4位と、カロリーの順位より2つ上がります。青森県・鹿児島県と同じく、金額で数えたほうが高く出るタイプです。
7位(同率) 福島県:86%
86%。令和5年度の79%から7ポイント上昇しました。100%には届いていません。
平成10年度は76%なので、26年で10ポイントの上昇。生産額ベースは112%で18位です。
7位(同率) 佐賀県:86%
福島県と同じ86%ですが、動きは逆向きです。令和5年度は102%あり、1年で16ポイント下がりました。上位10のなかで最も大きな下落です。
平成10年度の93%と比べても7ポイント低い水準です。生産額ベースは135%で10位。カロリーで100%を割り込んだのは令和6年度の概算値でのことで、前年度は100%を超えていました。
9位(同率) 富山県:78%
78%で、令和5年度の77%から1ポイント上昇。平成10年度の70%からは8ポイント伸びています。
生産額ベースは69%で28位。上位10のなかで唯一、生産額ベースが100%を下回り、しかも自分のカロリーベースの数字より低くなっています。
9位(同率) 鹿児島県:78%
カロリーベースは富山県と同じ78%ですが、生産額ベースは260%で全国1位です。同じ順位の2県で、金額に直すと3.8倍近い開きが出ます。
カロリーベースは令和5年度の81%から3ポイント下落、平成10年度の88%からは10ポイント下がっています。カロリーでは下がり続け、金額では全国一という県は、このランキングでほかにありません。
まとめ
生産額ベースで並べ替えると、順位はこうなります。1位 鹿児島県260%、2位 青森県254%、3位 宮崎県252%、4位 岩手県203%、5位 北海道202%。カロリーで1位の北海道が5位に下がり、カロリーで16位の宮崎県が3位に上がります。8位の高知県(161%)はカロリーベースでは46%の21位、9位の熊本県(158%)はカロリーベースでは57%の18位です。
この違いは、カロリーの高い米や小麦や畜産物を多く出している県と、金額の大きい野菜や果実や花きを多く出している県とで、数え方の向き不向きが出るためです。どちらか一方だけを見ると、その県の農業の姿を取り違えることになります。
下位も見ておきます。最下位の47位は東京都の0%で、46位大阪府1%、45位神奈川県2%、44位埼玉県10%、43位愛知県11%と続きます。全国平均は38%です。
最後に、旧版のこの記事との違いです。旧版は宮崎県を7位、熊本県を9位としていましたが、カロリーベースでは宮崎県16位・熊本県18位で、どちらも上位10に入りません。青森県は2位ではなく4位、秋田県は3位ではなく2位です。代わりに上位10に入るのは福島県・佐賀県・富山県・鹿児島県で、旧版はこの4県に触れていませんでした。
なお冒頭でも書いたとおり、農林水産省はこの数字について都道府県間で単純に比較できるものではないと明記しています。順位はあくまで数字を並べた結果であって、農業の優劣を表すものではありません。
この記事の数値は、次の統計から集計しています。


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