- 第1位:函館市(北海道)──「下がりやすい条件」が重なり、地価の二極化が進む街
- 第2位:長崎市(長崎県)──“坂の街”が抱える流動性の壁。平地・駅近に需要が寄り、他が下落を引っ張る
- 第3位:呉市(広島県)──山と海に挟まれた“細長い街”。坂・狭小道路が流動性を落とし、下落が長期化しやすい
- 第4位:米子市(鳥取県)──“山陰の拠点”でも、人口が増えにくく中心部の弱さが面で効く。ロードサイド化が地価をじわり押し下げる
- 第5位:上越市(新潟県)──広すぎる市域が「需要の分散」を生み、平均地価が下落基調になりやすい街
- 第7位:大館市(秋田県)──人口減の“速度”が効く。空き家化が市街地周辺まで広がり、地価の支えが細くなる街
- 第9位:釧路市(北海道)──人口流出と高齢化が同時進行。“持ち家の厚み”が売り物件を積み上げ、地価の戻りを遅らせる街
- 第10位:室蘭市(北海道)──産業転換と人口減が“住宅需要の戻り”を遅らせる。駅前の薄さが地価の粘りを削る街
第1位:函館市(北海道)──「下がりやすい条件」が重なり、地価の二極化が進む街
「地価下落が止まらない都市」として函館市が上位に来やすいのは、単に人気がないからではありません。観光都市としての知名度を持ちながらも、人口減・高齢化に加えて、エリアごとの需要偏り(=売れやすい場所と動きにくい場所の差)が大きく、結果として平均的な地価が押し下げられやすい構造を抱えているためです。
都市のスケール:面積は広いのに、暮らしの需要は点で動く
函館市は面積約677㎢と広く、生活圏も一枚岩ではありません。市内には観光・旧市街・幹線道路沿い・住宅団地・郊外部など多様な顔があり、利便性の高いエリアに需要が寄りやすい一方で、そうでない地域は買い手がつきにくい傾向が出ます。
また人口は約24万人規模(近年は減少基調)で、住宅需要の土台となる「世帯の増加」が期待しづらい局面です。地価は「増える人・増える世帯」が最も分かりやすい支えになりますが、そこが弱いと、供給(売り物件・空き家)が積み上がったときに価格調整が入りやすくなります。
地価が下がりやすい核心:需要が“中心部回帰”しきれない
函館は観光の強さがある一方で、居住ニーズの面では「便利な場所への集中」が進みやすい都市です。駅周辺や主要幹線沿い、生活利便施設がまとまるエリアは底堅さが出やすい反面、そこから外れると回遊性や日常利便の差がそのまま地価に反映されやすくなります。
ランキング本文にある通り、函館の弱点は中心部回帰が限定的な場合、周辺部の下落が止まりにくいこと。言い換えると、街全体として価格を支える「面」の強さが出にくく、地価が点と線(駅・幹線・商業集積)に寄ってしまう構図です。需要が集中するほど、周辺の流動性は落ち、売却までの期間が伸び、値下げが常態化しやすくなります。
人口動態と住宅市場:高齢化が「売り」を増やし、「買い」を減らす
地価下落の圧力として効いてくるのが、人口減と高齢化の同時進行です。高齢化が進むと、相続や住み替えで物件が市場に出やすくなる一方、若年層の流入が弱い地域では買い手が不足します。結果として空き家・空室が増え、周辺相場の基準となる成約価格が伸びにくくなります。
さらに、函館はエリアが広い分、生活の“車依存度”が上がりやすい地域と、徒歩圏で完結しやすい地域の差も出ます。後者は需要が残りやすい一方、前者は世帯規模の縮小や免許返納などの影響を受けると、将来の買い手が見えにくくなり、価格に織り込まれやすくなります。
産業・雇用:観光の強さと「居住需要」の直結が難しい
函館は観光が大きな産業で、飲食・宿泊・小売などサービス業の厚みがあります。ただし観光は景気や季節要因の影響を受けやすく、また雇用が増えても「定住人口を増やす力」に直結しにくい側面があります。地価を支えるのは、継続的な雇用と転入、世帯形成ですが、観光の強さだけでは居住需要の底上げが追いつかない場面が起きやすいのです。
観光スポットが多いのに地価が下がる理由:観光地価と生活地価は別物
函館は、函館山の夜景、ベイエリア、五稜郭など、全国的に知られる観光資源を持ちます。ここが誤解されやすいポイントで、観光客が多い=住宅地が強いとは限りません。観光地の収益は特定エリアに集まりやすく、住宅需要は「通勤・通学・医療・買い物」といった日常利便で動きます。
そのため、観光面で評価される場所があっても、居住の選好が別のエリアに移ると、観光の華やかさと住宅地価の弱さが同居する現象が起きます。結果として、市全体平均で見ると下落圧力が残りやすいのが函館の難しさです。
函館の「地価下落が止まりにくい」まとめ像:二極化の進行が平均値を押し下げる
- 人口減・高齢化で住宅需要の土台が縮みやすい
- 面積が広く、需要が集中しやすいため周辺部の流動性が落ちやすい
- 中心部回帰が限定的だと、周辺の下落が平均値を引っ張る
- 観光の強さがあっても、生活地価を面で支える力とは別に動く
函館市は「魅力があるのに地価が弱い」というより、魅力があるからこそエリア間の差が拡大し、結果として“弱い場所の下落が止まりにくい”都市です。地価を見るときは、市平均ではなく、駅・幹線・生活利便がそろうエリアと、そうでないエリアの差に注目すると、函館の下落構造がよりはっきり見えてきます。
第2位:長崎市(長崎県)──“坂の街”が抱える流動性の壁。平地・駅近に需要が寄り、他が下落を引っ張る
長崎市の地価が下落基調になりやすい背景は、単なる人口減だけではありません。最大の特徴は、街の大部分が斜面市街地で構成される地形にあります。暮らしの利便性が「平地かどうか」「公共交通・幹線道路に出やすいか」で大きく差がつきやすく、結果として需要が“平地・駅近・幹線沿い”に集中し、それ以外のエリアが平均地価を押し下げやすい構造です。
都市のスケール:面積は約400㎢、だが「使える平地」が限られる
長崎市は面積約405㎢と中核市の中でも十分な広さがあります。一方で、平坦地が少なく、谷筋や山腹に住宅地が連なって発展してきました。つまり、市域が広いからといって宅地需要が“面”で発生しにくく、実際の居住ニーズはアクセスの良い限られた平地へ集まりやすいのが特徴です。
人口は約40万人規模から長期的に減少傾向で、世帯増による下支えも期待しづらい局面。人口減はどの都市にも共通する要因ですが、長崎の場合は地形が原因で「住み替え先が平地に偏る」ため、斜面側の空洞化が一段進みやすい点が、下落圧力を強めます。
地価の弱点:坂・階段・狭隘道路が“買い手を選ぶ”市場になりやすい
地価は、同じ市内でも「売りやすさ(流動性)」に大きく左右されます。長崎市では、斜面地にありがちな車が入りにくい細い道、階段移動、駐車場確保の難しさが、購入検討者の条件に合いにくいケースを生みます。すると、売却までの期間が伸び、価格調整(値下げ)が起きやすくなる。
さらに高齢化が進むと、坂道の負担は生活上のリスクとしてより強く意識されます。免許返納や通院頻度の増加などで「移動のしやすさ」が重視され、斜面の住宅地が相対的に選ばれにくくなる——この需給ギャップが、地価下落を長引かせる典型的なパターンです。
二極化の形がはっきりしている:平地・駅近は粘り、その他が下落を作る
長崎市は「街として弱い」というより、強い場所と弱い場所の差が出やすい都市です。例えば、交通結節点や生活利便施設が集まりやすいエリア、再開発や整備の効果が及びやすいゾーンは、需要が残りやすい一方で、そこから外れた斜面側は同じ“長崎市内”でも買い手の母数が減りやすい。
このとき厄介なのが、市全体の平均で見ると動きにくいエリアの下落が統計上の印象を強めることです。「平地・駅近に寄るほど局所的に底堅く、寄らないほど下がりやすい」という二極化が進むと、下落は“止まらない”のではなく、止まる場所と止まらない場所が同時進行する状態になります。
産業・雇用:観光は強いが、居住地価を“面で”支えるには条件がある
長崎は観光都市としてのブランドが強く、宿泊・飲食・小売などサービス業の厚みがあります。平和公園・原爆資料館、グラバー園、稲佐山の夜景、歴史的な街並みなど、観光資源は全国級です。
ただし、観光の収益は特定エリアに集まりやすく、雇用が生まれても長期定住の増加に直結しにくい側面があります。地価を支えるのは「働く場」だけでなく、通勤のしやすさ、子育て動線、車利用のしやすさなど日常の条件です。ここで斜面市街地が不利になり、観光の華やかさがあっても住宅地価が広く底上げされにくい——これが長崎の構造的な難しさです。
観光スポットと“生活地価”は別軸で動く:グルメ人気でも住宅需要は偏る
長崎はちゃんぽん・皿うどん、卓袱料理、カステラなどのグルメ力も高く、交流人口はつくりやすい街です。しかし、観光客が増えても住宅購入の判断軸は「日々の移動」「医療・買い物」「駐車・道路条件」に戻ります。そのため、観光地としての魅力が高いほど、むしろ観光エリアと居住エリアの評価が分離しやすく、住宅地価は“便利な平地”へ集中していきます。
長崎市の「地価下落が止まりにくい」ポイント:斜面市街地の空洞化が、平均値を押し下げる
- 人口減で住宅需要の総量が縮みやすい
- 斜面地形により、住み替え需要が平地へ一極集中しやすい
- 坂・階段・狭隘道路・駐車条件が流動性を下げ、値下げが起きやすい
- 観光の強さが居住ニーズの“面の底上げ”に直結しにくい
長崎市を見るときは、「市平均で下がっているか」以上に、平地・駅近・幹線沿いの“条件が揃う場所”と、斜面の住宅地の差を分けて捉えるのが重要です。地価下落が止まりにくい本質は、街の魅力不足というより、地形がつくる需給の偏りが長期的に続きやすい点にあります。
第3位:呉市(広島県)──山と海に挟まれた“細長い街”。坂・狭小道路が流動性を落とし、下落が長期化しやすい
呉市が「地価下落が止まりにくい都市」として挙がりやすいのは、景気や一時的な人気の問題というより、地形制約(平地の少なさ)と人口減の進行が重なり、住宅地の需要が戻りにくい構造を抱えているからです。港を中心に市街地が発達してきた一方で、山が迫る地形のため、住宅地は斜面や谷筋に広がりやすく、結果として「買えるけれど買いにくい」条件の土地が増えやすい——これが地価の下落圧力になります。
都市のスケール:面積は大きいが、宅地は“広がれる場所”が限られる
呉市は面積約353㎢と決して小さくありません。しかし実態としては、山地が多く、可住地が海沿い・谷筋・限られた平坦部に集まりやすい地形です。市街地が「面」で連続しにくいため、住宅需要も条件の良い場所へ寄りやすく、そうでないエリアは流動性(売れやすさ)が落ちやすくなります。
人口は約20万人規模から減少傾向が続き、世帯数の伸びも期待しづらい局面です。地価は究極的には「住む人の総量」に支えられます。総量が縮むと、坂・狭小道路・駐車難などの“条件”がある土地ほど選ばれにくくなり、値下げが先行して相場を引っ張る形になりやすいのです。
地価の弱点:坂・段差・狭隘道路が「検討者の母数」を削る
呉市の地価を考えるうえで重要なのが、物件そのものの良し悪し以前に、土地の条件が購入判断を分けやすい点です。斜面地では、日々の移動負担(徒歩・自転車・車)、荷物の運搬、通院・通学の動線が課題になりやすく、加えて道路幅が狭いエリアでは車の出し入れや駐車スペース確保がネックになります。
この状態が生むのは、価格の問題というより“買い手が限られる市場”です。買い手が限られると売却期間が延び、成約させるために価格調整が起きやすい。さらに人口減で検討者の母数自体が減っているため、値下げが常態化→相場がじわじわ下がるという流れが止まりにくくなります。
中心部の強さだけでは支えきれない:条件格差が平均地価を押し下げる
呉市内でも、生活利便(買い物・医療・公共交通)に寄れるエリアや、主要道路への接続が良いエリアは相対的に動きやすい一方、坂の上・袋小路・狭い生活道路が多いエリアは、同じ市内でも流動性が一段落ちる傾向が出ます。
ここで“止まらない下落”を生みやすいのが、都市全体で見たときに、条件が厳しい住宅地が一定量存在し続けることです。需要が強い場所があっても、動きにくい場所の値下げ事例が積み上がると、統計上の平均は押し下げられやすく、「下がる場所が下がり続ける」ことが、市全体の印象を固定化してしまいます。
産業・雇用:歴史ある“ものづくり”の街ほど、再編局面では住宅需要が細りやすい
呉は港湾を背景に発展し、製造業や関連産業の集積を持つ街として知られます。ただ、人口減局面の地方都市では、産業が一定規模で維持されていても、雇用の伸びが限定的だと転入・世帯形成が増えにくく、住宅需要の底上げが起きにくいのが現実です。
地価は「働く場所がある」だけでなく、「若い世帯が住み続ける/入ってくる」ことで安定します。斜面地が多い都市では、子育て動線や車利用のしやすさが重視されるほど、住み替え需要が“条件の良い平坦部”へ寄り、その他エリアの下落圧力が残りやすくなります。
観光スポットとグルメ:交流人口はあるが、住宅地の値持ちとは直結しにくい
呉市は観光面でも個性が強く、大和ミュージアム(呉市海事歴史科学館)や、港町らしい景観など、目的性のある来訪を生みやすい都市です。グルメも、瀬戸内の海の幸をはじめとした“港の食”が強みになります。
ただし、観光は来訪者を増やす力があっても、住宅地価を支えるのは通勤・通学、医療、買い物、駐車といった日常条件です。観光で評価されるエリアと、居住で選ばれるエリアが一致しない場合、街の知名度が高くても、住宅地価は便利な場所だけが粘り、その他が下がるという形になりやすい点は押さえておきたいところです。
呉市の「地価下落が止まりにくい」焦点:地形がつくる“売りにくさ”が、人口減局面で効いてくる
- 人口減で買い手の母数が縮み、需給が緩みやすい
- 山が迫る地形により、斜面地・段差のある住宅地が多い
- 狭隘道路・駐車条件が流動性を下げ、値下げ圧力が長引きやすい
- 需要が条件の良いエリアへ集中し、動きにくい場所の下落が平均を押し下げやすい
呉市の地価を見るときのポイントは、「市内に強い場所があるか」よりも、動きにくい土地がどの程度の量で残っているかです。地形がつくる条件格差は、人口が増える局面では目立ちにくい一方、人口減局面では一気に“売りにくさ”として表面化し、下落が長期化する要因になりやすい——呉市はその影響を受けやすい都市だといえます。
第4位:米子市(鳥取県)──“山陰の拠点”でも、人口が増えにくく中心部の弱さが面で効く。ロードサイド化が地価をじわり押し下げる
米子市が「地価下落が止まりにくい都市」として名前が挙がりやすいのは、街としての機能が弱いからではありません。山陰エリアの交通・商業・医療の結節点としての役割を持ちながらも、人口が増加局面に入りにくいこと、そして買い物動線が郊外の幹線道路沿い(ロードサイド)へ移りやすいことが重なり、中心市街地の地価が“面”で粘りづらい構造があるためです。
都市のスケール:面積は約132㎢。生活圏は“コンパクトに見えて分散しやすい”
米子市の面積は約132㎢と、全国の中核級都市と比べるとコンパクトな部類です。一方で、住宅地・商業地の選択肢が「駅周辺に一極集中する」というより、幹線道路沿いの利便性が強く働きやすい土地柄でもあります。都市規模が大きくないほど、商業の中心が分散したときに中心部の空洞化が統計上も目立ちやすいという側面があります。
人口は約14〜15万人規模で、長期的には伸びにくい局面です。地価を支える根本は「世帯の増加」ですが、それが期待しにくい環境では、住宅・店舗・駐車場用地の需要が強くなりづらく、売り物件や空き物件が増えた段階で価格調整が入りやすくなります。
地価の弱点:ロードサイド化で“中心部の回遊性”が弱まり、地価が面で下がりやすい
米子市の下落圧力を理解するキーワードが、ランキング本文にもあるロードサイド化です。車移動が前提になりやすい地方都市では、大型店やチェーン飲食、生活必需の店舗が幹線道路沿いに集積しやすくなります。すると、日常の買い物が「街なかを歩いて回る」形から、「車で目的地に直行する」形へ変わり、中心部の人流(回遊性)が落ちやすい。
この変化が地価に与える影響は大きく、中心部の商業地はテナントの入れ替わりが増えたり、空き区画が目立つと賃料相場→収益力→地価の順で弱含みになりやすくなります。しかも中心部の弱さは一点だけでなく、周辺の通り・裏通りへと連鎖しやすい。結果として、住宅地も含めて「街の中心が強い」というストーリーが描きにくくなり、面で地価が下がる圧力が残ります。
需要が“便利な線”に寄る:駅前よりも幹線道路・駐車条件が効く市場
米子は鉄道の結節点としての機能がある一方、住宅・店舗の選好では駐車のしやすさや幹線道路への出やすさが評価に直結しやすい地域です。駅徒歩圏という“点”の強みだけで需要を集め続けるのが難しいと、人気の基準が「幹線沿いの線」へ移動していきます。
そして、需要が線(ロードサイド)へ寄るほど、中心部の地価は「局所的に粘る場所」があっても、全体としては下落要因が勝ちやすい。これは、1〜3位の都市のような急峻な地形制約とは別の形で、都市構造そのものが中心部の値持ちを弱くするタイプの下落メカニズムです。
産業・雇用:拠点性はあるが、人口増(=住宅需要の純増)につながりにくい
米子市は山陰の拠点として、商業・医療・行政サービスの集積があり、周辺からの通勤・通院・買い物といった“昼間人口・交流人口”はつくりやすい街です。ただし地価を強く押し上げるのは、「周辺から来る」だけでなく、住む人が増える(転入・世帯形成が増える)ことです。
この差が生まれると、中心部商業地は“利用される”一方で“住まれる”比率が伸びにくく、住宅需要の下支えが弱くなりがちです。拠点都市としての機能があっても、人口が増えにくい局面では、地価はじわじわと下方向へ引っ張られます。
観光・グルメ:強力なスポットを抱えつつ、住宅地価の底上げとは別軸
米子市は、皆生温泉をはじめとする観光導線や、境港・大山エリアへのアクセス拠点としての魅力があります。海産物を軸にした食の強さもあり、カニを含む山陰の海の幸や、地元の飲食店文化は観光・出張の満足度を高めます。
ただし観光の強さは、宿泊・飲食など特定エリアの売上を押し上げやすい一方で、住宅地価の評価軸である通勤・通学の動線、日常の買い物、駐車条件とは一致しないことも多い。米子でも、観光資源があること自体より、日常の消費がロードサイドへ流れることのほうが、中心部の地価には長期的に効きやすい要素になります。
米子市の「地価下落が止まりにくい」焦点:中心の弱りが“面”で効き、人口が増えない限り反転しにくい
- 人口が増加局面に入りにくいため、住宅需要の純増が起きづらい
- ロードサイド化で中心部の回遊性・商業収益が弱まりやすい
- 需要が幹線道路・駐車条件に寄ることで、中心部の地価が面で押し下げられやすい
- 拠点性・観光性があっても、居住需要の底上げとは別軸で動きやすい
米子市の地価を読むときは、「山陰の中心だから大丈夫」という見方よりも、中心部で人流と商業の厚みが保てているか、そして住宅需要が駅前(点)ではなく幹線(線)へ移りすぎていないか、という都市構造の変化に注目するのが重要です。地価下落が止まりにくい背景には、人口動態だけでなく、消費動線の変化が中心部の値持ちを削り続けるという“じわじわ効く要因”があります。
第5位:上越市(新潟県)──広すぎる市域が「需要の分散」を生み、平均地価が下落基調になりやすい街
上越市が「地価下落が止まりにくい都市」として挙がりやすいのは、極端に不便だからというより、市域が広く、生活圏が複数に分かれやすいことが大きな要因です。需要が1か所に集まりきらない都市では、エリアごとの条件差がそのまま地価差になり、しかも統計上は“平均すると下がって見えやすい”。上越市はまさにそのタイプで、同じ市内でも「粘る場所」と「動きにくい場所」が併存し、その差が年々効いてきます。
都市のスケール:面積が大きく、中心が複数ある「分散型」
上越市は新潟県内でも市域が大きい部類で、旧来の市街地・住宅地・郊外・海側・山側など、暮らしの顔が一枚岩ではありません。こうした分散構造は、人口増局面では「住む場所の選択肢が多い」という強みにもなりますが、人口減局面では逆に、住宅・商業の需要が薄く広がってしまうリスクになります。
人口は約18〜19万人規模で、長期的には減少・高齢化の影響を受けやすい局面です。地価は「買い手の総量」に支えられますが、その総量が縮むと、まず“立地や条件で劣るエリア”から流動性が落ち、値下げ事例が出やすくなります。上越市はこのとき、ただでさえ広い市域に需要が散るため、下落が面として止まりにくい構造が生まれます。
地価の弱点:エリア間の需要差が大きく、「平均」にすると下落が残りやすい
上越の難しさは、人気エリアが存在しても、都市全体の地価を押し上げるほど需要が一点集中しないことです。例えば、生活利便が整うエリアや交通アクセスが良いエリアは相対的に底堅さが出ても、そこから外れた住宅地・郊外部では、人口減の影響がストレートに出やすい。
そして分散型の都市では、売り物件の選択肢が増えやすく、買い手は「より条件の良い場所」へ移りやすくなります。結果として、条件が弱いエリアでは価格調整が先行し、成約価格が相場の基準を作っていく。こうした値下げの積み上がりが、統計上の平均地価をじわじわ押し下げ、「下落が止まりにくい」印象につながります。
住宅市場のリアル:空き家・空室が“分散して増える”と、相場の戻りが遅い
人口減局面で地価に効くのは、単に人口が減ることだけでなく、空き家・空室が市場にどう出てくるかです。上越市のように範囲が広い自治体では、空き家が特定エリアに集中的に出るというより、広い範囲に点在しながら増えやすい傾向があります。
空き家が点在して増えると、エリアごとの「需給の締まり」が作りにくく、局所的な回復が起きても市全体へ波及しづらい。さらに、高齢化が進むほど相続等で物件が市場に出やすくなる一方、若年層の転入が強くなければ買い手は増えません。すると、売却期間が伸びる→値下げが増える→相場が下方向へ馴染むという流れが起きやすくなります。
産業・雇用:拠点性はあるが、「居住需要の純増」にはつながりにくい
上越市は地域の拠点としての機能を持ち、流通・サービス・製造など複数の産業で雇用を支えています。ただし地価を強く支えるのは、雇用の“存在”以上に、転入が増える/若い世帯が増えるという形での居住需要の純増です。
雇用が安定していても人口が伸びない局面では、住宅需要は「新しく増える」よりも「市内で移動する(住み替える)」比率が高くなります。その住み替えが、より便利なエリアへ寄るほど、その他の広い範囲は相対的に薄くなり、地価は平均として下落圧力を受け続けます。
観光・グルメ:魅力はあるが、住宅地価を面で押し上げる力とは別軸
上越は、日本海側の景観や歴史・文化資源(城下町の要素など)を背景に観光需要も持ちます。また食の面では、米どころ新潟らしい米・日本酒はもちろん、海の幸も含めて“外から来る理由”を作れる地域です。
ただし、観光の評価は特定のスポットや導線に集まりやすく、住宅地価の判断軸である通勤・通学、医療、買い物、除雪を含む生活のしやすさとは一致しないことも多いもの。観光の強みがあっても、居住需要が市内で分散したままだと、住宅地価は強い場所だけが粘り、弱い場所が下がり続けるという形になりやすい点は押さえておきたいところです。
上越市の「地価下落が止まりにくい」焦点:広域×分散が、下落圧力を長引かせる
- 市域が広く生活圏が分散し、需要が一点に集まりにくい
- エリア間の需要差が大きく、動きにくい場所の値下げが平均を押し下げやすい
- 人口減・高齢化で買い手の総量が縮み、空き家・売り物件が積み上がりやすい
- 観光・拠点性があっても、住宅需要を“面で”底上げしにくい
上越市は、条件の良いエリアが弱いわけではありません。むしろポイントは、広い市域に「動きにくい土地」が一定量残りやすいことです。地価が下落基調になりやすい都市ほど、街の魅力よりも先に「需給の薄い範囲がどれだけあるか」が効いてきます。上越はその“薄い範囲”が広くなりやすい分、平均地価の下落が止まりにくい構造を抱えています。
第7位:大館市(秋田県)──人口減の“速度”が効く。空き家化が市街地周辺まで広がり、地価の支えが細くなる街
大館市が「地価下落が止まらない都市ランキング」で上位に入りやすい理由は、景気の波というよりも、人口減少のペースが強く、住宅・店舗需要が継続的に細っていく構造にあります。需要が縮む局面では、地価は「一気に崩れる」というより、売れにくさ(流動性の低下)→値下げの積み上がりとして、じわじわ下がり続けやすいのが特徴です。大館市はその影響が、市街地の周辺部にまで及びやすいことが、地価の弱さとして表れやすくなっています。
都市のスケール:面積は広いが、需要は縮みながら点在しやすい
大館市は面積約913㎢と市域が広い一方、人口規模は約6〜7万人(近年は減少基調)で、住宅地価を支える「買い手の母数」が伸びにくい環境です。市域が広い都市ほど、生活圏が複数に分かれやすく、人口減局面では需要が薄く広がったまま弱くなる傾向が出ます。
このとき厄介なのが、中心部だけでなく「中心の周辺」まで空き家化が進みやすい点です。郊外の空き家増は想像されやすい一方で、市街地周辺の住宅地が弱り始めると、地価の下落はより“止まりにくい相”を帯びます。なぜなら、周辺部は供給量が一定程度あり、かつ立地条件が少し落ちるだけで買い手が別の選択肢へ移りやすいからです。
地価の弱点:空き家・空室が「価格の基準」を下方向へ作り続ける
人口減が続く都市で地価を押し下げる直接要因は、単に「人が減る」ことではなく、売り物件・空き家が市場に残り続けることです。大館市は、住み替え・相続などで物件が供給されやすい一方、若年層の流入が強くなりにくく、結果として買い手市場が定着しやすい。
買い手市場になると、成約は「条件の良い物件」から先に動き、条件が弱い物件は売却期間が長期化します。長期化すれば、売主は値下げを重ねて成約を狙うため、低い成約価格が周辺相場の“新しい基準”になり、地価が戻りにくくなります。ランキング本文にある通り、大館の弱点は市街地周辺でも空き家化が進み、価格の支えが弱いこと。中心だけが粘っても、周辺の値下げ事例が積み上がると、平均として下落が続きやすくなります。
産業・雇用:基幹があっても「居住需要の純増」を作りにくい局面
大館市は、秋田北部の生活圏を支える拠点であり、製造業や建設、医療・福祉、小売など複数の産業で雇用を支えています。加えて県北の交通の要所としての機能も持ちます。
ただし不動産の視点で重要なのは、雇用が“ある”ことよりも、転入・世帯形成が増えて住宅需要が純増するかです。人口減局面では、市内の住宅需要は「新しく増える」よりも「条件の良い場所へ移る」方向に寄りやすく、条件が落ちるエリアは売れにくさが増します。結果として、地価は都市全体としてじわじわ下方向へ馴染みやすくなります。
観光・食の魅力:交流人口は作れるが、住宅地価の底上げとは別軸
大館市は観光・文化資源も持っています。例えば、秋田犬に関わる発信や、自然・温泉など、目的性のある来訪をつくりやすい要素があります。食の面でも、県北らしい郷土の味や地元の飲食店文化があり、滞在の満足度を高める力はあります。
ただし、観光やグルメが強くても、住宅地価の評価軸は基本的に通勤・通学、医療、日常の買い物、除雪を含む生活のしやすさに戻ります。交流人口があっても定住人口が増えなければ、住宅需要の総量は増えにくく、地価を“面で”押し上げる効果は限定的になりがちです。
平均年収・家計感覚:取得しやすさが上がっても、需給が緩むと価格は戻りにくい
地方都市では、首都圏ほど「年収上昇が地価を押し上げる」動きが起きにくく、むしろ重要なのは需要と供給のバランスです。大館市のように人口減で買い手が減り、売り物件が残りやすい環境では、仮に購入負担が軽く見えても、需給が締まりにくい以上、相場は反転しづらい傾向があります。結果として、地価の調整は急落よりも、緩やかな下落が長く続く形で表面化しやすくなります。
大館市の「地価下落が止まりにくい」ポイント:人口減の速度×空き家化の広がりが、支えを細くする
- 人口減少のペースが強く、住宅・店舗需要が縮みやすい
- 空き家化が市街地周辺にも及び、値下げ事例が相場を作りやすい
- 買い手市場が定着すると、売却期間が伸び、価格調整が常態化しやすい
- 観光・食の魅力があっても、定住需要の純増とは別軸で動きやすい
第9位:釧路市(北海道)──人口流出と高齢化が同時進行。“持ち家の厚み”が売り物件を積み上げ、地価の戻りを遅らせる街
釧路市が「地価下落が止まらない都市」として挙がりやすい背景には、地方都市に共通する人口減の問題に加えて、高齢化の進行と、ランキング本文にもある「持ち家比率が高く、売り物件が積み上がりやすい」という住宅市場の構造があります。需要(買う人)が細るタイミングで供給(売りに出る家)が増えやすいと、地価は反転しづらく、下落が“長引く形”で表れやすくなります。
都市のスケール:面積は約1,360㎢級。広い市域の中で、需要はコンパクト化しやすい
釧路市は面積が約1,360㎢前後と全国でも大きい部類で、旧市街・港湾周辺・郊外住宅地など生活圏が複数に分かれます。一方で人口は約15万人規模(長期的に減少傾向)で、住宅需要の土台となる「世帯の純増」を作りにくい局面です。
この組み合わせが意味するのは、市街地が広がって維持されてきた都市ほど、人口減局面では需要が“広い面”ではなく、利便性の高い“限られた範囲”へ縮むということ。結果として、条件が少し落ちるエリアから流動性が下がり、じわじわと値下げ圧力が広がりやすくなります。
地価の弱点:持ち家比率の高さが「売り」を増やしやすい
釧路の地価を押し下げやすい要因として効いてくるのが、持ち家の厚みです。賃貸中心の都市に比べ、持ち家が多い地域では、相続や住み替え、世帯縮小の局面で住宅が市場に出やすい傾向があります。
問題は、そのタイミングが人口流出・高齢化と重なりやすいことです。つまり、「売りたい(手放したい)」が増えるのに、「買いたい(移り住みたい)」が増えにくい。需給が緩むと、成約は条件の良い物件に寄り、その他は売却期間が長引きます。売れ残りが増えるほど、価格調整は起きやすくなり、低い成約価格が相場の目線を作ってしまうため、地価が戻りにくくなります。
人口動態:若年層の流出×高齢化で、市場の“買い手側”が細る
釧路市では、進学・就職を契機に若年層が域外へ出る流れが課題になりやすく、同時に高齢化が進みます。地価にとって厄介なのは、高齢化そのものよりも、生活ニーズの変化が住宅需要を「便利な場所への住み替え」へ向かわせやすい点です。
例えば、医療・買い物・公共交通に近いエリアは相対的に検討されやすい一方、車前提の立地や、日常利便施設から距離がある住宅地は、将来の買い手が見えにくくなります。人口が増えない局面では、こうした立地差がよりシビアに評価され、“売れる場所だけが動き、動かない場所が下落を長引かせる”構図になりがちです。
産業・雇用:港湾・物流・水産の拠点性はあるが、定住需要の純増にはつながりにくい
釧路は道東の拠点都市として、港を背景にした物流や水産関連、サービス業などを抱えています。加えて、広域の医療・行政・商業機能も一定程度担っており、“生活の中心”としての役割は小さくありません。
ただし不動産の視点では、「拠点であること」と「人口が増えること」は別です。雇用が維持されていても、転入が強くなければ住宅需要は市内での住み替えが中心になります。住み替え需要は“より条件の良い場所”へ集中しやすく、結果としてそれ以外のエリアでは、供給が積み上がったときに値下げが先行し、地価の下落が止まりにくくなります。
観光・レジャー資源:目的地はあるが、住宅地価の評価軸とは分かれやすい
釧路は、釧路湿原をはじめとする道東の自然資源への玄関口としての強みがあります。観光・レジャーの目的性がある都市は交流人口を作りやすい一方で、住宅地価を支えるのは通勤・通学、日常の買い物、医療アクセスといった“暮らしの条件”です。
そのため、観光としての魅力があっても、住宅市場が持ち家の放出増と買い手の減少に傾いている限り、地価の底上げに直結しにくい——ここが釧路の難しさです。
グルメの強さ:海の幸は武器。ただし地価を支えるのは「定住の総量」
釧路は水産都市としての色が濃く、海産物を軸にした食の魅力があります。飲食の強さは街の活気や来訪理由を作りますが、地価の観点では、最終的に効くのは定住人口・世帯数です。交流人口が増えても、住宅の買い手が増えなければ、売り物件の在庫が解消しにくく、相場は戻りにくいままになりがちです。
釧路市の「地価下落が止まりにくい」焦点:売り物件が増えやすい市場構造が、下落を“長期戦”にする
- 人口流出と高齢化で買い手の母数が縮みやすい
- 持ち家比率の高さが、相続・住み替え局面で売り物件を増やしやすい
- 需要が利便性の高い範囲へ収れんし、その他エリアの流動性が落ちやすい
- 拠点性や観光資源があっても、居住需要の純増に直結しないと相場は戻りにくい
第10位:室蘭市(北海道)──産業転換と人口減が“住宅需要の戻り”を遅らせる。駅前の薄さが地価の粘りを削る街
室蘭市の地価が下落基調になりやすいのは、「街の魅力がないから」という単純な話ではありません。むしろポイントは、人口減と、製造業中心の街が抱えやすい産業構造の転換が重なり、住宅需要が増えにくい局面が続きやすいこと。さらにランキング本文の通り、駅前・中心部の商業集積が薄く、回遊性が伸びづらいため、「中心に住む・中心で買う」という導線が強くなりにくく、地価の下支えが弱くなりがちです。
都市のスケール:面積は約81㎢。コンパクトでも“需要の厚み”が作りにくい
室蘭市の面積は約81㎢と、北海道内の都市としては比較的コンパクトです。一般にコンパクトな街は生活圏がまとまりやすく、中心部が強ければ地価も安定しやすいのですが、室蘭の場合は人口規模が約8万人前後で長期的に減少傾向にあり、住宅需要の土台となる「世帯の純増」が期待しにくい状況が続きます。
人口が減る局面で重要なのは、「どこが強いか」以上に薄い需要を受け止める供給(売り物件・空き家)がどれだけ出てくるかです。需要の厚みが戻らないと、値下げで成約させる事例が増え、結果として地価は“じわじわ下がる”形になりやすくなります。
地価の弱点:駅前・中心部の“集積の薄さ”が、回遊性と賃料の支えを作りにくい
地価、とくに商業地価は、ざっくり言えば人が歩く量(回遊性)×商業収益(賃料)で支えられます。室蘭市では、中心部に「強い核」が生まれにくい時期が長いと、駅前のテナント需要が厚くなりづらく、空き区画が目立つ→賃料が伸びない→収益還元力が弱い、という流れが起きやすい。
こうした中心部の弱さは、住宅地価にも波及します。中心に“住む理由”が増えにくいと、住み替え需要が市内で循環しづらくなり、結果として市全体で地価の戻りが遅くなる——室蘭の「下落が止まりにくい」核心はここにあります。
産業・雇用:製造業の街ほど“再編期”に住宅需要が細りやすい
室蘭は、港湾と重工業を背景に発展してきた産業都市として知られます。こうした街は、雇用が維持されている間は住宅需要も一定の底堅さを持ちますが、産業構造が転換する局面では、雇用の増加が起きにくくなり、転入・世帯形成が伸びづらい傾向があります。
地価を強く支えるのは「仕事がある」こと以上に、若い世帯が増える/転入が増えることです。ここが弱いと、住宅市場は「市内での住み替え」が中心になり、便利な立地だけが動く一方で、それ以外のエリアは売却期間が長引きやすくなります。
人口動態と住宅市場:買い手が増えにくいと、価格は“上がらない”より先に“下がり続ける”
人口減局面で地価が下がるメカニズムはシンプルで、買い手の母数が減る一方で、相続や住み替えで売り物件が一定量出てくると需給が緩みます。需給が緩むと、成約は条件の良い物件に寄り、条件が弱い物件は値下げが必要になる。値下げ事例が積み上がるほど、周辺の目線(相場)が下方向に更新され、下落が“止まりにくく”見えるようになります。
室蘭はコンパクトな分、本来なら中心部の強さが相場の支えになり得ます。しかし、中心の集積が薄いと、その支えが作れず、下落圧力が抜けにくい——ここが室蘭の難しさです。
地価・家計感覚:取得しやすさが増しても、需要が薄いと相場は戻りにくい
地方都市では、地価が下がるほど「手が届きやすい価格帯」になりやすい一方で、購入判断は価格だけで決まりません。重要なのは、将来売れるか(流動性)と、暮らしの条件(通勤・買い物・医療・冬期の生活動線など)です。室蘭で中心部の回遊性が強まりにくい状況が続くと、資産性の見通しが立てにくくなり、結果として需要の戻りが遅れやすくなります。
観光スポット・グルメ:魅力はあるが、地価を支えるのは“定住需要の厚み”
室蘭は、海と工場夜景がつくる景観、港湾都市ならではの雰囲気など、訪れる理由を持てる街です。グルメ面でも、室蘭名物として知られる室蘭やきとりなど、地域の食文化は強みになります。
ただし観光やグルメの評価は、特定スポット・特定導線に集まりやすく、住宅地価を広く押し上げるかどうかは別問題です。住宅地価の最重要因子は、結局のところ住む人が増えるか/世帯が増えるか。ここが伸びにくい限り、街の魅力があっても地価は“平均として”弱含みになりやすいのが現実です。
室蘭市の「地価下落が止まりにくい」ポイント:産業転換×人口減に、中心の薄さが重なる
- 人口減で住宅需要の土台(買い手の母数)が増えにくい
- 産業構造の転換で、転入・世帯形成の純増が起きにくい局面が続きやすい
- 駅前・中心部の商業集積が薄いため、回遊性・賃料・地価の“支え”が作りにくい
- 結果として、条件が弱いエリアから売れにくさ→値下げが積み上がりやすい


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