中国で人口密度が高い場所はどこか。北京や上海の朝の駅を思い浮かべる人は多いと思いますが、体感の混雑と、統計上の密度は必ずしも一致しません。
使うのは中国国家統計局の中国統計年鑑2025。省・自治区・直轄市ごとの2024年末の常住人口を収録した公式統計です。これを各地方政府とジェトロが公表している面積で割り、1平方キロメートルあたり何人が住んでいるかを計算しました。2024年末の全国の人口は14億828万人です。
なお、この統計で人口が公表されているのは省・自治区・直轄市の単位までで、市ごとの内訳は含まれていません。今回のランキングが「都市」ではなく「地域」単位になっているのは、そのためです。
※人口は中国統計年鑑2025による2024年末の常住人口、面積は各地方政府またはジェトロの公表値です。人口密度はこの2つから本記事で算出しました。
| 順位 | 地域 | 2024年末の人口密度(人/平方キロメートル) | 2024年末の常住人口 | 面積(平方キロメートル) | 常住人口の順位(31地域中) |
|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | 上海市 | 3,912人 | 2,480万人 | 6,340.5 | 22位 |
| 2位 | 北京市 | 1,330人 | 2,183万人 | 16,410 | 26位 |
| 3位 | 天津市 | 1,140人 | 1,364万人 | 11,966 | 27位 |
| 4位 | 江蘇省 | 795人 | 8,526万人 | 107,200 | 4位 |
| 5位 | 広東省 | 710人 | 1億2,780万人 | 180,000 | 1位 |
| 6位 | 山東省 | 647人 | 1億80万人 | 155,800 | 2位 |
| 7位 | 浙江省 | 629人 | 6,670万人 | 106,000 | 7位 |
| 8位 | 河南省 | 586人 | 9,785万人 | 167,000 | 3位 |
香港・マカオ・台湾は、中国統計年鑑の省・自治区・直轄市の集計に含まれていないため、今回の順位には入れていません。
表の右端は人口そのものの順位です。密度の上位3つを占める上海・北京・天津は、人口では22位・26位・27位。逆に人口1位の広東省は、密度では5位にとどまります。密度が高いことと人が多いことは、同じではありません。
もうひとつ、これは省や直轄市の全域を平均した数字です。同じ上海市でも中心部と郊外では事情が違うので、街の混み具合をそのまま表しているわけではありません。
1位 上海市:3,912人。2位の3倍近い
上海の2024年末の常住人口は2,480万人、面積は6,340.5平方キロメートル。ジェトロはこの広さを「日本の群馬県(6,363.2平方キロメートル)とほぼ同じ面積」と説明しています。群馬県とほぼ同じ広さに、日本の総人口の2割にあたる人が暮らしている計算です。
人口密度は3,912人。2位の北京市が1,330人ですから、3倍近い差がついています。
ただし人口そのものは31地域中22位で、山西省(3,446万人)や黒龍江省(3,029万人)を下回ります。上海が突出しているのは人が多いからではなく、面積が小さいから。中国の国土に占める上海市の面積は0.06%にすぎません。
2位 北京市:1,330人。面積は上海の2.6倍
北京の常住人口は2,183万人。上海より300万人ほど少ないだけですが、面積が16,410平方キロメートルと上海の2.6倍あるため、人口密度は1,330人にとどまります。
それでも3位の天津市を190人上回っており、直轄市どうしでも差は小さくありません。人口の順位は26位です。
3位 天津市:1,140人。1,000人を超えるのはここまで
天津の常住人口は1,364万人、面積は11,966平方キロメートル、人口密度は1,140人。人口は31地域中27位で、上位8地域のなかでは最も少なくなっています。
ここまでの3つはいずれも直轄市です。市域そのものが行政単位になっているぶん省より面積が小さく、密度は高く出ます。1平方キロメートルあたり1,000人を超えるのはこの3つだけで、4位以降は省が並びます。
4位 江蘇省:795人。省としては最も高い
江蘇省の常住人口は8,526万人、面積は10万7,200平方キロメートル、人口密度は795人です。省のなかでは最も高い数字になります。
人口の順位も4位で、密度の順位と一致します。上位8地域で人口と密度の順位が揃うのは、江蘇省と7位の浙江省の2つだけです。
5位 広東省:710人。人口は日本の総人口を上回る
広東省の常住人口は1億2,780万人で中国最多。日本の総人口(2024年10月1日現在で1億2,380万人)を400万人ほど上回ります。
面積は18万平方キロメートル、人口密度は710人。人口では1位でも密度は5位です。面積が江蘇省の1.7倍あるためで、人が集中しているかどうかは人口の多さだけでは決まらない、ということになります。
6位 山東省:647人。7位とは18人差
山東省の常住人口は1億80万人。1億人を超えるのは、広東省とこの山東省だけです。面積は15万5,800平方キロメートル、人口密度は647人。
7位の浙江省とは18人差で、ほぼ並んでいます。人口は浙江省より3,410万人多いのですが、面積も1.5倍あるため、密度ではほとんど差がつきません。
7位 浙江省:629人。江蘇省とほぼ同じ面積
浙江省の常住人口は6,670万人、面積は10万6,000平方キロメートル、人口密度は629人です。
面積は4位の江蘇省とほぼ同じ。人口は1,856万人少なく、その差がそのまま密度の差(166人)になっています。面積の近い2つを並べると、密度が何で決まっているのかが分かりやすくなります。
8位 河南省:586人。人口3位からの落差が最大
河南省の常住人口は9,785万人で、広東省・山東省に次ぐ3位。面積は16万7,000平方キロメートルで、ジェトロは日本の本州(22万8,000平方キロメートル)と並べて説明しています。本州の7割強の広さです。
人口密度は586人。人口3位に対して密度は8位と、順位が5つ下がっています。この下がり幅は上位8地域で最大です。
まとめ
上位8地域に住む人は合わせて5億3,868万人。全国14億828万人の38.2%にあたります。中国の人口の4割近くが、この8つに集まっている計算です。
軸を人口の多さに変えると、並びは大きく変わります。広東省1億2,780万人、山東省1億80万人、河南省9,785万人、江蘇省8,526万人、浙江省6,670万人、上海市2,480万人、北京市2,183万人、天津市1,364万人。密度1位の上海市が6番目、2位の北京市が7番目、3位の天津市が8番目と、上位3つがそのまま下位3つに入れ替わります。
この入れ替わりは、行政単位の違いによるものです。上海・北京・天津は市域が単位、江蘇省や広東省は複数の都市と農村部を含む省全体が単位。同じ表に並べてはいますが、直轄市の1,000人超えと、省の600〜800人台は、性格の違う数字だと見たほうが正確です。
日本と比べると、上海市は群馬県とほぼ同じ面積に2,480万人、広東省は本州の8割ほどの面積に日本の総人口を上回る1億2,780万人が暮らしている、ということになります。
この記事の数値は、次の資料から集計しています。


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