ヨーロッパの国・地域について、2015年から2025年までの10年間で人口がどれだけ減ったかを計算し、減少率の大きい順に並べました。1位はモルドバの−16.76%です。
ヨーロッパ全体では7億4,041万人から7億4,314万人へ+0.37%と、わずかに増えています。減っている国と増えている国がはっきり分かれているのが、この10年の特徴です。
順位の決め方
対象は国連統計部のM49分類で「ヨーロッパ」に属する51の国・地域です。このうち世界銀行に2015年・2025年の両方の人口が収録されている46を比べました。オーランド諸島、ガーンジー、ジャージー、スバールバル諸島、バチカンの5つは収録がないため外しています。
数値は世界銀行の世界開発指標「Population, total」。2015年の人口に対して2025年の人口が何%増減したかで並べ、減少率が大きい順に10か国を取り上げます。
46の国・地域のうち、10年間で人口が減ったのは19でした。残る27は増えています。
※本記事の数値は2026年9月時点で世界銀行が公表している値に基づきます。
人口の減少率が大きい10か国
| 順位 | 国 | 10年間の減少率 | 2015年の人口 | 2025年の人口 | 減少数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | モルドバ | −16.76% | 283万5,978人 | 236万527人 | 47万5,451人 |
| 2 | ウクライナ | −14.86% | 4,578万4,896人 | 3,898万376人 | 680万4,520人 |
| 3 | アルバニア | −13.98% | 273万1,293人 | 234万9,580人 | 38万1,713人 |
| 4 | ボスニア・ヘルツェゴビナ | −10.76% | 351万8,541人 | 314万95人 | 37万8,446人 |
| 5 | ブルガリア | −7.89% | 698万4,225人 | 643万3,302人 | 55万923人 |
| 6 | セルビア | −7.70% | 709万5,383人 | 654万9,143人 | 54万6,240人 |
| 7 | クロアチア | −6.64% | 415万1,725人 | 387万6,200人 | 27万5,525人 |
| 8 | ラトビア | −6.56% | 197万7,527人 | 184万7,785人 | 12万9,742人 |
| 9 | 北マケドニア | −4.79% | 191万2,430人 | 182万909人 | 9万1,521人 |
| 10 | ポーランド | −4.08% | 3,798万6,412人 | 3,643万5,861人 | 155万551人 |
1位 モルドバ:10年で16.76%減
モルドバの人口は2015年の283万5,978人から2025年の236万527人へ、−16.76%。46の国・地域で最も大きい減少率です。
減少数は47万5,451人で、10年前の人口の6分の1にあたります。2位ウクライナとの差は1.90ポイントでした。
2位 ウクライナ:減少数680万人は桁違い
ウクライナは4,578万4,896人から3,898万376人へ−14.86%。減少数680万4,520人は、46の国・地域で最も大きい数字です。
2位ポーランドの155万551人に対して4.4倍。上位10か国の減少数の合計1,118万4,632人のうち、60.8%をウクライナ1国が占めます。3位アルバニアとの差は0.89ポイントです。
3位 アルバニア:−13.98%
アルバニアは273万1,293人から234万9,580人へ−13.98%。減少数は38万1,713人です。
4位ボスニア・ヘルツェゴビナとの差は3.22ポイントで、上位10のなかで隣り合う順位の差としては最大。ここが上位3か国と4位以下の切れ目になっています。
4位 ボスニア・ヘルツェゴビナ:−10.76%
ボスニア・ヘルツェゴビナは351万8,541人から314万95人へ−10.76%。減少数は37万8,446人です。
10%以上減ったのは上位4か国だけ。5位ブルガリアとの差は2.87ポイントで、これも大きい区切りになっています。
5位 ブルガリア:旧版の1位は5位に
ブルガリアは698万4,225人から643万3,302人へ−7.89%。減少数は55万923人です。
旧版の記事はブルガリアを1位としていましたが、2015年→2025年で見ると5位。上位4か国はいずれもブルガリアより大きく減っています。6位セルビアとの差は0.19ポイントしかありません。
6位 セルビア:−7.70%
セルビアは709万5,383人から654万9,143人へ−7.70%。減少数54万6,240人はブルガリアとほぼ同じ規模です。
5位ブルガリアとの差は0.19ポイント、7位クロアチアとの差は1.06ポイント。人口規模も700万人前後で近く、この2か国は並んでいるとみるのが妥当です。
7位 クロアチア:−6.64%
クロアチアは415万1,725人から387万6,200人へ−6.64%。減少数は27万5,525人です。
8位ラトビアとの差は0.08ポイントしかなく、上位10のなかで最も僅差の順位でした。
8位 ラトビア:旧版の2位は8位に
ラトビアは197万7,527人から184万7,785人へ−6.56%。減少数は12万9,742人です。
旧版の記事は2位としていましたが、この10年では8位。なお旧版が3位としていたリトアニアは−0.77%で17位にとどまり、上位10から外れています。
9位 北マケドニア:−4.79%
北マケドニアは191万2,430人から182万909人へ−4.79%。減少数9万1,521人は上位10のなかで最も小さい数字です。
8位ラトビアとの差は1.78ポイント。ここで「5%以上減った8か国」と「5%未満の国」が分かれます。
10位 ポーランド:減少率は10位でも減少数は2番目
ポーランドは3,798万6,412人から3,643万5,861人へ−4.08%。減少率では10位ですが、減少数155万551人はウクライナに次ぐ2番目の大きさです。
11位はルーマニアの−4.01%で、ポーランドとの差は0.07ポイント。12位ベラルーシは−3.96%と、この付近は0.1ポイント未満の差が続きます。
まとめ
減少率で見ると、上位10のうち9か国が東ヨーロッパ・南ヨーロッパの国でした。唯一の例外はポーランドではなく、北ヨーロッパに分類されるラトビアです。
減少数で並べ替えると顔ぶれが変わります。ウクライナ680万人、ポーランド155万人に続くのはイタリア131万人とロシア113万人で、この2か国は減少率ではイタリア−2.18%(15位)、ロシア−0.78%(16位)と上位10に入りません。人口規模が大きい国は、率が小さくても人数では大きく減ります。
そしてヨーロッパ全体は+0.37%と微増でした。46の国・地域のうち27で人口が増えており、増加率が最も高いのはマルタの+30.50%、次いでジブラルタル+20.89%、ルクセンブルク+20.60%です。「ヨーロッパ全体が縮んでいる」わけではなく、国によって向きが正反対だというのが、この10年の実態です。
算出に使った統計


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