ヨーロッパで観光客増加率が高い国ランキング

ヨーロッパで観光客増加率が高い国ランキング エンタメ

ヨーロッパで観光客増加率が高い国ランキング 1位:アルバニア

近年の「回復局面(コロナ後)」で伸びが目立つ国として、1位に挙がるのがアルバニアです。最大の武器は、地中海リゾートの景観“まだ混んでいない”穴場感、そして旅行者の体感を大きく左右する物価の安さ。SNSで拡散しやすい透明度の高い海や白いビーチが次々に注目され、短期間で「行き先候補」に躍り出ました。

とくに人気を押し上げたのが南部の海岸エリア、いわゆるアルバニアン・リヴィエラです。サランダ(Sarandë)はギリシャ・コルフ島からのアクセスも良く、周遊の起点として急速に存在感を強めています。さらに、写真映えで爆発的に広がったのがクサミル(Ksamil)。小島が点在する遠浅の海は「地中海の穴場」として語られやすく、リゾート費用を抑えたい層に刺さりました。

もう一つ、アルバニアの強みは“海だけじゃない”こと。内陸にはオスマン様式の街並みが残り、文化観光の満足度も高いのが特徴です。たとえば、世界遺産に登録されるベラト(Berat)ジロカストラ(Gjirokastër)は、石造りの家々が連なる独特の景観が魅力で、ビーチ旅に歴史散策を組み合わせたい旅行者に好相性。海岸部の滞在とセットで「周遊型」にしやすいことが、観光トレンドとしての伸びを下支えしています。

旅のしやすさという点では、首都ティラナ(Tirana)の存在も大きいでしょう。ティラナはカフェ文化が根づき、滞在コストを抑えつつ都市の便利さも得られる拠点です。近年はホテルや飲食店の選択肢が増え、“気軽に行ける新興都市観光”としての色も濃くなっています。海・世界遺産・都市の三点を短い日程でも組み立てやすいのが、伸び率が高い国として選ばれる理由のひとつです。

物価面では、ヨーロッパの中でもコストパフォーマンスが際立つと感じる旅行者が多く、食事や移動、宿泊で「同じ予算でも体験を厚くできる」ことが支持につながっています。結果として、長めの滞在友人・家族への口コミが生まれやすく、リピーターや紹介での流入も期待できる構造になっています。

グルメも“伸びる国”らしい分かりやすさがあります。地中海沿岸ではシーフードが強く、内陸ではバルカンらしい素朴な肉料理や乳製品が楽しめます。たとえば、国民食にも挙げられるビレック(Byrek)のような軽食は旅の途中で試しやすく、ローカル感のある食体験が「安くて楽しい」という印象を補強します。海辺のレストランでの魚介料理から、街中のカフェやベーカリーまで、予算の振れ幅が広いのも旅行者にとっては安心材料です。

観光の受け皿としての機能も、近年の伸びとともに整ってきています。人気が集中しやすい海岸部では夏季に混雑が強まる一方、春・秋の滞在は「過ごしやすさ」と「空いている体験」を両立しやすく、シーズン分散の余地が残っています。こうした“これから伸びる余白”があること自体が、アルバニアがトレンドとして注目され続ける理由です。

総じてアルバニアは、地中海リゾート×穴場感×高いコスパという分かりやすい魅力に、世界遺産級の街並み周遊のしやすさが加わった国。回復局面で観光客の伸びが目立つのは、偶然ではなく「選ばれる理由」がきれいに揃っているからだと言えるでしょう。

ヨーロッパで観光客増加率が高い国ランキング 2位:モンテネグロ

2位はモンテネグロ。アドリア海に面した小国ながら、近年の回復局面で存在感を強めているのは、「景観の強さ」と「高級化の伸びしろ」が同時に進んでいるからです。国土はおよそ1.4万km²とコンパクトで、人口も約60万人規模。移動距離が短く、海・旧市街・山岳リゾートを数日でまとめて体験できる“周遊効率の良さ”が、短期旅行の需要と噛み合っています。

最大の武器は、世界遺産級の景観として語られやすいコトル湾(Boka Kotorska)です。フィヨルドのように入り組む湾に、中世の城壁都市コトル(Kotor)が収まり、「写真映え」と「歴史散策」が一体になった体験をつくります。旧市街の路地、城壁を登った眺望、湾岸の港町の連なりは、ひとつの都市観光でありながら“自然観光”の満足度も高いのが特徴。アルバニアが「穴場ビーチの拡散」で伸びたのに対し、モンテネグロは“名所の説得力”で選ばれやすいタイプです。

観光地の厚みを支えるのが、湾岸のリゾート群。代表格はブドヴァ(Budva)で、ビーチとナイトライフ、旧市街散策がセットになりやすく、若年層からファミリーまで間口が広いのが強みです。さらに近年、伸びを語る上で外せないのが高級リゾート開発。ティヴァトのポルト・モンテネグロ(Porto Montenegro)のように、マリーナを核にしたラグジュアリーエリアが整備され、富裕層のヨット需要や長期滞在ニーズを取り込みやすくなっています。結果として「手頃な滞在」だけでなく「上質な滞在」も選べる国になり、客層の幅が広がるほど回復局面の伸びが出やすい構造が生まれています。

地価や物価は西欧の主要観光国と比べると抑えめに感じられる一方、人気湾岸部やマリーナ周辺は需要が集中しやすく、宿泊単価が上がりやすいエリアも出てきています。これは旅行者目線では「予算の選択肢が多い」ことにつながり、マーケット目線では「投資と観光の循環」が起きやすいサイン。小国ゆえの供給制約もあり、ピークシーズンは早めの手配が安心です。

治安面では、一般的な観光の範囲で大きく構えすぎる必要はありませんが、夏季に人が増えるエリアでは、どの国でも起こり得るスリや置き引きへの基本対策は有効です。観光客が増える局面ほど「軽犯罪の体感リスク」は上がりやすいため、旧市街の混雑時やビーチ周辺では荷物管理を徹底すると快適さが保てます。

「海だけの国」ではない点も、伸びの背景として重要です。内陸に入ると一気に山岳風景が濃くなり、ドゥルミトル国立公園などでトレッキングや渓谷の絶景が楽しめます。アドリア海のリゾートに“もう1泊、山側に足す”だけで旅の密度が上がり、周辺国(クロアチア、ボスニア、セルビア、アルバニア)との周遊ルートにも組み込みやすい。こうした短期でも満足度を最大化しやすい地理が、観光トレンドとしての伸びに直結しています。

産業面では観光が経済を強く牽引しており、湾岸を中心にホテル、飲食、交通など受け皿の整備が進みやすいのも特徴です。とくにマリーナやリゾートの高付加価値化は、単なる来訪者数だけでなく「滞在の質」と「消費額」を押し上げやすく、回復局面で“伸びが目立つ国”として映りやすくなります。

グルメは、旅の満足度を底上げする分かりやすさがあります。海沿いはシーフードが中心で、イカや貝、白身魚のグリルなど「素材で勝負する」料理が多め。内陸に寄るとバルカンらしい肉料理や乳製品、素朴な煮込みが強くなり、同じ国の中で味の表情が変わります。加えて、アドリア海沿岸らしくイタリア文化圏に近い雰囲気もあり、カフェやワインと合わせて“リゾートの気分”を作りやすいのも魅力です。

総じてモンテネグロは、コトル湾という強力なアイコンに加え、ブドヴァの大衆性ティヴァト周辺のラグジュアリー化が同時進行することで、回復局面で伸びが出やすい国になっています。小国ゆえに濃い体験を短い動線で詰め込める――その“効率の良さ”こそが、観光客の増加トレンドを後押しする最大の特徴です。

ヨーロッパで観光客増加率が高い国ランキング 3位:北マケドニア

3位は北マケドニア。近年の回復局面で伸びが目立つ背景には、派手なリゾート開発で押すというより、「混雑しないヨーロッパ」を求める旅行者の受け皿として評価が高まっている点があります。国土面積はおよそ2.6万km²、人口は約180万人規模と中小規模で、主要スポット間の移動が現実的。しかもバルカン周遊の動線上にあり、「数日だけ寄る」も「じっくり滞在する」も組み立てやすいことが、増加トレンドと相性の良さを生んでいます。

核となる観光資源は、圧倒的にオフリド湖(Lake Ohrid)です。ヨーロッパ有数の透明度を誇る湖として知られ、湖畔の町オフリドは歴史地区の散策、湖上クルーズ、ビューポイント巡りが一体化した“滞在型”の魅力を持ちます。アルバニアが地中海のビーチで伸び、モンテネグロが湾岸の名景で選ばれたのに対し、北マケドニアは湖×古都という独自の切り口で、「人混み疲れしない景勝地」を探す層に刺さりやすいのが特徴です。夏は避暑とリゾート気分が両立し、春秋は散策が快適で、シーズンを分散しやすい点も伸びやすさにつながります。

もう一つの強みは、周遊需要の取り込みです。北マケドニアは内陸国でありながら、周辺に魅力的な国が密集しています。たとえばオフリド周辺はアルバニア側の湖畔地域とも近く、さらに北上すればコソボやセルビア方面へもつなげやすい。旅行者にとっては、「メインは別の国、でも印象に残る1〜2泊を足せる」場所になりやすく、こうした“追加されやすさ”が回復局面の伸びを作ります。

首都スコピエ(Skopje)は、湖畔とは違う都市観光の顔を担います。旧市街(バザール)ではオスマン期の名残を感じる路地や市場文化が楽しめ、石橋周辺は写真映えもしやすいスポット。都市規模が大きすぎないため、短時間でも見どころを押さえやすく、「移動日の観光が成立する首都」として機能します。観光客が増える国ほど“都市の拠点力”が問われますが、スコピエはその役割を十分に果たし、オフリド湖へのアクセス拠点としても分かりやすい存在です。

旅行者の体感を左右するのがコスト面です。北マケドニアは西欧の主要観光国と比べると、宿泊・食事・移動の総額が抑えやすく、結果として「同じ予算でも体験を増やせる」国になりやすい。地価の観点でも、首都中心部や人気観光地は上昇圧力がかかり得る一方、国全体としては過熱しきっていないエリアが多く、観光地として“これから整っていく余白”が残っています。回復局面で伸びる国には「未完成さ=伸びしろ」がある、という典型例です。

治安(犯罪発生率)については、一般的な観光行動の範囲では過度に身構える必要はありません。ただし、観光客が増える局面ではどの都市でも起こり得るスリ・置き引きは要注意。スコピエの混雑エリアや長距離バス・市場など、人の流れが密になる場所では荷物管理を徹底すると、快適さが保てます。

産業面では観光が存在感を強めており、オフリド湖周辺ではホテル、レストラン、アクティビティなどの受け皿が拡充しやすい状況です。国全体としては農業や軽工業なども担い手ですが、観光の成長が地域の雇用を生み、サービスの質が上がっていく好循環が期待されます。平均年収は西欧と比べれば高くはない水準にとどまりやすい一方、旅行者にとってはそれが「手が届く旅」として映り、増加トレンドを後押しします。

グルメは、派手さよりも“分かりやすくおいしい”が強み。バルカンらしい肉料理や煮込み、パプリカや乳製品を生かした家庭的な味が多く、外食の満足度を底上げします。オフリド湖周辺では湖畔らしい魚料理も楽しみのひとつで、景色と食の体験が結びつくことで記憶に残りやすい。結果として「また別の季節に来たい」「周遊の途中で再訪したい」という動機が生まれ、回復局面の伸びを支えるリピーター要素にもつながります。

北マケドニアは、オフリド湖という強い滞在理由を中心に、混雑を避けたい層周遊で旅を濃くしたい層の両方を取り込める国です。大規模観光地の“次の選択肢”として名前が挙がりやすいこと自体が、近年の増加トレンドを生む最大の特徴だと言えるでしょう。

ヨーロッパで観光客増加率が高い国ランキング 4位:セルビア

4位はセルビア。近年の回復局面で観光の伸びが目立つ理由は大きく2つあり、ひとつは首都ベオグラード(Belgrade)が持つ都市観光・ナイトライフの強さ、もうひとつはバルカン周遊における「乗り継ぎ・滞在の起点」としての存在感が増している点です。国土面積はおよそ8.8万km²、人口は約670万人規模(※コソボを除く推計)と、上位の小国(アルバニア、モンテネグロ、北マケドニア)よりスケールが大きく、都市の厚みと地方の選択肢の多さが“回復期の伸び”を支えています。

ベオグラードは、ドナウ川とサヴァ川が合流する要衝に築かれた都市で、歴史×現代のエンタメが同居するのが魅力です。日中はカレメグダン要塞(Kalemegdan Fortress)周辺で眺望と歴史散策、旧市街の歩行者天国クネズ・ミハイロヴァ通りでカフェ巡り、夜はクラブやライブバーへ——という流れが組みやすく、短期滞在でも満足度を作りやすい。アルバニアが「海の穴場感」、モンテネグロが「湾岸の名景」、北マケドニアが「湖畔の静けさ」で伸びたのに対し、セルビアは“都市で勝つ国”として伸びやすいタイプです。

とくに観光トレンドとして効いているのが、ベオグラードのナイトライフ。欧州主要都市と比べて体感コストが抑えやすい一方、音楽・クラブカルチャー・深夜まで続く外食文化があり、「若者旅」「週末トリップ」「イベント目的の渡航」といった需要を取り込みやすい土壌があります。回復局面では“屋外・体験型”の需要が戻りやすいですが、セルビアは都市そのものが体験装置になっており、伸び率が出やすい構造と言えます。

コスト面(物価・地価)も、増加トレンドの説明に欠かせません。セルビアは総じて西欧の人気国より宿泊・食事・移動が割安に感じられやすい一方、ベオグラード中心部や川沿いの開発エリアでは需要が集まり、ホテルの選択肢が増えるにつれて宿泊単価の幅も広がっています。旅行者から見ると「節約旅もできるし、少し贅沢もできる」国になりやすく、こうした価格レンジの広さが間口を広げ、結果的に観光客増へつながります。

治安(犯罪発生率)については、観光で訪れる範囲では過度に構える必要はありませんが、観光客が増える都市では共通して起こり得るスリ・置き引きは注意したいところです。夜間の繁華街や混雑する公共交通、イベント会場周辺では、現金・スマホの持ち方を含めた基本対策が快適さを左右します。ナイトライフが強みであるほど、「夜の過ごし方の安心設計」が旅の満足度を分ける——それがセルビアの特徴でもあります。

またセルビアは、単体で楽しむだけでなく周遊のハブとして選ばれやすい国です。陸路で周辺国へ動きやすく、バルカンを複数国回る旅行者にとっては「次の目的地へつなぐ途中で、都市観光もしっかり成立する」拠点になりやすい。実際、ベオグラードは“乗り継ぎのための1泊”が“想定以上に楽しい2〜3泊”へ伸びやすい都市で、こうした滞在延伸が回復局面の伸びを押し上げます。

地方にも観光の伸びしろがあります。北部のノヴィ・サド(Novi Sad)はドナウ沿いの落ち着いた街で、要塞ペトロヴァラディン周辺の景観が良く、ベオグラードから足を延ばす小旅行先として機能します。都市一極ではなく、日帰りや1泊で“旅程に変化を付けられる”ことは、リピーターや長期滞在層にとって大きな魅力です。

産業面では、首都圏を中心にサービス業の集積が進み、観光が伸びる局面ほどレストラン、バー、宿泊、交通の受け皿が拡充しやすいのも強みです。平均年収は西欧の主要国ほど高くはない傾向にありますが、それが旅行者には「手が届く欧州都市体験」として映り、コスト感の良さが需要を呼び込みやすい。都市のエネルギーと価格納得感が同時に成立していることが、セルビアが“伸びる国”として目立つ要因です。

グルメは、ナイトライフ文化と相性が良い肉料理が強い印象です。たとえばバルカン定番のチェヴァピ(Ćevapi)、炭火の香りが立つグリル、粉ものやパンを合わせる食べ方など、分かりやすく満足度を作りやすい。加えて、ベオグラードはカフェやベーカリーも豊富で、昼と夜で“街の味”が切り替わります。食の選択肢が広い都市は滞在満足が上がりやすく、結果として「次もここを起点に周りたい」という再訪動機にもつながります。

総じてセルビアは、ベオグラードの都市観光(歴史・ビュー・カフェ)ナイトライフが加わり、さらに周遊の起点として旅程に組み込みやすいことが、回復局面での伸びを強く後押ししている国です。“派手なリゾートで伸びる”のとは別軸で、都市の体験価値がそのまま増加率につながる——それが4位・セルビアの最大の特徴と言えるでしょう。

ヨーロッパで観光客増加率が高い国ランキング 5位:ボスニア・ヘルツェゴビナ

5位はボスニア・ヘルツェゴビナ。近年の回復局面で伸びが目立つ理由は、派手な大型リゾートというより、“写真映えする歴史都市”が再評価され、近隣国からの短期需要が積み上がる構造にあります。国土面積はおよそ5.1万km²、人口は約300万人規模。規模が大きすぎないため、都市間移動も現実的で、「1〜3泊の追加」として旅程に組み込みやすいことが、増加トレンドと相性の良さを生んでいます。

観光アイコンとして分かりやすいのが、南部の町モスタル(Mostar)。ネレトヴァ川に架かるスタリ・モスト(古橋)と、その周囲に広がる石畳の旧市街は、短時間でも「来た価値」を作りやすい景観です。川のエメラルド色、オスマン様式の街並み、坂道の路地——この“一枚で伝わる風景”がSNS時代の拡散と相性が良く、クロアチアの海岸都市やモンテネグロの湾岸観光とセットで訪れる人が増えやすい。アルバニアが“穴場ビーチ”、セルビアが“都市体験”で伸びたのに対し、ボスニア・ヘルツェゴビナは「旧市街の絵力」で選ばれやすいタイプです。

首都サラエボ(Sarajevo)も、回復期の伸びを支える重要な拠点です。サラエボの魅力は、単なる旧市街散策ではなく、東西文化が混ざる街の空気にあります。バシュチャルシヤ地区のバザール風景、モスクのミナレット、オーストリア=ハンガリー帝国期の建築が同じ動線上に現れ、歩くだけで“文化の層”が体感できます。大都市ほど混雑しにくい一方、見どころがコンパクトにまとまっており、「移動日でも観光が成立する首都」として周遊旅の満足度を底上げします。

コスト面(物価・地価)も追い風です。ボスニア・ヘルツェゴビナは西欧の主要観光国に比べて、宿泊・食事・移動の総額が抑えやすい体感になりやすく、旅行者にとっては「同じ予算で体験を増やせる国」。一方で、モスタル旧市街やサラエボ中心部など需要が集まるエリアでは、カフェやホテルのグレードが上がり、価格帯の幅が出ています。節約派にも、雰囲気重視の滞在派にも対応できるようになるほど、回復局面では“伸び”が数字に出やすくなります。

治安(犯罪発生率)については、観光の範囲で過度に構える必要はありませんが、観光客が増える都市で共通するスリ・置き引きには注意したいところです。旧市街の混雑時、バス・駅周辺、人気の撮影スポットでは、貴重品の持ち方を工夫するだけで快適さが大きく変わります。観光需要が戻る局面ほど、こうした“軽犯罪の体感リスク”は上がりやすい点は押さえておくと安心です。

産業面では、国内経済に占める観光の存在感が年々高まりつつあり、特にサラエボ〜モスタル周辺では宿泊・飲食・ガイドツアーなど受け皿が整いやすい状況です。平均年収は西欧の主要国ほど高い水準ではない傾向にありますが、その分、旅行者側には“コスパの良いヨーロッパ体験”として映りやすい。さらに近隣のクロアチア(EU圏)などから車で入れるルートも多く、週末・短期の越境旅行が増えやすい地理が、増加率の底上げ要因になります。

グルメは「素朴で強い」が魅力です。サラエボ名物として知られるチェヴァピ(Ćevapi)は、肉の旨みが前面に出る分かりやすいおいしさで、初訪問でも失敗しにくい名物。加えてブレク(Burek)などのパイ系軽食、濃いコーヒー文化など、街歩きと相性の良い食が揃います。名所が“写真”で記憶に残り、食が“味”で記憶に残る——この二段構えが、短期滞在でも満足度を作り、口コミ・再訪につながりやすいのがボスニア・ヘルツェゴビナの強みです。

総じてボスニア・ヘルツェゴビナは、モスタルの圧倒的な景観力サラエボの文化の厚みが核となり、周遊に組み込みやすい距離感コスト納得感で回復局面の伸びが出やすい国です。大規模観光地とは違う“濃い体験”が短い日程で得られることが、5位にふさわしい伸びの理由と言えるでしょう。

ヨーロッパで観光客増加率が高い国ランキング 6位:ポルトガル

6位はポルトガル。近年の回復局面で観光の伸びが目立つのは、リスボンやポルトの強さに頼り切らず、地方・海辺・離島へと需要が分散しながら全体が底上げされているためです。国土面積は約9.2万km²、人口は約1,030万人規模。欧州の中では中規模で、都市滞在も周遊も組み立てやすく、「有名都市+もう1エリア」を足しやすいことが増加トレンドと相性良く働いています。

まず牽引役は、やはりリスボンポルトの二大都市。リスボンは坂の街らしい眺望ポイント、トラムの風景、ベレン地区の歴史遺産など“絵になる要素”が多く、初訪問でも満足度を作りやすい。一方のポルトは、ドウロ川沿いの街並みとワイン文化が強力で、都市観光に「味」と「体験」を乗せられるのが魅力です。アルバニアやモンテネグロが“穴場や名景”で伸びたのに対し、ポルトガルは都市の完成度が高い国として、回復期の需要を受け止めやすいタイプと言えます。

ただし、ポルトガルが「増加率」で語られやすい最大のポイントは、都市一極ではなく分散型の観光が進んでいる点です。代表例が南部のアルガルヴェ(Algarve)。断崖と洞窟、ビーチが連続する海岸線はリゾート需要を強く引き寄せ、家族旅行からカップル旅まで裾野が広い。さらに内陸側や中部にも、古都コインブラオビドスなど、短時間で魅力が伝わる町が点在し、混雑を避けたい層が「次の滞在先」を選びやすい環境があります。

離島の存在も、回復局面の伸びを説明するうえで外せません。大西洋に浮かぶマデイラ諸島は、温暖な気候とトレッキング(レヴァダ歩き)で“リゾート×自然”を両立でき、季節分散にも強い。さらにアゾレス諸島は火山地形とホエールウォッチングなど体験型観光の色が濃く、「定番欧州観光の次」を探す旅行者に刺さりやすい。こうした都市・ビーチ・自然・離島の選択肢が一国の中に揃うことが、需要の波を吸収し、結果として増加トレンドを作ります。

治安(犯罪発生率)の面では、ポルトガルは欧州の中でも比較的落ち着いた国として語られやすく、安心感が旅先選びの後押しになります。もちろん観光地の中心部ではスリや置き引きのリスクはゼロではなく、特に混雑する旧市街や公共交通では基本対策が有効です。それでも「初めてのヨーロッパ」「家族連れ」「長期滞在」など、安心を重視する層が入りやすい土壌があるのは強みでしょう。

コスト面(地価・物価)は、伸びの背景としてやや複雑です。ポルトガルは“西欧の中では比較的行きやすい予算感”として認識されやすい一方、人気の集中するリスボンや沿岸部では旅行者の体感費用が上がったと感じる人も増えています。地価も都市部を中心に上昇圧力が指摘されやすく、宿泊費が高騰する時期もある。だからこそ、近年は地方滞在やオフシーズン、離島の長め滞在など、混雑と価格を避ける動き=分散が進み、それが国全体の観光客増につながっている面があります。

産業面では観光の比重が大きく、宿泊・飲食・交通・体験ツアーなどの受け皿が整っているのも回復の速さを支えます。加えて、ポルトガルはワインや農水産物など「食」に直結する産業が強く、観光が地域に波及しやすい構造です。平均年収は西欧のトップ層ほど高くはないとされる一方、その分だけ外食やローカル体験が“旅のコスパ”として感じられやすく、滞在満足を押し上げます。

グルメは、ポルトガルがリピーターを増やす大きな理由です。定番はバカリャウ(干し鱈料理)の多彩さ、炭火の香りが立つポルトガル風チキン、シーフードの旨みを生かした煮込みやリゾット系。甘いものならパステル・デ・ナタの“食べ歩き力”が強く、短い滞在でも記憶に残ります。ワインもポルト酒だけでなく、ドウロやヴィーニョ・ヴェルデなど選択肢が広く、「食の目的で再訪する」動機を作りやすいのが特徴です。

総じてポルトガルは、都市の完成度に加えて、地方・海岸・離島へと広がる分散型の魅力、そして治安と気候、食の強さが揃った国。回復局面で観光客の増加が目立つのは、単なるブームではなく「広い層が自分に合う旅を作れる」選択肢の多さが、確かな追い風になっているからです。

ヨーロッパで観光客増加率が高い国ランキング 7位:ギリシャ

7位はギリシャ。コロナ後の回復局面で観光客の伸びが目立つ最大の要因は、言うまでもなく「島旅需要」の強さです。エーゲ海・イオニア海に点在する島々は、ビーチリゾートの分かりやすさに加え、「非日常感」「写真映え」「短期でも満足度が高い滞在」を同時に作りやすい。とくに夏季(6〜9月)に需要が一気に戻りやすい国であり、回復局面の“伸び率”として数字が出やすい土壌を持っています。

国土面積はおよそ13.2万km²、人口は約1,000万人規模。国全体としては中規模ですが、観光の実態は「島と島」「島と首都」を結ぶネットワーク型です。フェリーや国内線を組み合わせることで、1週間の中に“都市+島”“島を2つ以上”といった旅程を作りやすく、滞在日数や訪問先の増加がそのまま回復の勢いとして表れやすいのが特徴です。

これまでギリシャ観光の象徴だったのは、やはりサントリーニ島ミコノス島でしょう。火山が作る断崖の街並み、白壁と青のコントラスト、夕景の名所—この“強すぎるアイコン”が世界的な憧れを作ってきました。一方で近年の増加トレンドを語るうえで重要なのは、観光客が戻る過程で「サントリーニ以外」へ流れが広がった点です。混雑や宿泊費の上昇が話題になりやすい島ほど、旅行者は代替先を探します。その受け皿として、クレタ島(遺跡とビーチの両立)、ナクソス島パロス島(素朴さと過ごしやすさ)、ロードス島(城塞都市とリゾート)などが選ばれやすくなり、国全体の回復を底上げしています。

島だけで完結しないのも、ギリシャが伸びやすい理由です。首都アテネは、アクロポリスを核にした古代遺産の圧倒的なブランド力を持ち、都市観光としての“入口”が強い。ここに島旅を足すだけで、旅のストーリーが「文明史の体験」から「海の休暇」へと切り替わり、満足度が跳ね上がります。さらに、時間が取れる層はデルフィメテオラといった本土の名所へも広げられ、周遊の伸びしろが大きい国だと言えます。

コスト面(物価・地価)はエリア差がはっきりしています。アテネ中心部や超人気アイランドは、回復とともに宿泊費が上がりやすく「高くなった」と感じる旅行者も多い一方、島の選択肢が多いため、少し外すだけで価格と快適さのバランスが取りやすいのがギリシャの強みです。需要が集中する場所ほど地価・宿泊単価が上がりやすいという構造があるからこそ、旅行者側には分散(混雑回避)の動機が生まれ、それが結果的に“国全体の増加”に寄与します。

治安(犯罪発生率)については、一般的な観光行動の範囲で過度に身構える必要はありません。ただし、観光客が密集する都市や港、人気ビーチでは、他国同様にスリ・置き引きの基本対策が有効です。アテネの混雑エリア、フェリー乗り場、移動日に荷物が増えるタイミングほど注意を置くと、旅の快適さが保てます。

産業面では観光が経済を強く牽引しており、ホテル・飲食・交通(フェリー、国内線)・アクティビティといった受け皿が拡充しやすい国です。平均年収は西欧のトップ層と比べて高い水準ではないとされる一方、旅行者にとっては外食や日常の出費が“旅の満足度”に直結しやすく、体感としての納得感を作りやすい場面も多いでしょう。

グルメは、ギリシャがリピーターを生みやすい要素のひとつです。島では新鮮な魚介、本土では肉料理や煮込みも強く、さらにフェタチーズ、オリーブ、ヨーグルトなど「素材の分かりやすさ」があります。定番のスブラキムサカ、サラダに添えられるチーズとオリーブオイルの香りは、“食べ歩き”というより滞在の気分を完成させる食。夕景や海風と結びつきやすく、思い出の再現性が高い分、「次は別の島へ」という再訪動機につながりやすいのが特徴です。

総じてギリシャは、回復局面で強い需要が戻る夏の島旅を起点にしながら、混雑・価格上昇を背景に目的地が分散していく構造を持つ国です。サントリーニのような超定番を核に、“次の島”“次の季節”へ行き先が枝分かれする——この拡張性こそが、観光客の増加率が高い国としてギリシャが再び目立っている理由だと言えるでしょう。

ヨーロッパで観光客増加率が高い国ランキング 8位:クロアチア

8位はクロアチア。近年の回復局面で伸びが続きやすい理由は、かつての「ドゥブロヴニク一強」から、旅行者の動きが海岸線・島・内陸へと分散し、周遊型で消費が積み上がる構造に変わってきた点にあります。国土面積はおよそ5.6万km²、人口は約380〜400万人規模と中小規模。移動距離が現実的で、短い日程でも“名所のハシゴ”が成立しやすいことが、回復期の需要と噛み合います。

象徴的存在は、やはり世界遺産の城壁都市ドゥブロヴニク。旧市街の石畳、アドリア海の青、城壁からの眺望は「一枚で伝わる強さ」があり、初訪問の動機になりやすい場所です。ただ近年は、人気集中による混雑や宿泊費の上昇も背景に、「次の滞在先」を探す流れが加速。そこで選ばれやすいのが、同じ海岸線に点在するスプリトザダル、さらに島々を絡めたルートです。結果としてクロアチアは、一点豪華主義から“線で楽しむ国”へ変化し、観光客数の回復がそのまま増加トレンドとして表れやすくなっています。

周遊を強く後押しするのが、自然と歴史のバランスです。都市の魅力だけでなく、内陸に入ればプリトヴィツェ湖群国立公園のような“圧倒的な自然”が控えています。エメラルド色の湖と滝が連なる景観は、ビーチとは別軸の必須体験になりやすく、海岸滞在に1泊足して自然へという旅程が組みやすい。こうした「海(アドリア)→世界遺産の街→国立公園」という組み合わせは、回復局面で“旅の密度を上げたい層”に刺さり、伸びが継続しやすい要因になります。

治安(犯罪発生率)の面では、一般的に観光客が訪れる範囲で大きく身構えすぎる必要は少ないと言われます。ただし、観光地の回復期に共通する注意点として、旧市街や港、混雑する長距離バス・フェリー周辺ではスリや置き引きは起こり得ます。とくに周遊型だと移動日が増え、荷物も増えがちなので、貴重品の分散やバッグの持ち方といった基本対策が、快適さを左右します。

コスト面は「伸びる国」らしく二層化しています。クロアチアは人気が高い分、沿岸部の主要都市やピークシーズンは宿泊費が上がりやすい一方、少し拠点をずらしたり、春秋に寄せたり、島選びを工夫したりすることで、納得感のある予算に落としやすいのが特徴です。地価も観光需要の強い沿岸部ほど上昇圧力が働きやすく、「人気の高さ」が価格に反映されやすい構造があります。だからこそ旅行者側では、混雑と費用を避ける形で分散が進み、国全体としての来訪増につながりやすくなります。

産業面では、観光が経済を強く牽引する国のひとつです。ホテル・レストラン・マリンアクティビティ・ツアーなどサービス業の裾野が広く、回復が進むほど受け皿の改善が起きやすい。さらにアドリア海沿岸はクルーズアイランドホッピングとも相性が良く、個人旅行だけでなく広い客層を取り込める点も、増加トレンドの下支えになります。平均年収は西欧の上位国ほど高くないとされる一方、旅行者にとっては「西欧ほど極端に高くない」体感が残りやすく、都市観光とリゾートを同時に楽しめる価値が選ばれる理由になります。

観光の満足度を底上げするのがグルメです。海沿いではシーフードが強く、イカや貝、白身魚のグリルなど“素材で勝負する”料理が旅情と直結します。一方で内陸に入ると、肉料理や煮込み、素朴な家庭料理が増え、同じ国でも味の表情が変わるのが魅力。加えて、アドリア沿岸はイタリア文化圏の空気も近く、ワインやオリーブオイル、カフェの使い方まで含めて「滞在の気分」を作りやすいのがクロアチアらしさです。

総じてクロアチアは、名所の強さ(ドゥブロヴニク)を入口にしつつ、スプリトなどの都市、島々、国立公園へ広がる周遊性によって、回復局面でも増加が続きやすい国です。海・自然・歴史が一国の中で無理なくつながり、「次は別ルートでもう一度」と再訪動機を作りやすいことが、8位にふさわしい“伸びの持続力”を生んでいます。

ヨーロッパで観光客増加率が高い国ランキング 9位:ルーマニア

9位はルーマニア。コロナ後の回復局面で存在感が増している理由は、地中海リゾートや超定番の世界遺産で押すというより、「ここでしか味わえない文化・物語性」が旅行者の選択肢として刺さりやすい点にあります。国土面積は約23.8万km²とヨーロッパの中では比較的大きく、人口も約1,900万人規模。都市の厚みと地方の個性が共存し、“周遊するとルーマニアらしさが増える”タイプの国です。

観光の入口として機能するのが首都ブカレスト(Bucharest)。19〜20世紀の建築が残る街並みがあり、「東欧のパリ」と呼ばれる文脈で紹介されることもあります。街歩きでカフェやレストランを挟みつつ、巨大建築として知られる国民の館(国会議事堂)など“スケールで記憶に残る”スポットを絡められるのが強み。セルビアのベオグラードが「都市×ナイトライフ」で伸びたのに対し、ブカレストは建築・歴史のレイヤーを読み解く都市観光として効きやすく、短期でも「わざわざ来た価値」を作りやすいのが特徴です。

そして、ルーマニアの観光需要を押し上げる最大のキーワードがトランシルヴァニア。いわゆる“ドラキュラ伝説”のイメージが強い地域ですが、実際の魅力はホラー的な連想だけではなく、中世の街・城・山岳風景が一体になった独自の世界観にあります。代表格がブラショフ(Brașov)シビウ(Sibiu)といった歴史都市。石畳の旧市街、広場を中心にまとまった街のサイズ感は、ボスニアのモスタル同様に「歩いて絵になる」強さを持ち、写真・動画で伝わりやすいのが増加局面と相性抜群です。

“城の国”としての分かりやすさもあります。象徴的なのはブラン城(Bran Castle)で、物語性が強く、日帰りや1泊の旅程に組み込みやすい。さらにペレシュ城(Peleș Castle)のように、内装・意匠の完成度で魅せる名城もあり、「城を見る旅」を成立させやすいのがルーマニアの強みです。クロアチアが“海→旧市街→国立公園”で周遊性を作ったのに対し、ルーマニアは都市→古都→城→山という導線で、旅程が自然に伸びていきます。

コスト面(物価・地価)は、ルーマニアが「候補に上がりやすい国」になっている背景として大きいでしょう。西欧の主要観光国と比べると、宿泊・食事・交通が割安に感じられやすい場面が多く、旅行者にとっては“同じ予算で体験を厚くできる”国になりやすい。ブカレストや人気都市の中心部は需要が集まりやすく宿泊費が上がる時期もありますが、それでも少し拠点をずらすだけで選択肢が広がり、価格レンジの幅が旅の自由度につながります。平均年収は西欧上位国ほど高い水準ではないとされる一方、旅行者目線ではそれが「コスパの良さ」として体感され、回復局面の伸びを後押しします。

治安(犯罪発生率)については、観光の行動範囲で過度に構えすぎる必要はありませんが、他の欧州都市と同様にスリ・置き引きは基本対策が有効です。とくにブカレストの混雑エリア、駅・バスターミナル、観光客が集まりやすい旧市街では、貴重品管理を徹底するだけで快適性が変わります。観光客が増える局面ほど「軽犯罪の体感リスク」は上がりやすい——これは伸びている国に共通する注意点です。

観光スポットの多様性も、伸びを“継続しやすい”要素です。自然派ならカルパチア山脈の景観や、トレッキング・ドライブといった体験型が組みやすく、夏の都市観光だけでなく季節分散にも向きます。文化面では、地域ごとに建築様式や生活文化の違いが出やすく、「1回で見切れない」感覚を作れるのが強いポイント。結果として、初回はブカレスト+トランシルヴァニア、次は別地方へ、という再訪動機が生まれやすい構造になります。

産業面では首都圏を中心にサービス業が集積し、観光の回復とともにホテル、レストラン、ツアーなどの受け皿が整い、旅行体験の“選びやすさ”が増していきます。ルーマニアはEU加盟国としてのアクセスのしやすさもあり、周辺国周遊の中に「独自文化枠として足されやすい」のも伸びの要因です。

グルメは「素朴で強い」系。代表的なのは、キャベツロールのサルマーレ(Sarmale)、とうもろこし粉のポレンタに近いママリガ(Mămăligă)、炭火焼きの肉料理ミティテイ(Mici)など。派手さよりも“しっかりおいしい”が軸で、物価の納得感と結びつきやすいのがポイントです。ワイン文化もあり、城や旧市街の雰囲気の中でローカル料理を合わせると、旅の記憶が立ち上がりやすいでしょう。

総じてルーマニアは、ブカレストの都市観光を入口に、トランシルヴァニアの古都と城が生む物語性で「ここでしかない体験」を作れる国。さらにコスパの良さが背中を押し、回復局面で“伸びが目立つ国”として選ばれやすくなっています。定番観光の次に、少しだけ未知のヨーロッパを足したい——その需要にきれいにハマるのが、9位・ルーマニアです。

ヨーロッパで観光客増加率が高い国ランキング 10位:ブルガリア

10位はブルガリア。近年の回復局面で「次の候補」に挙がりやすい理由は、黒海リゾート首都ソフィアの都市観光が併走し、さらにヨーロッパの中でも物価の納得感が得やすい点にあります。国土面積はおよそ11.1万km²、人口は約650万人規模。大国ほど移動が大変ではなく、小国ほど見どころが限られない——この中規模感が、短期滞在にも周遊にも噛み合います。

観光の二枚看板のうち、夏の需要を強く引き寄せるのが黒海沿岸です。代表的なリゾートとしてはサニービーチ(Sunny Beach)や、雰囲気の異なる古都リゾートネセバル(Nessebar)が知られます。とくにネセバルは世界遺産にも登録され、石畳と教会建築が残る旧市街散策と、海辺の休暇を同じ日程に収められるのが強み。ギリシャの「島旅」やクロアチアの「アドリア海」と比べると知名度は控えめな一方、その分“混雑しすぎない海”や“予算を抑えたリゾート”として選ばれやすく、回復局面では伸びが数字に表れやすいタイプです。

もう一つの柱が首都ソフィア(Sofia)。ブルガリアは「海の国」という印象が先行しがちですが、ソフィアはヨーロッパの中でもコスパよく都市観光が成立する拠点として再評価されやすい都市です。象徴的なスポットはアレクサンドル・ネフスキー大聖堂で、街のスケールを超えた“絵になる存在感”があります。加えて、ローマ遺跡やオスマン期の要素など歴史の層も感じられ、カフェやレストランを挟みながら「歩いて回れる首都」として旅程が組みやすい。都市滞在+日帰り小旅行が作れることが、回復期の増加トレンドを下支えします。

その日帰り圏として人気を伸ばしやすいのが、ソフィア近郊のリラ修道院(Rila Monastery)。山岳地帯の自然と修道院建築がセットになった強い観光資源で、「首都だけではもったいない」と思わせる説得力があります。さらに冬季には、山岳リゾートでのスキー需要も絡められるため、国としては夏の海だけに偏りすぎないのが特徴です。季節がずれるほど宿泊費も落ち着きやすく、結果として需要の受け皿が広がります。

コスト面では、ブルガリアは西欧の主要観光国と比べて宿泊・外食・移動の体感費用が抑えやすいと言われます。地価の観点でも、首都中心部や海沿いの人気エリアは上昇圧力がかかりやすい一方、国全体としては「まだ極端に高騰し切っていない」印象を持たれやすく、旅行者目線では“今のうちに行きやすいヨーロッパ”として映りやすいのがポイント。平均年収は西欧上位国ほど高い水準ではない傾向にありますが、それが旅行者の支出感覚では「手頃さ」として作用し、回復局面の増加を後押しします。

治安(犯罪発生率)については、観光で訪れる範囲で過度に身構えすぎる必要はありませんが、観光客が増える局面では他国同様にスリ・置き引きの基本対策が有効です。ソフィアの混雑エリア、駅・バスターミナル、黒海沿岸の繁華街など、人が集まる場所ほど注意を置くと快適に過ごせます。「安く行ける」国ほど気が緩みやすい面があるため、貴重品管理は旅の満足度に直結します。

産業面では観光が重要な役割を担い、黒海沿岸ではホテル・飲食・アクティビティが集積しやすく、ソフィアでは都市型のサービス(宿泊、外食、交通)が整っていくことで受け皿が厚くなります。回復局面では、こうした受け皿の改善=「行きやすさ」の上昇が需要を呼び込み、さらに観光客増につながる循環が起こりやすいのもブルガリアの特徴です。

グルメは「素朴で分かりやすいおいしさ」が強み。代表的なのが、ヨーグルト文化を象徴するタラトル(冷製ヨーグルトスープ)、チーズを使ったショプスカ・サラダ、肉料理ではケバプチェ(kebapche)など。派手さはなくても外れにくく、物価の納得感と結びついて旅の満足を底上げします。海沿いではシーフードも選びやすく、「都市で食を楽しみ、海で休む」という分かりやすい旅の形が作れるのも魅力です。

総じてブルガリアは、黒海リゾートの季節需要ソフィアを軸にした都市・文化観光を両立し、さらにコスパの良さで意思決定がしやすい国。派手な看板だけで押すのではなく、「行ってみたら想像以上にちょうどいい」という評価が広がりやすく、回復局面の“伸び”として表れやすい——それが10位・ブルガリアの立ち位置です。

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