1章: ExcelのMATCH関数とXLOOKUP関数とは何か？
Excelには便利な関数や機能がたくさんありますが、特にデータの検索や参照をする際に利用するMATCH関数とXLOOKUP関数をご存じでしょうか？ これらの関数は、表やリストなどから特定の情報を見つけ出したり、必要なデータを収集するのに非常に役立ちます。
MATCH関数とは？
MATCH関数は、指定した値が配列内のどの位置にあるかを返す関数です。=MATCH(検索値, 配列, [検索種類])という形で使用します。ここで、「検索値」は見つけたい値、「配列」は検索する範囲、「検索種類」は近似、正確、逆順のいずれかを設定します。検索種類を省略した場合は「近似」が選択されます。
XLOOKUP関数とは？
XLOOKUP関数は、Excelの新しい関数で、従来VLOOKUPやHLOOKUPで行っていた検索・参照作業をより直感的に、かつ高機能に行うための関数です。=XLOOKUP(検索値, 参照範囲, 戻り値範囲, [検索モード], [一致モード])という形で使用します。ここで、「検索値」は検索する値、「参照範囲」は検索する列、「戻り値範囲」は結果を返す列、「検索モード」はエラーメッセージの設定、「一致モード」は一致の種類を設定します。検索モードと一致モードは省略可能です。
それぞれの関数、MATCH関数は値の位置を、XLOOKUP関数はその位置に対応した値を見つけ出す働きをします。表やリストから情報を取り出す際に、とてつもなく役立つこれらの関数の使い方について、次章から詳しく見ていきましょう。
2章: ExcelのMATCH関数の基本的な使い方と活用例
MATCH関数では、ある値が配列内のどの位置にあるかを返します。これは、例えばある商品が商品リストの何番目にあるか、ある宛名がアドレス帳のどこに位置しているかを知りたいときなどに役立ちます。詳しく見ていきましょう。
基本的な使い方
MATCH関数の基本的な使い方は次の通りです：
=MATCH(検索値, 配列, [検索種類])ここで、「検索値」は見つけたい値、「配列」は検索する範囲、「検索種類」は近似、正確、逆順のいずれかを設定します。この「検索種類」は省略可能で、省略した場合は「近似」が選択されます。
例えば、次のような商品リストがあるとします。
A B
1 商品名 価格
2 シャツ 3000
3 パンツ 2500
4 帽子 2000
「パンツ」がリストの何番目にあるのかを調べるには、以下のように入力します。
=MATCH("パンツ", A2:A4, 0)結果は「2」になり、「パンツ」が2行目に位置していることが分かります。
活用例 : 条件に応じた価格の取得
MATCH関数の結果をINDEX関数と組み合わせることで、条件を満たすデータ(この場合は価格)を取得できます。上記の表で商品名が「パンツ」の価格を取得するには、以下のようにINDEX関数と組み合わせます。
=INDEX(B2:B4, MATCH("パンツ", A2:A4, 0))結果は「2500」となり、「パンツ」の価格が取得できます。MATCH関数を理解し、活用することでデータの検索・参照作業を効率化することができるでしょう。
まとめ
MATCH関数は配列から指定した値が何番目にあるかを探す時に使用します。「検索種類」を指定することで、近似検索や逆順検索も可能です。INDEX関数と組み合わせることで、特定の条件に合致するデータを効率的に取り出すことができるので、データ整理や集計に大いに役立つ関数です。
3章: ExcelのXLOOKUP関数の基本的な使い方と活用例
XLOOKUP関数は、リリースされてまだ新しい関数ですが、単純かつ直感的な構文と、VLOOKUP関数やHLOOKUP関数の制約を解消するような設計がされています。基本的な使い方と活用例を見ていきましょう。
基本的な使い方
XLOOKUP関数の基本的な使い方は次の通りです：
=XLOOKUP(検索値, 参照範囲, 戻り値範囲, [検索モード], [一致モード])ここで、「検索値」は検索する値、「参照範囲」は検索する列、’戻り値範囲’は結果を返す列を指定します。最後の二つは省略可能で、「[検索モード]」は検索値が見つからない場合のエラーメッセージ、「[一致モード]」は一致の種類を設定できます。
先の商品リストを例に、「パンツ」の価格を調べるには、以下のように入力します。
=XLOOKUP("パンツ", A2:A4, B2:B4)結果として「2500」が返され、商品「パンツ」の価格が得られます。
活用例 : 条件に応じた複数列の取得
XLOOKUP関数の特長の一つは、戻り値範囲を複数列指定できる点です。これにより、特定の条件を満たす行から複数列の値を取得することが可能です。
商品リストの例で、商品名と価格の両方を取得するには、以下のように設定します。
=XLOOKUP("パンツ", A2:A4, A2:B4)結果として「パンツ」「2500」が返され、商品名と価格の両方が一度に得られます。
まとめ
XLOOKUP関数は、指定した値を検索し該当する値を直接取得できる便利な関数です。特に、複数の列を戻り値範囲として指定できるため、特定の条件に合致する複数のデータを一度に取得することが可能です。また、VLOOKUP関数やINDEX & MATCHの組み合わせと比べて直感的な書式が魅力的です。これらの機能は、大量のデータから特定の情報を効率よく取り出す際に大いに役立つでしょう。
4章: MATCH関数とXLOOKUP関数の違いとは？
前述した通り、MATCH関数とXLOOKUP関数はどちらもexcelの中で頻繁に使用されるデータ検索関数です。それでは、これら二つの関数の主な違いは何でしょうか？ ここでは主な点をいくつか挙げ、詳しく見ていきたいと思います。
1. 戻り値の違い
MATCH関数は、検索値が配列内のどの位置にあるかを返します。これは「位置」を示す数値を返すため、そのままでは直接的な情報を提供できません。したがってMATCH関数は、多くの場合INDEX関数と組み合わせて使用され、検索値に対応する具体的な「値」を取得します。
=INDEX(B2:B4, MATCH("パンツ", A2:A4, 0))一方、XLOOKUP関数は、検索値が参照範囲内にある場合、それに対応する戻り値範囲の「値」を直接返します。これにより、一回の操作で目指す情報を得ることができます。また、戻り値範囲は複数列指定も可能です。
=XLOOKUP("パンツ", A2:A4, B2:B4)2. 処理の柔軟性
それぞれの関数のもう一つの大きな違いは、複数の列や行に対する柔軟性です。MATCH関数は基本的に一次元の配列（列または行）内での位置を返すため、一次元のデータ検索には適していますが、複数列または行の処理には苦労します。
一方、XLOOKUP関数は複数の列を戻り値範囲として指定できるため、特定の条件に合致する行から複数列の値を一度に取得することが可能です。これにより、複雑なデータセットの検索や参照にも柔軟に対応することができます。
まとめ
MATCH関数とXLOOKUP関数は、いずれも強力なエクセルの関数ですが、それぞれ特性と使用シーンが異なります。MATCH関数は一次元の配列内における位置検索に有用で、INDEX関数と組み合わせて使用することが一般的です。対して、XLOOKUP関数は直感的な構文と複数列処理の柔軟性を備えており、より複雑なデータ検索に対応します。
要するに、どの関数を使用するかはタスクの性質とパーソナルな好みによる部分が大きいです。どちらの関数も理解し、効果的に使い分けることで、Excel作業の速度と効率を大いに向上させることができるでしょう。
5章: 実務で役立つMATCH関数とXLOOKUP関数の活用術
ここまでMATCH関数とXLOOKUP関数の基本的な使い方と、それぞれの特性について見てきました。この章では、これらの関数を組み合わせて実務で活用する方法について見ていきましょう。
1. MATCH関数とXLOOKUP関数の組み合わせ
MATCH関数とXLOOKUP関数を組み合わせることで、より複雑な資料の検索や参照を行うことが可能になります。
例えば、複数の商品リストから特定の商品の価格を抽出したいとき、商品名と店に基づいてリストを検索し、価格を取得できます。以下はその一例です。
=XLOOKUP("パンツ", A2:A5 , B2:B5, "", 0, MATCH("店2", D1:H1, 0))この例では、”パンツ”が何店にあるかを示す列を選択し、そこにある”店2″の位置をMATCH関数で取得します。そして、その位置に対応する価格をXLOOKUP関数で返します。
2. 外部データとの連携
MATCH関数やXLOOKUP関数は、外部データとエクセルシートを連携する際にも非常に便利です。
例えば、社内システムやウェブサイトからCSVやエクセル形式でデータをエクスポートし、それを自分のエクセルシートに組み込む作業などが効率的に行えます。これは、商品情報の更新や販売データの集計などに役立ちます。
3. データの精度チェック
MATCH関数やXLOOKUP関数は、データの精度チェックやエラーの特定にも役立ちます。例えば、商品リストと在庫リストが一致しているかどうかを確認する際などに使用できます。
すべての商品名が在庫リストに含まれているかをチェックするには、次のようにします。
=ISNUMBER(MATCH(A2, 在庫リスト!A:A, 0))これはA2セルの商品名が在庫リストのA列にあるか調べています。結果がTRUEなら在庫リストに存在し、FALSEだと存在しないことを示しています。
データ作業ではチェック作業も非常に重要です。アドバンスドな関数を駆使してデータの品質と整合性を確保しましょう。
まとめ
MATCH関数とXLOOKUP関数はExcelの強力なツールです。単一の関数として使うだけでなく、他の関数と組み合わせることで、より複雑で柔軟なデータ検索と参照が可能になります。
実務では、これらの機能を理解し、状況や目的に応じて適切に使用することが求められます。便利なExcel関数を使いこなして、より効率的なデータ管理を実現しましょう。
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