ExcelのCOUNTIFS関数とSUMIFS関数を使って複数条件のデータを集計する

ExcelのCOUNTIFS関数とSUMIFS関数を使って複数条件のデータを集計するIT

COUNTIFS関数とSUMIFS関数の基礎理解

エクセルには日常業務を効率化するための多くの便利な関数がありますが、今回はCOUNTIFS関数SUMIFS関数に焦点を当てて解説します。これらの関数は両方とも複数の条件を指定してデータを加算やカウントすることができます。これらを使いこなすことで、業務の効率化に大いに役立つでしょう。

COUNTIFS関数は、指定した範囲内で一つ以上の条件を満たすセルをカウントします。具体的には、「特定の範囲内である特定の条件を満たすセルの数を数える」ための関数です。

一方、SUMIFS関数は、指定した範囲内で一つ以上の条件を満たすセルの合計を算出します。「特定の範囲内である特定の条件を満たすセルの合計を求める」ための関数と言えます。

例えば、次のようなデータ表を考えてみましょう。

売上データ
店舗A	店舗A	店舗B	店舗C	
¥100	¥150	¥200	¥250	

COUNTIFS関数を使えば、「店舗Aの売上件数は何件か?」という質問に答えることができます。

SUMIFS関数を使えば、「店舗Aの総売上はいくらか?」という質問に答えることができます。

このように、COUNTIFS関数とSUMIFS関数は似ているようでいて、使い分けることで非常に多岐にわたる情報の取得が可能になるのです。

COUNTIFS関数の使い方: 複数条件を指定してデータをカウントする方法

それでは、具体的にの使い方を見て行きましょう。この関数の形式は=COUNTIFS(範囲1, 条件1, [範囲2, 条件2], …)です。範囲1と条件1は必須で、その後は条件を増やすことが可能です。

上記のシナリオに基づいて、「店舗Aでは何件売上があったか?」という情報を得るには、次のように入力します:

=COUNTIFS(A1:A4, "店舗A")

うまく機能すれば、「2」と表示されます。これが店舗Aの売上件数です。

さらなる応用として、複数の条件を含むCOUNTIFS関数の使い方を見てみましょう。特定の店舗の特定の金額以上の売上件数を知りたい場合などに有用です。この場合、関数の形式は次のようになります。

 =COUNTIFS(範囲1, "店舗A", 範囲2, ">=150")

これを適用すると、「1」が表示されます。これは、「店舗Aで150円以上の商品が売られた件数」を示しています。

COUNTIFS関数は、ビジネスシーンであると非常に有用です。特に、大量のデータに対し、特定の基準を満たす数値を素早く得る必要があるときには欠かせません。多条件分析を行い、データを深く理解するための一つの手段となるでしょう。

ただし注意すべき点として、この関数は指定したすべての範囲が一致したセルの数を数えるため、各範囲が同じ行数でなければなりません。

SUMIFS関数の使い方: 複数条件に一致するデータを集計する方法

前章ではCOUNTIFS関数の使い方を解説しました。本章ではそのパートナーとも言えるSUMIFS関数の使い方について詳しく見ていきましょう。SUMIFS関数も多条件にマッチするデータの集計に使われ、その形式は次のようになります。

=SUMIFS(合計範囲, 条件範囲1, 条件1, [条件範囲2, 条件2], ...)

唯一、COUNTIFS関数と異なるのは、SUMIFS関数では、最初に合計する範囲を指定することです。なぜなら、SUMIFS関数は特定の条件を満たすセルの合計を算出するため、合計対象となる範囲が必要だからです。

前章で例示したシナリオに戻り、「店舗Aの総売上はいくらか?」という情報を得るためには、次のように入力します:

=SUMIFS(B1:B4, A1:A4, "店舗A")

この関数を実行すると、250と表示されます。これが店舗Aの総売上です。

更に、複数の条件を指定することも可能です。例えば、「店舗Aの150円以上の総売上はいくらか?」という情報を得るためには、次のように入力します:

 =SUMIFS(B1:B4, A1:A4, "店舗A", B1:B4, ">=150")

この関数を実行すると、150と表示されます。これが店舗Aで150円以上の総売上額です。

ご覧の通り、SUMIFS関数はデータ集計を効率化し、複雑な条件下での合計値を簡単に取り出すことができます。しかし、同様にCOUNTIFS関数と同じく、すべての範囲は同じサイズである必要があります。

まとめると、SUMIFS関数は複数条件を満たすデータの合計値を求めるのに非常に有用なツールです。今後、業務の中でデータ集計作業に関わる機会があれば、ぜひ活用してみてください。

実践編: COUNTIFS関数とSUMIFS関数を用いたビジネスシーンリアルケース

それでは、前章までに学んだの知識を活かして、実践的なビジネスシーンでの活用法を考えてみましょう。以下の事例および解決方法は、日常業務における販売データの分析、レポート作成などで応用可能です。

以下のデータがあるとします:

日別売上データ
2022年1月
日付  	店舗	売上
1日	店舗A	¥100
2日	店舗B	¥200
3日	店舗A	¥150

このデータから、「1月の店舗Aの売上回数は何回か?」という疑問についてCOUNTIFS関数を利用して答えましょう:

=COUNTIFS(B2:B4, "店舗A")

“2”が表示されます。これは1月における店舗Aの売上回数が2回であることを意味します。

また、「1月の店舗Aの売上合計はいくらか?」という疑問についてはSUMIFS関数を用いて回答します:

=SUMIFS(C2:C4, B2:B4, "店舗A")

結果として¥250が表示されます。これは1月における店舗Aの売上合計が¥250であることを示します。

さらに、「1月の¥150以上の売上回数は全店舗合わせて何回か?」というより複雑な疑問についてもCOUNTIFS関数を活用して答えることが可能です。

 =COUNTIFS(C2:C4, ">=150")

結果は”2″になります。これは1月において、全店舗合計で¥150以上の売上が発生した回数が2回であることを意味します。

以上のように、ExcelのCOUNTIFS関数とSUMIFS関数を使えば、複雑な条件にマッチするデータの数や合計値を簡単に導き出すことができます。様々な業務における分析作業を効率化するために、この二つの関数をぜひ活用してください。

Excelの集計作業を効率化するためのCOUNTIFS関数とSUMIFS関数のトラブルシューティングと詳細

これまでに学んだCOUNTIFS関数とSUMIFS関数の基礎知識と活用法を元に、今章ではより深く、効率よく集計作業を行うための詳細とトラブルシューティングについて解説します。

まず、COUNTIFS関数とSUMIFS関数が正確に機能しない場合、最も一般的な原因は範囲や条件の指定が間違っている場合です。これらの関数に複数の範囲と条件を指定することが可能であるため、指定の方法が誤っていると結果も間違ったものになります。また、範囲の対応が不一致、つまり範囲1と範囲2の行数や列数が合わない場合にもエラーに繋がります。

次に、Excelが小数や日時、テキストなどの異なるデータ型をどのように扱うか、理解しておくことも重要です。たとえば、COUNTIFS関数は数値だけを数えるため、テキストを数える必要がある場合は適切な数値に変換することが必要です。一方、SUMIFS関数ではテキストや真偽値は無視され、数値だけが合計されます。

引数のずれも混乱を招く要素です。SUMIFS関数を使う際は、まず合計範囲を指定することを忘れないでください。この点はCOUNTIFS関数と異なるため、混同しないように注意が必要です。

また、COUNTIFS関数やSUMIFS関数を使う際には、Excelのワイルドカード文字(アスタリスク(*)やクエスチョンマーク(?))を活用すると便利です。例えば、「店舗A」で始まるセルを検索するには、”店舗A*”というようにワイルドカードを利用します。

集計作業では並び替えやフィルタリングもよく使われますが、COUNTIFS関数やSUMIFS関数では並び替えやフィルタリングの状態に関係なくすべてのデータが対象となります。どのデータを対象とするか明確にするためにも、適切な範囲と条件を指定することが重要です。

最後に、大きな表や多数のデータに対してこれらの関数を用いる際には、計算時間が長くなる可能性があるため、必要な場合には計算オプションを手動に設定して、計算を制御することも検討しましょう。

この章で解説した詳細とトラブルシューティングを理解し、活用することで、COUNTIFS関数とSUMIFS関数を最大限に活用し、Excelでの集計作業をより効率的かつ正確に行うことができます。それでは、これらの知識を武器に、データ分析に挑んでみてください。

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