1章: LOOKUP関数とは?―基本的な知識を押さえよう
Excelには、ビジネスシーンで頻繁に使われる強力な機能が山ほどありますが、その中でも特に便利なのが”LOOKUP関数”です。
では、まず一体何ができるのかについて説明しましょう。LOOKUP関数とはデータを検索し、それに対応する値を取り出すためのExcel関数です。具体的には、あるセルに記載されたキーワードを使って他のセルの情報を引っ張ってきたり、特定の行や列から値を取得したりすることができます。
例えば、製品の名前から価格を検索したり、社員の名前から彼の役職を検索したりするなど、データ検索に必要な作業を短時間で行うことができます。
ただし、このLOOKUP関数を活用するためには、’data table’を理解することが不可欠です。このデータテーブルとは、Excelシートに整理されたデータのことを指すので、綺麗に整理された表の中から必要な情報をピックアップすることが可能になります。
また、LOOKUP関数は大きく分けて二つの形式があります。
- ベクタ形式
- 配列形式
これらの形式については次章で詳しく解説します。
このように、情報が膨大になる現代社会において、LOOKUP関数を使うことで特定の情報を素早く探し出すことができます。そしてそれは、データ分析やレポート作成など、あらゆるビジネスシーンで役立つスキルとなるでしょう。
この章では、LOOKUP関数の基本的な概念をお伝えしましたが、次の章ではLOOKUP関数の種類について詳しく解説します。一緒に、より効率的なデータ取り扱いを目指しましょう。
2章: LOOKUP関数の種類―ベクタ形式と配列形式の使い分け
前章ではLOOKUP関数の基本的な概念について説明しました。この章では、その種類について具体的に見ていきます。LOOKUP関数は主に二つの形式で使用することができます:ベクタ形式と配列形式です。
ベクタ形式
まず、ベクタ形式は以下の形になります。
=LOOKUP(lookup_value, lookup_vector, [result_vector])
lookup_valueは探したい値、lookup_vectorは検索する範囲、result_vectorは返す値がある範囲を指します。lookup_vectorとresult_vectorは同じ長さを持つ必要があります。
ベクタ形式のLOOKUP関数は、以下の順番で処理します。
- lookup_vectorの中でlookup_value以上の最小の値を見つけます。
- その位置に対応するresult_vectorのセルの値を返します。
ベクタ形式は単純な検索に適しており、引数が少ないため初心者にはハンドリングしやすいと言えます。
配列形式
次に、配列形式は以下のような形になります。
=LOOKUP(lookup_value, array)
こちらもlookup_valueは探したい値、arrayは検索範囲を指しますが、この場合のarrayは二次元範囲を指します。つまり、行と列の両方をカバーします。
配列形式は一般的には行または列の最後から値を返します。そのため、複雑なデータテーブルを扱う際や、無視すべきデータ列が存在する場合に便利です。
これらの形式を使い分けることで、より効率的にデータ検索・参照を行うことができます。次の章では、具体的なベクタ形式のLOOKUP関数の使用方法について説明します。一緒に、効果的な情報探しの手法を学んでいきましょう。
3章: 実際に試そう ― ベクタ形式LOOKUP関数の使用方法
それでは、今まで学んだ内容を活かし、実際にベクタ形式のLOOKUP関数を使ってみましょう。
1.基本的な使い方
まず、Excelのシートを開き、データのリストを用意します。この例では、製品名と価格が記載されたリストとします。
A B
1 製品名 価格
2 iPhone 120,000
3 iPad 80,000
4 Mac 200,000
次に、D2セルに検索する製品名を入力し、E2セルでその製品の価格をLOOKUP関数を用いて検索します。
D2セル: iPhone
E2セル: =LOOKUP(D2,A2:B4)
これで、E2セルには”iPhone”の価格「120,000」が表示されます。
2.合致する値がない場合
LOOKUP関数には、合致する値が見つからなかった時の動作ルールがあります。ベクタ形式では、検索値が配列内の最大値より大きい場合、#N/Aエラーとなります。一方、検索値が配列内の最小値より小さい場合、一番最初の値が返されます。
D3セル: Galaxy
E3セル: =LOOKUP(D3,A2:B4)
例えば、”Galaxy”という製品名はリストにないので、E3セルには「#N/A」が表示されます。
3.条件に一致するものが複数存在する場合
複数存在する場合、ベクタ形式のLOOKUP関数では、最初の値が一致したらそこで終了するのではなく、検索を続け、最後に一致した値を返します。
以上、ベクタ形式の基本的な使い方と、いくつかの注意点についてご紹介しました。続く章では、より複雑な条件での操作─配列形式LOOKUP関数の使い方を試してみましょう。
ExcelのLOOKUP関数は、きちんと使いこなせば、大量のデータの中から必要な情報を手早く引き出し、業務を効率化することが可能です。基本を押さえたうえで、自分の目的に応じたデータ分析ができるよう、これからも練習を重ねていきましょう。
4章: ステップアップ ― 配列形式LOOKUP関数の応用テクニック
前章では、ベクタ形式のLOOKUP関数について詳しく見てきました。この章では、より複雑なデータ操作を可能にする配列形式のLOOKUP関数について学びましょう。
1. 基本的な使い方
配列形式のLOOKUP関数は、2つの引数を持ちます: ルックアップ値と配列です。それでは、以下の例を用いて基本的な使い方を見てみましょう。
A B C
1 製品名 色 価格
2 iPhone White 120,000
3 iPad Black 80,000
4 Mac Gray 200,000
例えば、D2セルに製品名を、E2セルに色を入力し、F2セルでその製品と色の組み合わせの価格をLOOKUP関数を用いて検索します。
D2セル: iPhone
E2セル: White
F2セル: =LOOKUP(2, 1/((A2:A4=D2)*(B2:B4=E2)), C2:C4)
これで、F2セルには”iPhone”と”White”の条件に一致する価格「120,000」が表示されます。
2. 合致する値がない場合
先ほどと同様に、LOOKUP関数には、合致する値が見つからなかったときの動作ルールがあります。配列形式では、一致する値がない場合、または検索値が配列内の最大値より大きい場合は#N/Aエラーが返されます。
D3セル: Galaxy
E3セル: Silver
F3セル: =LOOKUP(2, 1/((A2:A4=D3)*(B2:B4=E3)), C2:C4)
例えば、”Galaxy”という製品名はリストになく、また”Silver”という色もないので、F3セルには「#N/A」が表示されます。
3. 複数の列を用いた検索
配列形式のLOOKUP関数の最大の魅力は、一つ以上の列を検索条件に使用できることです。これにより、複雑な情報検索が可能になります。
以上、配列形式のLOOKUP関数の使い方と応用テクニックについて解説しました。次の章では、このLOOKUP関数を利用したデータ分析の具体例と、その他の役立つExcel関数について掘り下げていきます。
LOOKUP関数はデータのナビゲーションに非常に重要なツールであり、多様なデータ操作を可能にします。このテクニックを駆使し、業務の効率化を追求しましょう。
5章: データ検索の世界が広がる ― LOOKUP関数の活用例とその他の便利な関数紹介
これまでの章では、ExcelのLOOKUP関数、その使い方、応用例などについて詳しく見てきました。さらにこの章では、実際のビジネスシーンでの活用事例と、さらなる効率化を可能にするその他の便利なExcel関数についてご紹介します。
1. LOOKUP関数で市場分析
たとえば、企業の市場分析を行う際に最も重要なのが「データの分析」です。製品毎の売上データや客層データなど膨大な情報から、意味のある結論を得るためには視覚的なツールが必要となります。ExcelのLOOKUP関数は、その一助となる重要なツールといえるでしょう。
対象商品の名称やカテゴリーをLOOKUP関数の検索値とすることで、商品毎の売上高や顧客数を素早く引き出せます。これにより、リアルタイムでの市場動向分析へとつながります。
2. その他の便利な関数
ExcelにはLOOKUP関数以外にも多くの便利な関数があります。
たとえばVLOOKUP
やHLOOKUP
関数は、LOOKUP関数と同様にデータ検索を行う関数ですが、それぞれ垂直方向、水平方向にデータを検索することができます。
また、INDEX
関数とMATCH
関数の組み合わせは、LOOKUP関数に代わる高度なデータ検索手段となります。それぞれ単独で使用することも可能ですが、一緒に使うことで検索範囲が非常に自由になり、より具体的なデータ指定が可能になります。
3. エクセル学習のおすすめリソース
以上、Excelの強力なデータ検索機能であるLOOKUP関数についての基本的な使い方をご紹介しました。これらの知識を元に、自身の業務に活かしてみてください。さらなるExcelスキルの向上を目指すなら、以下のようなリソースが役立つでしょう。
- 公式Microsoft Officeトレーニング
- UdemyやCourseraなどのオンラインコース
- YouTubeのチュートリアル動画
- Excel関連の書籍
Excelのスキルはビジネスシーンでのデータ分析において非常に重要なため、機能を十分に活用して、自身の業務をより効率化することが求められています。
引き続き、データ検索のスキルの向上に努め、業務の効率化を図っていきましょう。
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