第1章:そもそも「ファネル分析」って何?目的とメリットを理解しよう
みなさんは仕事の中で「資料請求数は多いけど、実際の契約にはつながっていない」といった課題に直面したことはありませんか?また、「営業活動がうまくいっていないけれど、どこが原因かわからない」と感じたことは?そんな時に役立つのが、ファネル分析です。
ファネル(Funnel)とは英語で「じょうご」のこと。つまり、入り口は広く出口に向かって狭くなる形状のように、多くの見込み顧客が最終的にどれだけ成果につながったかを段階的に見える化する手法のことを指します。
ファネル分析の基本構造とは?
基本的には、以下のようなステップで構成されるのが一般的です:
- ① サイト訪問数
- ② サービス内容の閲覧
- ③ 問い合わせ
- ④ 商談
- ⑤ 成約
このように、あるアクションから次のアクションへと進む中でどれだけユーザーが離脱しているのかを可視化できるのが特徴です。ステップごとの人数や割合を見ることで、「どこでお客さんが離れているのか?」を一目で理解できます。
なんで必要なの?ファネル分析のメリット3つ
- 課題ポイントが明確になる
たとえば、サイト訪問数は多いのに問い合わせにつながっていない場合、「サイトのコンテンツ」に問題があるのかもしれません。逆に問い合わせは多いけど商談にならないなら、提案力や対応フローの改善が必要になる。こんな風に、ボトルネック(改善すべき箇所)をピンポイントで特定できます。 - KPIマネジメントがしやすくなる
ファネル内の各ステップにKPI(重要業績評価指標)を設定すれば、行動→結果の関係性が明確に。成果につながるプロセスを最適化する手助けになります。 - 属人的な要素を減らせる
感覚や経験に頼った営業・マーケティング活動は非効率。数字ベースでプロセスを分析できれば、誰が見ても同じように判断・実行できます。
営業・マーケの現場でこう活きる!活用シーンの例
例えば、あなたがBtoB商材を販売している営業担当だった場合。以下のようにファネル分析を使ってみると、改善の糸口が見えてきます。
| ステップ | 件数 | ステップ間転換率 |
|---|---|---|
| ① 問い合わせ数 | 100件 | - |
| ② 商談設定 | 60件 | 60% |
| ③ 提案送付 | 30件 | 50% |
| ④ 成約 | 10件 | 33% |
このファネルを見れば、「商談設定までは順調だけど、その先の提案〜成約での失注が多い」と判断できます。つまり、提案資料やプレゼンに改善の余地があると読み取れるわけですね。
まとめ:ファネル分析は若手ビジネスパーソンの武器になる
今は数字に強い若手が評価される時代。感覚的な報告よりも、「データをもとにした根拠ある提案」が信頼につながります。Excelでファネル分析をマスターすれば、上司にもクライアントにも「一枚上手」な提案ができるようになるはずです。
次章では、いよいよExcelを使ってファネル分析をするために必要な基本機能やスキルを紹介します。
第2章:Excelでファネル分析は可能?必要なスキルとツールの確認
「ファネル分析って難しそう…」「専用の分析ソフトが必要なんじゃ?」そう思っていませんか?安心してください。Excelだけでも十分にファネル分析は可能ですし、基本的な機能が使えれば誰でも始められます。
この章では、Excelでファネル分析を行う際に最低限覚えておきたい機能と、それぞれが何のために使えるのかを解説していきます。
なぜExcelでファネル分析を行うのか?
まず前提として、Excelを活用する最大のメリットは次の3点です。
- 社内で使える環境が整っている: ほとんどの企業PCに標準搭載。新たなツールの導入なしで始められます。
- 柔軟なカスタマイズが可能: 分析項目やステップ数を自由に設計できる。
- 関数とグラフ機能で視覚的な分析ができる: 数字だけでなく、グラフ化すれば直感的にも把握しやすくなる。
つまり、コストゼロ&誰でも手軽に始められる分析ツールとしてExcelは最適な選択肢なのです。
ファネル分析に必要なExcelスキル一覧
以下が、ファネル分析シートを作成・活用するために押さえておきたいExcelの基本スキルです。
| 機能・スキル | 用途例 |
|---|---|
| 基本的な表の作成 | ファネルの各ステップごとの数値を入力・整理する |
| 簡単な関数(SUM, COUNT, IF) | ステップごとのデータ集計や条件のカウント |
| パーセンテージ計算 | 各ステップ間の転換率(コンバージョン率)を求める |
| ピボットテーブル | 大量データの絞り込み、加工、分析を効率化 |
| グラフ作成(棒グラフ・漏斗チャート) | ファネルの形状を視覚的に再現し、説得力を持たせる |
「漏斗型グラフ」はExcelでも作れる?
実は、最近のExcel(2019以降またはMicrosoft 365)には「漏斗グラフ(ファネルチャート)」という専用のグラフが搭載されています。これを使うことで、本当に“じょうご”のような形でコンバージョンの流れを可視化することが可能になります。
ただし、それ以前のバージョンを使っている場合でも、棒グラフや積み上げ棒グラフをうまく使えば、同様の効果を出すことも可能なので安心してください。
Excel操作に自信がなくても大丈夫
「ピボットテーブルなんて使ったことない」「グラフってどう作るの?」という方もご心配なく。次章では、Excel初心者でも迷わず取り組めるように、ファネル分析用のデータ整理と表づくりの手順をわかりやすく解説します。
まずはこの章で紹介した機能をざっくりと頭に入れておけばOK。細かい操作は、手を動かしながら学ぶことで自然と身についていきますよ。
次章では、いよいよファネル分析用のシートをどう作っていくか、データ整理術の実践編に入ります。
第3章:ファネル分析のためのデータ整理術〜まずは表の作り方から〜
ファネル分析を正しく行うためには、最初の「データ整理」が最重要ポイントになります。いくらExcelの機能を知っていても、元データがバラバラだったり、形式が整っていなければ正確な分析はできません。
この章では、Excelファイル上にどのようにデータを整えるか、実務ですぐ使える表構成の作り方とステップを紹介していきます。ここをしっかり押さえておくことで、次章以降の分析・グラフ化もスムーズになりますよ。
ステップ1:分析の元になる「顧客データ・アクション履歴」を準備する
ファネル分析では、多くの場合「ユーザー(または案件)が各ステップを通過したかどうか」を追っていきます。したがって、まずは以下のような形式で、ユーザーのアクション履歴をリスト形式で整理しておく必要があります。
| 顧客ID | 訪問日 | サービス閲覧 | お問い合わせ | 商談 | 契約 |
|---|---|---|---|---|---|
| C001 | 2024/04/01 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
| C002 | 2024/04/02 | ◯ | × | × | × |
| C003 | 2024/04/03 | ◯ | ◯ | × | × |
このように、1行につき1人(または1案件)を記録し、各ステップを「◯(通過)/×(未通過)」などの形式で記録します。「日付が入っている」場合や「ステータス名が列で揃っている」ことが重要です。
ステップ2:整理しやすいように列の構成を意識する
データ入力ルールを統一しておくと、この後の集計が圧倒的にラクになります。以下のようなポイントを意識しましょう:
- 日付やテキストデータは書式を統一する
(例:訪問日は「2024/04/01」形式に揃える) - ステップ列は「◯/×」「完了/未完了」など、2パターンの表記だけにする
- ユーザーIDや案件番号は重複しないようにする
たとえば、「お問い合わせ」の列に「✔」「✓」「あり」「完了」など複数の表記が混在していると、COUNTIFなどの関数で正しく集計できなくなってしまいます。「◯」と「×」のどちらかだけで揃えることを意識してください。
ステップ3:ファネル形式に変換しやすい「横長の一覧表」=ワイドフォーマットで管理する
Excelで分析しやすい形は、「1ユーザー(案件)=1行」「各ステップは別列」の形、つまり横に広がったワイドフォーマットです。
この形式だと、集計関数(COUNTIF、COUNTIFS)やピボットテーブルとの相性がよく、ファネル分析の基礎データとして最適です。
ステップ4:転換率(コンバージョン率)を計算できる準備をしよう
ファネル分析の目的は、「どこで離脱しているのか」を可視化すること。そのためにはステップごとのカウントだけでなく、「前のステップから次のステップへ、どれだけの割合で進んだか?」を示すパーセンテージを計算できる状態にします。
たとえば、以下のような項目が入った別表を作り、COUNTIF関数で◯の数を集計し、転換率を手動で算出する、という流れが基本です:
| ステップ名 | 件数 | 前ステップからの転換率 |
|---|---|---|
| 訪問(ステップ1) | 100 | - |
| 閲覧(ステップ2) | =COUNTIF(B:B,”◯”) | =B2/B1 |
| 問い合わせ(ステップ3) | =COUNTIF(C:C,”◯”) | =C2/B2 |
こうしておくことで、数値データ+ファネル構造の一覧表ができあがり、視覚的なグラフ作成のベースになります。
まとめ:きれいなデータ=強力な分析ツール
ファネル分析が成功するかどうかは、この「下ごしらえ」にかかっています。正しく整理されたデータは、それだけで説得力のあるレポート資料になりますし、後から複雑な加工や関数設定をしなくてもスムーズに可視化できます。
次章では、ここで準備したデータを使っていよいよファネル分析シートを構築していきます。まずはこの章の内容を押さえて、「整ったデータを作ること」にぜひ注力してみてください!
第4章:実践編!Excelでファネル分析シートを作ってみよう
ここからはいよいよ実践編。前章で作成したワイドフォーマットの顧客データをもとに、実際にファネル分析シートをExcel上で組み立てていく方法を丁寧に解説していきます。
今回紹介する手順に沿って操作すれば、誰でも着実にシンプルかつ実務で使えるファネルシートを作ることができます。Excel初心者の方も安心して取り組んでください。
ステップ1:カウント集計表を作成する
まずは、各ステップで「何件が通過したか」をまとめた集計用の別表をシート上に作成します。これはファネル構造を理解する土台となるものです。
| ステップ | 通過数 | 前ステップからの転換率 |
|---|---|---|
| 訪問 | =COUNTA(A2:A101) | - |
| 閲覧 | =COUNTIF(C2:C101,”◯”) | =B3/B2 |
| 問い合わせ | =COUNTIF(D2:D101,”◯”) | =B4/B3 |
| 商談 | =COUNTIF(E2:E101,”◯”) | =B5/B4 |
| 契約 | =COUNTIF(F2:F101,”◯”) | =B6/B5 |
ポイントは、COUNTIF関数を使って「◯」マークの数を数え、前ステップとの割合で転換率を出すこと。これだけで、ファネル構造のベースが完成します。
ステップ2:ファネルグラフを作成する
次にこのデータを使って、実際のファネル(漏斗)グラフを作っていきます。
Excel 2019以降 または Microsoft 365 を使用している場合は、以下の手順で漏斗グラフを簡単に作成できます。
- 通過数をまとめた表(ステップ名+通過数列だけ)を選択
- 挿入タブ → グラフ → 漏斗 を選ぶ
- 自動でファネル形状のグラフが作成される
このグラフにより、どこで数が大きく減少しているか(=ボトルネック)を視覚的に把握できるようになります。
Excelのバージョンが古い場合は?代替方法を紹介
Excel 2016以前など、漏斗グラフが使えない場合でも心配いりません。横棒グラフ+デザイン調整を組み合わせれば、近い見た目を作成可能です。
- 通過数を逆順(例:契約 → 商談 → 問い合わせ)で並べて横棒グラフを挿入
- 棒の色や幅を調整して、段階的に細くなる形状を再現
- グラフタイトルやラベルでストーリー性を加える
ちょっとした工夫ですが、視認性も説得力もアップします。
ステップ3:分析用コメントやハイライトを追加する
グラフ完成後は、数字や見た目だけで終わらせず、「考察」や「次の打ち手」につながるコメントを書いておきましょう。
たとえば:
- 「訪問から問い合わせまでの転換率が20%未満 → サイト導線の改善検討」
- 「商談から契約の転換率が高いため、商談設定の効率化がカギ」
また、Excelの条件付き書式で、転換率が特に低い箇所を赤などでハイライトすれば、プレゼン資料としても使いやすいシートに仕上がります。
ステップ4:テンプレートとして保存&再利用できるように
一度作成したファネル分析シートは、テンプレート化しておくのがおすすめです。
- 元データを差し替えれば、別の時期・部署でもすぐに分析可能
- グラフや関数の再設定不要で、時短・効率化に直結
保存時は「分析テンプレート_ファネル.xlsx」のように名前を付けて管理しておくと便利です。
まとめ:自分だけのファネルシートで成果を見える化しよう!
この章の手順通りに進めれば、Excelだけでファネル分析用のデータ整理 → 集計 → グラフ可視化までをワンストップで実現できます。
数字とビジュアルで現状を“見える化”する力は、若手ビジネスパーソンにとって大きな武器になります。次章では、作成したファネルをどう読み解き、どのようなアクションにつなげるかを具体的に解説していきます。
第5章:分析結果の読み方とアクションの決め方
ここまでで、Excelを使ってファネル分析のグラフ作成まで完了しました。最後のステップでは、このファネルから「どんな示唆を得るか?」「どこに改善の余地があるか?」をしっかり見極め、次のアクションにつなげていく方法を解説します。
Excelのファネルグラフは、作って終わりではなく「どう読むか」が価値の本質です。読み解き方を押さえて行動に落とし込むことで、実務での改善効果が倍増します。
ステップ1:「大きな減り幅」に注目してボトルネックを発見
ファネル分析の最大の目的は、「目立った離脱ポイント=ボトルネック」を見つけ出すことです。グラフを見たときに、明らかに数値が減っている箇所があれば、そこが改善の最優先ポイントになる可能性が高いです。
例えば、以下のようなグラフだった場合:
- 訪問数:500
- 閲覧:400(80%)
- 問い合わせ:120(30%)
- 商談:100(83%)
- 成約:60(60%)
最も減少しているのは「閲覧 → 問い合わせ」の部分。つまり、サイト内でサービスに興味を持ったユーザーが問い合わせに進まないという課題があることがわかります。これは、「お問い合わせフォームが分かりにくい」「CTA(行動喚起)が弱い」「内容に不安がある」などが原因かもしれません。
ステップ2:転換率が高い部分にも注目して成功ポイントを把握
逆に、転換率が高い部分は「うまく機能している強み」と言えます。たとえば「商談 → 成約の転換率が60%以上」となれば、一度商談できれば成約に結びつきやすいと判断でき、営業担当の提案力や商品力が評価されていることが推測されます。
このように、単に悪い部分を探すだけでなく、うまくいっているプロセスを分析し、他のステップに水平展開する視点も重要です。
ステップ3:改善アクションを具体的に落とし込む
ボトルネックが見つかったら、次に取るべきは「具体的な改善アクション」の設計です。以下のようにファネルのどの部分かによって対策の方向性が変わります。
| ステップ | 課題の例 | アクションの例 |
|---|---|---|
| 訪問 → 閲覧 | 離脱が多い | ターゲット違いの集客が多い→広告の見直し |
| 閲覧 → 問い合わせ | フォームに進まない | CTA改善/質問内容の不安払拭コンテンツ導入 |
| 問い合わせ → 商談 | 連絡が取れない | 問合せ時の電話番号必須化/返信時間の短縮 |
| 商談 → 成約 | 競合に流れている | 商談でのFAQ強化/比較表の提示 |
このように、ファネルごとの課題からロジカルに施策を立てることで、闇雲な改善ではなく、狙いを絞った効率的なアクションが実現します。
ステップ4:「ファネル分析 → 振り返り」を繰り返すPDCAサイクルへ
ファネル分析は1回限りのスポット施策ではなく、継続的に行うことで真価を発揮します。週単位・月単位で分析→修正→改善効果の比較→再分析…という流れを組み、「改善の手応えがあるか?」「新たなボトルネックは生まれていないか?」を確認し続けましょう。
特にExcelテンプレートを用意しておけば、作業の手間も減り、レポート作成もスピーディに。若手ビジネスパーソンが主体的なPDCAを回すための武器になります。
まとめ:データを読む力が、行動を変える力に
Excelで作成したファネルは、単なるグラフや表ではありません。その中には「今どこを直せば成果につながるか」のヒントがあります。
数字を見る → 意図を読み解く → 打ち手を考える → 現場に活かす——この流れを回すことができれば、たとえ20代でもチーム全体に貢献できる存在になれます。
Excelファネル分析は、若手のあなたが“論理的に成果を出せる人”になるための第一歩。ぜひ、自分の業務に取り入れて「見える成果」を積み重ねていきましょう!


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