Excelのデータのフィルタリングと集計を使ってデータの抽出と集計を行う方法

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1. Excelのデータフィルタリングの基本: 使い方と設定方法

Excelは、ビジネスシーンで日常的に使われているソフトウェアのひとつであり、効率的なデータの抽出や集計が求められることが多いです。そのために役立つ機能が「データフィルタリング」です。

データフィルタリングとは、Excelのシート内にある膨大なデータを一定の基準に従って絞り込むことができる機能です。フィルタリングを使うことによって、必要なデータだけを抽出し、データの解析や作業効率を大幅に向上させることができます。

まず、基本的なデータフィルタリングの使い方と設定方法をみていきましょう。シート内のデータにフィルタをかけたい場合、以下の手順に従ってください。

  1. フィルタリングしたいデータが入力されているセルを選択します。
  2. [データ]タブの[フィルタ]ボタンをクリックします。すると、選択したセルの見出しにフィルタアイコンが表示されます。

これで、フィルタリングが設定されました。データが多数ある場合、フィルタアイコンをクリックし、必要な条件を選択するだけでデータを絞り込むことができます。一度設定されたフィルタは、いつでも条件の変更や解除が可能です。

基本的なフィルタリング条件の設定方法

基本的なフィルタリング条件を設定するには、対象となる見出し部分のフィルタアイコンをクリックしてドロップダウンメニューを開き、以下のオプションから選択します。

  • チェックボックス: データの値に応じてチェックを入れ、絞り込む要素を選択します。
  • [すべて選択]: すべてのデータを対象に絞り込みます。
  • [検索]: 特定の文字列を含むデータを絞り込めます。

また、数値や日付などのデータの場合、以下の条件も追加で設定できます。

  • [最上位]: 上位から指定した件数だけデータを絞り込みます。
  • [フィルタ]: 一定の条件を満たすデータだけを絞り込むことができます。たとえば「指定した数字以下のデータ」や「指定した日付から過去◯日のデータ」などを指定できます。

以上がExcelのデータフィルタリングの基本と使い方です。次の章では、より高度なデータのフィルタリング方法をご紹介します。

2. 高度なフィルタリングの活用: 条件別でデータを絞り込む

Excelの高度なフィルタリング機能は、複数の条件を組み合わせてデータを絞り込むことができ、基本的なフィルタリング機能とは異なる方法で対象データをさらに具体化することができます。以下では、高度なフィルタリングの活用方法について説明します。

条件の設定

高度なフィルタリングを実行する場合、まず条件を指定するための範囲を新規に作成します。条件範囲は通常、作業シートの空いている部分に作成し、見出しと具体的な条件を入力します。

  1. 見出しを入力するセルに、絞り込みたいデータ列の見出し名を入力します。
  2. 次の行に条件を入力します。条件は、「小さい」「等しい」「大きい」などの数式も利用できます。また、データが複数ある場合、縦に条件を追加することでAND条件、横に追加することでOR条件を設定できます。

例えば、年齢が30歳以上で、東京都に住む人を絞り込みたい場合、「年齢 >= 30」を横に、「住所 = 東京都」と入力します。

高度なフィルタリングの実行

条件が設定できたら、以下の手順で高度なフィルタリングを実行します。

  1. データが入力されているセル範囲を選択します。
  2. [データ]タブの[高度なフィルタ]ボタンをクリックします。
  3. [条件範囲]欄に、手順1で作成した条件範囲を選択します。また、[結果範囲]欄に、フィルタリングしたデータを出力する範囲を指定します。
  4. [OK]ボタンをクリックすると、指定した条件に基づくデータが絞り込まれます。

これで、高度なフィルタリングが実行されました。比較条件や部分一致など、複雑な条件を使ってデータを絞り込むことができます。また、一度フィルタリングされたデータは、必要に応じて元のデータと比較しながら解析を行うことができます。高度なフィルタリングを使いこなすことで、より効率的なデータの抽出・分析が可能となります。

次の章では、データの集計方法について学びます。サブトータルやピボットテーブルを活用して、データを効率的にまとめる方法をご紹介します。

3. データの集計を行う方法: サブトータルとピボットテーブル

フィルタリングでデータを絞り込んだ後、次にデータの集計を行います。Excelには、サブトータル機能とピボットテーブル機能があります。これらの機能を利用することで、簡単に集計結果を得ることができます。

サブトータルの使い方

サブトータル機能は、データを指定した区分ごとにまとめて集計します。以下の手順でサブトータルを使えます。

  1. 集計対象のデータが入力されているシートを開きます。
  2. 集計対象のデータ範囲を選択し、[データ]タブの[並べ替え]ボタンから、集計したい項目で昇順か降順でソートします。
  3. [データ]タブの[サブトータル]ボタンをクリックします。
  4. [サブトータル]ダイアログが表示されるので、以下のオプションを設定します。
    • [区分ごとに適用する列]: 集計の区分となる列を選択します。
    • [集計対象の列]: 集計を行いたい列を選択します。
    • [関数]: 集計方法(合計、平均、最大値、最小値など)を選択します。
  5. [OK]ボタンをクリックすると、指定した条件で集計が行われます。

サブトータル機能を利用することで、データを指定した区分ごとにまとめて集計することができます。

ピボットテーブルの活用

ピボットテーブルは、多次元的にデータを集計し、さまざまな分析が行える高機能な表です。以下の手順でピボットテーブルを作成します。

  1. 集計対象のデータが入力されているシートを開きます。
  2. データ範囲を選択し、[挿入]タブの[ピボットテーブル]ボタンをクリックします。
  3. [ピボットテーブル]ダイアログが表示されるので、[新しいワークシート]または[既存のワークシート]を選択し、[OK]ボタンをクリックします。
  4. 新しく作成されたピボットテーブルのフィールドリストから、以下のエリアに項目をドラッグ&ドロップして設定します。
    • [行]: 集計結果を表示する行の見出し項目を設定します。
    • [列]: 集計結果を表示する列の見出し項目を設定します。
    • [値]: 集計する値の項目を設定します。

ピボットテーブルを使ってデータを集計することで、単純な集計だけでなく、クロス集計や様々な観点からのデータ分析が可能になります。また、データが更新された際には、[データ]タブの[ピボットテーブルの更新]ボタンをクリックすることで、集計結果を簡単に更新できます。

フィルタリングとデータ集計を組み合わせることで、データ解析の幅が広がり、効率的な作業が可能になります。次の章では、集計データをさらにカスタマイズする方法を学びます。

4. 集計データのカスタマイズ: グループ化・並べ替え・スライサー

データの集計が終了したら、必要に応じて集計データをカスタマイズして最適な形に仕上げましょう。Excelでは、「グループ化」、「並べ替え」、「スライサー」という機能を使って、集計データをさらに見やすく、分析しやすくすることができます。

グループ化

ピボットテーブル上で行または列の項目を選択し、マウスの右クリックで表示されるメニューから[グループ化]を選ぶことでグループ化が可能です。数値データや日付データの場合は、自動的に範囲を指定してグループ化することができます。例えば、売上データを四半期ごとにまとめたり、年齢データを10代、20代といった年代別にグループ分けすることができます。

並べ替え

ピボットテーブルのデータを並べ替えることで、見たいデータだけを瞬時に把握することができます。集計されたデータをクリックし、右クリックで表示されるメニューから並べ替えを選ぶことができます。並べ替えオプションとして、昇順、降順、または項目に基づく並べ替えが選択できます。

スライサー

スライサーは、ピボットテーブルで表示したデータを簡単にフィルタリングできる視覚的なツールです。スライサーを使うことで、必要なデータを直感的に抽出できます。スライサーを挿入するには、ピボットテーブルを選択した状態で[挿入]タブの[スライサー]ボタンをクリックし、適用したいフィールドを選択します。

スライサーは、表示されたワークシート内で自由に移動やサイズ変更が可能です。また、複数のスライサーを組み合わせることで、AND条件やOR条件のフィルタリングもできます。

これらのカスタマイズ技術を活用して、集計データをより見やすく、分析に適した形に整えましょう。グループ化・並べ替え・スライサーを駆使して、効率的なデータ分析を行い、ビジネスに活かしましょう。

本稿では、Excelのデータフィルタリング、高度なフィルタリング、データ集計、そして集計データのカスタマイズ方法を学びました。これらの技術をマスターすることで、大量のデータから必要な情報を瞬時に引き出し、素早く正確な分析を行うことができるようになります。日々の業務に積極的に活用して、作業効率の向上を目指しましょう。

5. データ分析の活用: フィルタリングと集計を組み合わせて効率化

これまでに学んだフィルタリング、高度なフィルタリング、データ集計、および集計データのカスタマイズ方法を組み合わせることで、効率的なデータ分析を実現することができます。本章では、これらの機能を組み合わせた活用例として、営業データの分析を行います。

営業データの分析

営業マンが売上データを収集しており、次のデータが得られました: 営業マン名、都道府県別売上、商品別売上、営業マン別目標売上。このデータをExcelの機能を活用して分析し、以下の情報を抽出します。

  1. 都道府県別の売上高上位5位
  2. 各営業マンの商品別売上実績と目標売上の達成率
  3. 目標売上達成率が低い営業マンとその原因を特定するためのデータ抽出

まず、データをフィルタリングして都道府県別の売上データを抽出し、各都道府県の売上高上位5位を求めます。次に、データ集計機能を活用して、営業マンごとに商品別売上実績と目標売上データをサブトータルもしくはピボットテーブルでまとめます。そして、目標売上達成率を計算し、結果が低い営業マンを特定します。

次に、高度なフィルタリングを用いて、達成率が低い営業マンのデータを抽出し、売上が低い理由を調べます。例えば、特定の商品の売上が低い場合は、その商品に注力することや、別の営業マンの売れるポイントを共有し、改善策を立てます。

さらに、スライサーを使用して、営業マンごとに都道府県別売上や商品別売上など、条件を変えたデータを視覚的にフィルタリングし、比較分析が容易に行えます。このように、フィルタリングと集計を組み合わせることで、効率的なデータ分析が実現できます。

最後に、得られた分析結果にもとづいて、営業プロセスの改善や新たな戦略を立案することができます。正確でタイムリーなデータ分析は、適切な意思決定を行う上で不可欠であり、組織全体のパフォーマンスを向上させることが期待できます。

まとめると、Excelのデータフィルタリング、集計、およびカスタマイズ機能を組み合わせることで、ビジネスシーンで効率的なデータ分析を実現できます。これらの技術をマスターし、日々の業務に活用して効率化を図りましょう。

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