IF・IFS・AND・ORを組み合わせた判定表の作り方

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判定表とは?IF・IFS・AND・ORでできることを整理しよう

ExcelやGoogleスプレッドシートでデータを管理していると、「この条件に当てはまる場合はA」「そうでなければB」といった判定を自動化したい場面がよくあります。たとえば、売上金額によって評価ランクを分けたり、勤怠データから遅刻・早退を判定したり、テスト結果から合否を出したりするケースです。

このような条件ごとの結果を一覧で整理し、自動的に判定できるようにしたものが判定表です。判定表を作ることで、目視確認や手作業での入力を減らせるため、ミスの防止や作業時間の短縮につながります。

判定表でよく使う関数が、IF・IFS・AND・ORです。それぞれ役割が異なりますが、組み合わせることで複雑な条件にも対応できます。

  • IF関数:条件が1つ、またはシンプルな分岐に使う
  • IFS関数:複数の条件を上から順番に判定したいときに使う
  • AND関数:複数の条件をすべて満たすか判定したいときに使う
  • OR関数:複数の条件のうち、どれか1つでも満たすか判定したいときに使う

たとえば、「売上が100万円以上、かつ利益率が20%以上なら優秀」という判定をしたい場合は、IF関数とAND関数を組み合わせます。一方で、「資格Aまたは資格Bを持っていれば対象」としたい場合は、IF関数とOR関数を使うとスムーズです。

また、判定条件が3つ以上ある場合は、IF関数を何重にも入れ子にする方法もありますが、式が長くなり読みにくくなりがちです。そのようなときは、IFS関数を使うことで条件と結果を整理しやすくなります。

20代のビジネスパーソンにとって、こうした判定表を作れるスキルは実務でかなり役立ちます。営業成績のランク付け、タスクの優先度判定、アンケート結果の分類など、日常業務のさまざまな場面で応用できるからです。

まずは「どの条件なら、どの結果を返したいのか」を表に書き出すことが重要です。条件を整理してから関数を組み立てることで、式のミスを減らし、あとから見返しても理解しやすい判定表を作れるようになります。

基本の書き方:IF・IFS・AND・ORの役割と使い分け

判定表を作るうえで、まず押さえておきたいのがIF・IFS・AND・ORそれぞれの基本構文です。どの関数をどの場面で使うかが分かると、複雑に見える判定式もかなり整理しやすくなります。

IF関数:基本の「もし〜なら」判定

IF関数は、条件分岐の基本となる関数です。書き方は次のとおりです。

=IF(条件式, 条件を満たす場合の結果, 条件を満たさない場合の結果)

たとえば、A2セルの点数が80点以上なら「合格」、そうでなければ「不合格」と表示したい場合は、次のように書きます。

=IF(A2>=80,"合格","不合格")

シンプルな二択の判定であれば、まずはIF関数を使うと考えておけば問題ありません。

IFS関数:複数条件を上から順番に判定

判定結果が3つ以上ある場合は、IFS関数が便利です。IFS関数は、複数の条件を上から順番に確認し、最初に当てはまった結果を返します。

=IFS(条件式1, 結果1, 条件式2, 結果2, 条件式3, 結果3)

たとえば、点数によって評価を分ける場合は次のように書けます。

=IFS(A2>=90,"A評価",A2>=80,"B評価",A2>=70,"C評価",TRUE,"再確認")

最後のTRUEは「どの条件にも当てはまらなかった場合」の受け皿です。これを入れておくと、想定外のデータがあってもエラーになりにくくなります。

AND関数:すべての条件を満たすか確認

AND関数は、複数の条件をすべて満たす場合にTRUEを返します。単体で使うよりも、IF関数やIFS関数の条件部分に入れて使うことが多いです。

=AND(条件式1, 条件式2)

たとえば、「売上が100万円以上、かつ利益率が20%以上なら達成」としたい場合は、次のように書きます。

=IF(AND(A2>=1000000,B2>=20%),"達成","未達成")

このように、複数の基準を同時に満たしているかを判定したいときにAND関数が役立ちます。

OR関数:どれか1つでも満たすか確認

OR関数は、複数の条件のうちどれか1つでも満たす場合にTRUEを返します。こちらもIF関数と組み合わせて使う場面が多いです。

=OR(条件式1, 条件式2)

たとえば、「資格Aまたは資格Bを持っていれば対象」と判定したい場合は、次のように書けます。

=IF(OR(B2="資格A",C2="資格B"),"対象","対象外")

ANDは「すべて」、ORは「どれか1つ」と覚えると、使い分けで迷いにくくなります。

使い分けの基本ルール

実務では、まず判定の種類を見極めることが大切です。二択ならIF、段階評価ならIFS、複数条件をまとめたいならANDやORを組み合わせます。

  • IF:合格・不合格、対象・対象外などの二択
  • IFS:A評価・B評価・C評価などの多段階判定
  • AND:「売上も利益率も達成」のような全条件一致
  • OR:「どちらか該当すればOK」のような一部条件一致

関数をいきなり入力するのではなく、「条件はいくつあるか」「すべて満たす必要があるか」「どれか1つでよいのか」を先に整理すると、判定表の式はかなり作りやすくなります。

実践例:複数条件を組み合わせた判定表を作成する手順

ここでは実務でよく使う例として、営業メンバーの実績をもとに評価ランクを自動判定する表を作ってみましょう。売上だけでなく、利益率や重点商品の販売有無も含めて判定するケースです。

まず、次のような表を用意します。

氏名 売上 利益率 重点商品 判定
佐藤 1200000 25% 販売あり
田中 900000 18% 販売なし

今回の判定ルールは、次のように設定します。

  • 売上が100万円以上、かつ利益率が20%以上なら「A評価」
  • 売上が80万円以上、または重点商品が販売ありなら「B評価」
  • それ以外は「C評価」

このように、1つ目の条件ではAND関数、2つ目の条件ではOR関数を使います。判定結果がA・B・Cの3段階あるため、全体はIFS関数で組み立てると見やすくなります。

判定列のE2セルには、次の式を入力します。

=IFS(AND(B2>=1000000,C2>=20%),"A評価",OR(B2>=800000,D2="販売あり"),"B評価",TRUE,"C評価")

この式では、まず最初に「売上が100万円以上、かつ利益率が20%以上か」を確認しています。両方を満たしていれば、すぐに「A評価」と表示されます。

次に、A評価に当てはまらなかったデータに対して、「売上が80万円以上、または重点商品が販売ありか」を確認します。どちらか一方でも満たしていれば「B評価」になります。

最後のTRUE,"C評価"は、どの条件にも当てはまらなかった場合の結果です。これを入れておくことで、条件外のデータも「C評価」として処理できます。

式を入力したら、E2セルの右下をドラッグして下の行にもコピーします。これで、各メンバーの売上・利益率・重点商品の状況に応じて、評価が自動で表示される判定表が完成します。

ポイントは、いきなり関数を書き始めるのではなく、先に判定ルールを文章で整理することです。「A評価の条件」「B評価の条件」「それ以外」という順番で書き出してから数式に変換すると、ミスを減らせます。

また、IFS関数は上から順番に判定されるため、条件の並び順も重要です。今回のように、A評価のほうがB評価より優先度が高い場合は、必ずA評価の条件を先に書きます。順番を逆にすると、本来A評価になる人がB評価で止まってしまう可能性があります。

この考え方は、営業評価だけでなく、問い合わせ対応の優先度判定、タスク管理、在庫アラートなどにも応用できます。複数条件を整理して判定表に落とし込めるようになると、日々の集計作業をかなり効率化できます。

よくあるミスと対策:条件式がうまく動かない原因

IF・IFS・AND・ORを組み合わせた判定表では、式の見た目が正しそうでも、思った結果にならないことがあります。特に複数条件を扱う場合は、原因を1つずつ切り分けることが大切です。ここでは、実務でよくあるミスと対策を整理します。

比較演算子の向きや基準値が間違っている

まず多いのが、>=<=などの比較演算子のミスです。たとえば「80点以上」を判定したいのに、うっかりA2>80と書くと、80点ちょうどの人が条件から外れてしまいます。

=IF(A2>=80,"合格","不合格")

「以上」「以下」「より大きい」「未満」は混同しやすいポイントです。判定ルールを文章で確認しながら、数式に置き換えるようにしましょう。

文字列をダブルクォーテーションで囲んでいない

「販売あり」「対象」「A評価」などの文字を条件や結果に使う場合は、必ず" "で囲む必要があります。囲み忘れるとエラーになったり、正しく判定されなかったりします。

=IF(D2="販売あり","対象","対象外")

特にOR関数の中で文字列条件を複数書くときは、すべての条件でダブルクォーテーションが必要です。

=IF(OR(B2="資格A",C2="資格B"),"対象","対象外")

IFS関数の条件の順番が逆になっている

IFS関数は上から順番に条件を確認し、最初に当てはまった結果を返します。そのため、条件の並び順を間違えると、想定と違う結果になることがあります。

たとえば、点数評価でA2>=70を先に書いてしまうと、90点以上の人も先に「C評価」と判定されてしまいます。

=IFS(A2>=90,"A評価",A2>=80,"B評価",A2>=70,"C評価",TRUE,"再確認")

段階評価では、基本的に厳しい条件・優先度の高い条件から先に書くのがポイントです。

ANDとORの使い分けを間違えている

「すべて満たす」のか「どれか1つでよい」のかを曖昧にしたまま式を書くと、判定結果が大きくズレます。たとえば「売上100万円以上、かつ利益率20%以上」ならANDです。

=IF(AND(B2>=1000000,C2>=20%),"達成","未達成")

一方で、「資格Aまたは資格BがあればOK」ならORを使います。条件を式にする前に、「かつ」なのか「または」なのかを必ず確認しましょう。

最後の受け皿条件がなく、エラーになる

IFS関数では、どの条件にも当てはまらないデータがあるとエラーになることがあります。これを防ぐには、最後にTRUEを入れて、例外時の結果を用意しておくのがおすすめです。

=IFS(A2>=90,"A評価",A2>=80,"B評価",TRUE,"要確認")

「要確認」や「対象外」などを返すようにしておけば、データの抜けや想定外の入力にも気づきやすくなります。

条件式がうまく動かないときは、数式全体を一気に直そうとせず、条件を1つずつ分解して確認するのが近道です。ANDやORの中身を別セルで試したり、IFSの条件を上から順にチェックしたりすると、原因を見つけやすくなります。

見やすく管理しやすい判定表にするための改善ポイント

判定表は、正しく動くだけでなく、あとから見ても理解しやすい状態にしておくことが大切です。特に仕事で使う表は、自分だけでなく上司や同僚が確認・修正することもあります。数式が複雑になるほど、見やすさと管理しやすさを意識しましょう。

判定ルールを表の近くに書いておく

まずおすすめなのが、判定ルールをシート内にメモしておくことです。たとえば、判定表の右側や別シートに次のようなルール一覧を作っておくと、数式の意味をすぐ確認できます。

判定 条件
A評価 売上100万円以上、かつ利益率20%以上
B評価 売上80万円以上、または重点商品が販売あり
C評価 上記以外

判定条件を数式だけに埋め込んでしまうと、後から変更するときに確認が大変です。ルールを文章でも残しておけば、引き継ぎや修正がスムーズになります。

入力セルと判定セルを分ける

判定表では、手入力する列と数式を入れる列をはっきり分けましょう。たとえば「売上」「利益率」「重点商品」は入力欄、「判定」は自動計算欄というように役割を分けます。

さらに、判定列には色を付けたり、数式が入っているセルを保護したりすると、誤って式を消してしまうリスクを減らせます。チームで共有する表ほど、入力してよい場所が一目で分かる設計にしておくことが重要です。

条件値をセル参照にして変更しやすくする

判定基準が変わる可能性がある場合は、数式の中に直接「1000000」や「20%」と書くより、基準値を別セルに置いて参照する方法がおすすめです。

=IF(AND(B2>=$H$2,C2>=$H$3),"A評価","対象外")

このようにしておけば、売上基準や利益率基準が変わっても、数式を何行も修正する必要がありません。基準値のセルだけ変更すれば、表全体に反映できます。

条件付き書式で結果を見やすくする

判定結果が文字だけだと、データ量が多いときに確認しづらくなります。そこで便利なのが条件付き書式です。

  • A評価:緑色
  • B評価:黄色
  • C評価:赤色
  • 要確認:グレーやオレンジ

色分けしておくと、良い結果や確認が必要なデータをひと目で把握できます。営業成績やタスク優先度の管理では、視覚的に分かるだけで作業スピードがかなり上がります。

完成後はテストデータで確認する

最後に、判定表を作ったら必ずテストデータで動作確認をしましょう。条件の境界になる「80万円ちょうど」「100万円ちょうど」「利益率20%ちょうど」などを入れて、想定どおりの結果になるか確認します。

判定表は、一度作ると繰り返し使える便利な仕組みです。だからこそ、最初の段階でルール整理、セル設計、色分け、テスト確認まで行っておくと、実務で安心して使える表になります。

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