SUMIFS関数を活用してExcelで複数の条件に合致するデータの合計を求める方法

SUMIFS関数を活用してExcelで複数の条件に合致するデータの合計を求める方法IT

Excelの基礎:SUMIFS関数とは何か

ビジネスの現場でよく利用される表計算ソフト、Microsoft Excel(以下、Excel)ですが、その中には様々な関数が用意されています。その一つが、SUMIFS関数です。

Excelでよく使われる基本的な関数は「SUM関数」で、指定した範囲の値を合計するという形で利用することが多いです。確かに、SUM関数だけでもかなり便利な作業を行うことが可能です。

しかし、複数の条件を設定して合計を出したい時にはどうでしょうか? 例えば、ある商品の売り上げを計算する際に、色やサイズ、地域など特定の条件を踏まえた計算をしたいこともあるでしょう。

このような場合、SUMIFS関数がとても役に立ちます。SUMIFS関数は、「Excelの中にある指定した範囲のセルの合計を計算するが、それだけでなく、さらに計算基準(条件)を複数設定できる関数」なのです。

SUMIFS関数は基本的な構文があり、それは次の通りです。=SUMIFS(合計範囲, 条件範囲1, 条件1, [条件範囲2, 条件2], …)です。

つまり、これを使うことにより、「特定の条件を満たすデータだけを合計したい!」というような場合に便利に使えます。この記事では、その活用方法と注意点について、詳しく解説していきましょう。

必要な条件を設定する:SUMIFS関数の引数について

前章では、SUMIFS関数とは何かという基本的な内容をお伝えしました。今回は、SUMIFS関数を使う際に設定するべき「引数」について具体的に解説していきます。

まず初めに、SUMIFS関数の基本的な構文を再掲します。=SUMIFS(合計範囲, 条件範囲1, 条件1, [条件範囲2, 条件2], …)となります。ここで注意したいのが、この関数内には複数の引数が設定されている点です。

いくつかの引数について具体的に見ていきましょう。まず「合計範囲」です。「合計範囲」には、合計を求めたいセル範囲を指定します。たとえば「売上」を合計したい場合、合計範囲には売上が記載されている全セル域を指定します。

次に、「条件範囲」「条件」です。「条件範囲」には、条件を設定したいセル範囲を指定します。「条件」には、条件範囲で設定する具体的な条件を指定します。例えば、特定の地域や特定の商品の売り上げだけを合計したい場合、その地域や商品名を条件として指定します。

これらの引数は必要に応じて複数設定することが可能です。例えば、「東京のコーヒーの売上を求める」場合、条件範囲と条件を2つ指定して、「地域=東京, 商品=コーヒー」と設定します。

ちなみに、条件範囲と条件は、選択した範囲と設定した条件の数が一致しなければならない点に注意してください。矛盾した条件を設定すると、正しく計算できない場合があります。

以上が、SUMIFS関数で設定する「引数」についての基本的な解説です。次の章では、これらの知識を元に、具体的な活用方法を見ていきます。

詳解:SUMIFS関数の活用方法と注意点

前章では、SUMIFS関数で設定する“引数”について詳しく解説しました。ここでは、その引数を活用し、複数の条件に合致するデータの合計を求める具体的な手順と注意点について説明します。

まず、SUMIFS関数を活用する手順は次のとおりです。

  • まずSUMIFS関数を適用するセルを選択します。
  • 次に、関数の挿入をクリックし、「SUMIFS」を選択します。
  • 出てきたダイアログで、引数を設定します。まず、「合計範囲」には合計したいデータが入っているセル範囲を指定します。
  • その後、「条件範囲1」には1つ目の条件を満たすセル範囲を、「条件1」にはその条件を指定します。
  • 2つ目以降の条件範囲と条件も同様に設定します。
  • 全ての引数を設定したら、「OK」をクリックします。

このようにして、SUMIFS関数を使って複数の条件に合致するデータの合計を求めることができます。

一方、SUMIFS関数を使用する上での注意点について説明します。まず、SUMIFS関数は文字列の大文字と小文字を区別しないので、条件の指定時には気を付けましょう。また、条件範囲内のセルが空白の場合、そのセルは無視されます。したがって、適切な結果を得るためには、事前に空白セルの確認と対策が必要です。

さらに、不等号を使用して条件を指定することも可能ですが、不等号の前後にはスペースを入れないよう注意しましょう。これは「>100」などと表記するような場合に特に重要になります。

以上が、SUMIFS関数の活用方法とその注意点です。自身のビジネス現場で早速活用してみると良いでしょう。次の章では、さらに現実的なビジネス現場での使用例について解説していきます。

実践編:ビジネス現場で役立つSUMIFS関数の使用例

これまでの章では、SUMIFS関数の概要やその設定方法、使用上の注意点などについて学びました。早速、実際のビジネス現場における具体的な使用例を見ていきましょう。

会社には売上のデータを一覧で管理しているExcelシートがあります。それぞれの行には、「商品名」「地域」「売上高」が記載されています。これからは、「東京地区で売られたコーヒーの売上高」を知りたい場合のSUMIFS関数の使用例です。

=SUMIFS(C2:C100, B2:B100, "東京", A2:A100, "コーヒー")

この式の意味を簡単に解説すると、「C2:C100(売上高)」を合計してください。「ただし、条件が二つあります。一つ目は、「B2:B100(地域)の値が”東京”です」。二つ目は、「A2:A100(商品名)の値が”コーヒー”です」。この2つの条件を満たすデータに限定して合計を出してください、という意味です。

このように、SUMIFS関数を使うことで、特定の地域での特定の商品の売上など、複数の条件を設定してデータを分析することが可能となります。これは、売上向上策を実施する際や、人気商品を分析する際など、ビジネスの現場で重要な意思決定をする上で大変役立つ情報となります。

この章で紹介した使用例は一例です。SUMIFS関数の機能を理解した上で、自分の仕事においてどのような場合に応用できるのか、考えてみると良いでしょう。

以上で、「実践編:ビジネス現場で役立つSUMIFS関数の使用例」を終わります。次の章では、さらにレベルアップとして、SUMIFS関数を使ってデータ解析を進める方法について紹介します。

レベルアップ:SUMIFS関数を使ってさらにデータ解析を進めよう

ここまでで、SUMIFS関数の基本的な使い方とビジネス現場での使用例について紹介しました。最終章となるこの章では、SUMIFS関数を活用し、さらにデータ解析を進めるテクニックを紹介します。

まずは“日付の条件指定”についてです。会社のデータとしては日付情報も重要ですよね。特定の期間内の売上を計算する際、SUMIFS関数を活用できます。

 =SUMIFS(C2:C100, B2:B100, ">=2021/01/01", B2:B100, "<=2021/12/31")

上記のように、条件として日付を使用することが可能です。「2021年の売上を計算してください」という問いに対して、上記の式を使えば一発で答えを求められます。

次に、データが多い場合や複雑な条件を設定する場合には"セル内でのSUMIFS関数の使用"が便利です。条件をあらかじめセルに入力しておき、そのセルを参照する形でSUMIFS関数を使用します。

SUMIFS関数は、条件をこれ以上増やせない・・・といった限界を感じることもあるでしょう。そのような場合には、SUMIFS関数を組み合わせて使用することも可能です。例えば、東京と大阪のリンゴとバナナの売上を計算したいとします。SUMIFS関数を2回使用し、「東京のリンゴ売上+大阪のバナナ売上」を求めることができます。

=SUMIFS(C2:C100, B2:B100, "東京", A2:A100, "リンゴ") + SUMIFS(C2:C100, B2:B100, "大阪", A2:A100, "バナナ")

以上が、SUMIFS関数を活用してさらにデータ解析を進めるテクニックの一部です。以前に比べて格段に分析力が増しましたね。ただし、これらのテクニックも理解の上で使用し、そして何よりも「なぜ分析するのか?」という目的を明確にすることが重要です。

今回の情報が皆さんの日々の業務に役立つことを願っています。データ解析は、その結果を元にアクションを起こすことで真の価値を発揮します。次回からは更に深掘りし、データ分析・ビジネス戦略に役立つ内容を提供していきます。

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