Excelで採用チャネル別の応募効果を比較する方法

Excelで採用チャネル別の応募効果を比較する方法 IT

1. 採用チャネル別の応募効果を比較するために必要なデータとは

Excelで採用チャネル別の応募効果を比較するには、まず「どのチャネルから、どれだけ応募が来て、最終的に何人採用できたのか」が分かるデータをそろえることが重要です。

採用チャネルとは、求人媒体、転職エージェント、自社採用サイト、SNS、リファラル採用など、応募者が自社を知り応募に至った経路のことです。これらを感覚で評価してしまうと、「応募数は多いけれど採用につながらない媒体」や「応募数は少ないが内定率が高いチャネル」を見落としてしまいます。

そのため、Excelで比較する前に、最低限以下のようなデータを準備しておきましょう。

  • 採用チャネル名
  • 応募数
  • 書類選考通過数
  • 面接数
  • 内定数
  • 採用数
  • 掲載費用・紹介手数料などの採用コスト
  • 集計期間

特に大切なのは、応募数だけで判断しないことです。たとえば、A媒体から100名応募があり、B媒体から20名応募があった場合、一見するとA媒体の方が効果的に見えます。しかし、最終的な採用数がA媒体は1名、B媒体は5名だった場合、採用効率が高いのはB媒体です。

また、採用コストも忘れずに記録しておきましょう。求人広告に30万円かけて1名採用できた場合と、SNS経由で費用をかけずに1名採用できた場合では、同じ「採用数1名」でも費用対効果は大きく異なります。

データを集める際は、チャネル名の表記ゆれにも注意が必要です。たとえば「Indeed」「indeed」「インディード」が混在していると、Excelで集計したときに別々のデータとして扱われてしまいます。あらかじめ表記ルールを決めておくと、後の分析がスムーズになります。

まずは、応募者ごとに「応募日」「応募チャネル」「選考ステータス」「採用結果」「コスト」を記録できる状態を作ることが、採用チャネル分析の第一歩です。正確なデータがあれば、Excel上で応募効果を客観的に比較でき、次回以降の採用予算や注力チャネルを判断しやすくなります。

2. Excelで応募数・面接数・採用数を整理する表の作り方

必要なデータがそろったら、次はExcelで集計しやすい形に整理していきます。ポイントは、最初から「見た目のきれいな表」を作ろうとするのではなく、後から集計・分析しやすい表にすることです。

おすすめは、まず応募者ごとの一覧表を作成することです。1行に1人の応募者情報を入力し、列ごとに応募チャネルや選考状況を管理します。たとえば、以下のような項目を用意します。

応募日 応募者名 採用チャネル 書類選考 面接実施 内定 採用
2025/4/1 山田 太郎 求人媒体A 通過 実施 あり 採用
2025/4/3 佐藤 花子 自社サイト 通過 実施 なし 不採用

このように応募者単位でデータを管理しておくと、後からチャネル別に応募数・面接数・採用数を集計しやすくなります。特に「面接実施」「内定」「採用」などの列は、入力ルールを統一しておくことが大切です。「済」「実施済み」「実施」など表記がバラバラになると、Excelで正しく数えられない原因になります。

入力ミスを防ぐには、Excelの「データの入力規則」を使うのがおすすめです。たとえば、採用チャネルの列では「求人媒体A」「求人媒体B」「自社サイト」「SNS」「エージェント」などをプルダウンで選べるようにしておくと、表記ゆれを防げます。

応募者一覧を作成したら、次にチャネル別の集計表を別シートに作ります。集計表では、行に採用チャネル名を並べ、列に応募数・面接数・採用数を配置します。

採用チャネル 応募数 面接数 採用数
求人媒体A 50 20 3
自社サイト 15 10 4
SNS 25 8 2

この集計表を作ることで、「どのチャネルから何人応募があり、何人が面接に進み、最終的に何人採用できたのか」を一目で確認できます。数値を手入力するとミスが起きやすいため、可能であれば応募者一覧をもとにExcel関数やピボットテーブルで自動集計できる形にしておくと便利です。

また、データは月別や四半期別で比較できるように、応募日も必ず入力しておきましょう。採用チャネルの効果は時期によって変わるため、期間を区切って見られる表にしておくと、次の分析がしやすくなります。

まずは「応募者一覧」と「チャネル別集計表」の2つを作ることが、Excelで採用効果を整理する基本です。この土台ができていれば、次のステップで応募率や通過率、採用率といった指標もスムーズに計算できます。

3. 応募効果を見える化する指標「応募率・通過率・採用率」の計算方法

応募数・面接数・採用数を整理できたら、次は各チャネルの効果を「率」で見える化していきます。単純な人数だけでは、母数が違うチャネル同士を正しく比較しにくいためです。

たとえば、応募数が多いチャネルでも面接につながっていなければ、応募者の質や求人内容とのミスマッチが起きている可能性があります。一方で、応募数は少なくても採用率が高いチャネルは、効率よく自社に合う人材を集められていると判断できます。

採用チャネル別に確認したい主な指標は、以下の3つです。

指標 計算式 見えること
応募率 応募数 ÷ 求人閲覧数 求人を見た人のうち、どれだけ応募したか
通過率 面接数 ÷ 応募数 応募者のうち、どれだけ面接に進んだか
採用率 採用数 ÷ 応募数 応募者のうち、最終的にどれだけ採用できたか

応募率を計算するには、求人媒体の管理画面などから「求人閲覧数」や「クリック数」を取得しておく必要があります。たとえば、求人媒体Aで求人閲覧数が1,000、応募数が50だった場合、応募率は「50÷1,000=5%」です。

Excelで計算する場合、求人閲覧数がB列、応募数がC列にあるなら、応募率の列に以下のような数式を入力します。

=C2/B2

計算結果をパーセント表示にすれば、応募率として分かりやすく表示できます。ただし、求人閲覧数が0の場合はエラーになるため、実務では以下のようにIFERROR関数を使うと安心です。

=IFERROR(C2/B2,0)

次に通過率です。通過率は、応募者の中からどれだけ面接に進んだかを見る指標です。応募数がC列、面接数がD列にある場合は、以下のように計算します。

=IFERROR(D2/C2,0)

通過率が低いチャネルは、応募者のスキルや経験が求める条件と合っていない可能性があります。求人原稿の内容が分かりにくい、応募条件が広すぎる、といった原因も考えられます。

最後に採用率です。採用率は、応募数に対して最終的に何人採用できたかを表します。応募数がC列、採用数がE列にある場合は、以下の数式を使います。

=IFERROR(E2/C2,0)

採用率が高いチャネルは、自社と相性の良い応募者を集められている可能性が高いです。逆に、応募数は多いのに採用率が低い場合は、応募対応や選考基準だけでなく、チャネルそのものの見直しも検討しましょう。

集計表には、応募数・面接数・採用数に加えて、応募率・通過率・採用率の列を追加しておくと便利です。人数と割合をセットで確認することで、「応募を集める力」と「採用につながる力」を分けて判断できるようになります。

4. ピボットテーブルとグラフで採用チャネル別の成果を比較する方法

応募数・面接数・採用数、さらに応募率や採用率まで計算できたら、次はピボットテーブルとグラフを使って比較しやすい形に整えましょう。数値が並んだ表だけでは傾向をつかみにくいですが、ピボットテーブルで集計し、グラフ化することで、採用チャネルごとの成果がひと目で分かるようになります。

まず、応募者一覧のデータ範囲を選択し、Excel上部のメニューから「挿入」→「ピボットテーブル」をクリックします。新しいシートに作成すると、元データと集計結果を分けて管理できるためおすすめです。

ピボットテーブルを作成したら、フィールドを以下のように配置します。

  • 行:採用チャネル
  • 値:応募者名の個数
  • 値:面接実施の個数
  • 値:採用の個数

「応募者名の個数」は応募数として使えます。面接数や採用数については、元データの入力内容によって集計方法を調整しましょう。たとえば「採用」列に採用者だけ「採用」と入力している場合は、ピボットテーブル上で「採用」の件数を数えることで、チャネル別の採用数を確認できます。

より正確に集計したい場合は、元データに「面接フラグ」「採用フラグ」の列を作り、面接実施なら「1」、未実施なら「0」、採用なら「1」、不採用なら「0」と入力しておくと便利です。ピボットテーブルではこの数値を「合計」すれば、面接数や採用数を簡単に集計できます。

次に、集計したピボットテーブルをもとにグラフを作成します。ピボットテーブル内をクリックし、「挿入」→「ピボットグラフ」を選択します。応募数・面接数・採用数を比較する場合は、棒グラフが見やすいです。

たとえば、横軸に採用チャネル、縦軸に人数を設定すると、「応募は多いが採用が少ないチャネル」や「応募数は少ないが採用につながっているチャネル」が直感的に分かります。20代のビジネスパーソンが上司やチームに報告する場面でも、表だけを見せるより説得力が増します。

また、応募率・通過率・採用率を比較したい場合は、別で作成した集計表をもとに折れ線グラフや集合縦棒グラフを使うと分かりやすくなります。人数と割合を同じグラフに入れると見づらくなるため、「応募数・面接数・採用数」と「各種割合」はグラフを分けるのがポイントです。

さらに、ピボットテーブルに「応募月」や「職種」をフィルターとして追加すれば、月別・職種別のチャネル効果も確認できます。たとえば「営業職では求人媒体Aが強いが、エンジニア採用ではSNSの採用率が高い」といった発見につながります。

ピボットテーブルとグラフを活用すれば、Excel上の採用データを単なる記録ではなく、意思決定に使える資料へ変えられます。次の章では、この分析結果をもとに、どの採用チャネルへ注力すべきかを判断するポイントを見ていきましょう。

5. Excel分析をもとに効果の高い採用チャネルを判断するポイント

Excelで採用チャネル別の応募数・面接数・採用数、応募率や採用率を見える化できたら、最後に「どのチャネルに注力すべきか」を判断します。ここで大切なのは、1つの数字だけで決めないことです。応募数が多い、採用率が高い、コストが安いなど、それぞれの指標を組み合わせて総合的に見る必要があります。

まず確認したいのは、採用数と採用率のバランスです。たとえば、応募数100名で採用数2名のチャネルと、応募数20名で採用数4名のチャネルがある場合、後者の方が効率よく採用できている可能性があります。ただし、採用率が高くても採用数が少なすぎる場合は、安定して人材を確保できるチャネルとは言い切れません。

次に見るべきなのが、採用単価です。採用単価は「採用コスト ÷ 採用数」で計算できます。Excelでは、採用コストがF列、採用数がE列にある場合、以下のように入力します。

=IFERROR(F2/E2,0)

採用単価を見ることで、「費用をかけている割に採用につながっていないチャネル」や「低コストで成果が出ているチャネル」を判断できます。特に限られた採用予算の中で動く場合、採用単価は上司への報告資料でも説得力のある指標になります。

また、選考途中の歩留まりにも注目しましょう。応募数は多いのに面接数が少ない場合は、求人内容と応募者の期待がずれている可能性があります。面接数は多いのに採用数が少ない場合は、スキルや人物面でのミスマッチが起きているかもしれません。このように、どの段階で落ち込みが大きいかを見ることで、チャネルを変えるべきか、求人原稿や選考方法を改善すべきかが分かります。

さらに、採用した人材の質も忘れてはいけません。Excel上では採用数までを追いがちですが、可能であれば「入社後の定着状況」「配属部署からの評価」「早期離職の有無」などもメモしておくと、より実態に近い判断ができます。採用数が多くても早期退職が多いチャネルは、長期的には効果が高いとは言えません。

判断する際は、以下のようにチャネルごとに評価を整理すると分かりやすくなります。

  • 応募数は十分にあるか
  • 面接・採用につながる割合は高いか
  • 採用単価は予算に見合っているか
  • 職種やターゲット人材と相性が良いか
  • 継続して成果が出ているか

注意点として、1か月だけのデータで判断しないことも重要です。採用チャネルの成果は、時期や職種、求人内容によって変動します。できれば3か月、半年など一定期間のデータを比較し、偶然ではなく安定して成果が出ているかを確認しましょう。

Excel分析の目的は、単に数字を集計することではありません。成果の高いチャネルには予算や工数を増やし、効果の低いチャネルは改善または停止を検討することがゴールです。データをもとに判断できれば、感覚に頼らない採用活動ができ、次回以降の採用成功率を高められます。

コメント

NewsTowerをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む