Excelのデータのフィルタリングと条件付き書式を使ってデータの絞り込みと可視化を行う方法

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1章:Excelの基礎:データの入力と表の作り方

Excelは一見すると複雑そうですが、基本的なデータの入力と表の作り方を覚えれば、多くの情報を効率よく管理することができます。Excelの基本操作を短時間で習得するためには、まずは自分自身で実際にデータを入力して、表を作り、機能を体験してみましょう。

まずは、新たなシートを開くところから始めて、一番左上のセルA1にカーソルを合わせます。何かしらのデータを入力するためには、セルをクリックして入力モードにし、適当な文字列を打ち込みます。例えば、”名前”や”商品名”など、どんなデータが入力される予定なのかをあらわす見出しを入力してみましょう。

Tip: セル内のテキストはEnterキーまたはテンキーのEnterキーを押して確定します。

複数列にデータを入力するには、最初に入力したセルの右隣のセルにカーソルを移動し、次に必要な見出しを入力します。例えば、”価格”や”数量”などが考えられます。

データの整理には表機能が便利です。すべてのセルにデータが入力されたら、その範囲を選択(クリックしてドラッグして範囲を選択)し、「挿入」タブの「テーブル」をクリックします。すると選択範囲が表に整形され、さらにソートやフィルタリングなどの高度な操作が可能になる面白い機能が追加されます。

Tip: 表はデータの見た目を改善し、データの理解を助けるだけでなく、フィルタリングや並べ替えなどの操作が可能になります。

これでデータの入力と表の作り方の基本は完了です。次章では、この表に対してフィルタリングを行い、データを絞り込む方法を紹介します。

2章:フィルタリング機能の紹介:データの絞り込みを実現

Excelには非常に便利でパワフルな機能が数多くありますが、今回の章ではデータのフィルタリング機能に注目します。フィルタリングとは、特定の基準に基づいてデータを選択あるいは排除する機能のことを指します。

Tip: フィルタリングは、大量のデータの中から特定の情報を探す際に非常に役立ちます。

では、具体的にどのようにフィルタリングを行うのか見ていきましょう。初めに、フィルタリングを適用したい表を選択します。次に、「データ」タブの中にある「フィルタ」ボタンを押すと、全ての列の上部にプルダウンメニューが表示されます。

Excel フィルタボタン

このプルダウンメニューから値を選択することで、その値に一致するデータだけが表に表示されます。また、数値や日付に対しては大小や範囲を指定することも、文字列に対するフィルタリングは特定の文字を含む、含まないを選択することも可能です。

とくに重要なのは、「複数項目のフィルタリング」です。これはある列で特定の値をフィルタリングし、さらに他の列で別の値をフィルタリングすることができます。これにより、複数の基準に当てはまるデータだけを抽出することが可能です。

なお、フィルタリングした状態を解除するには「全てクリア」を選択します。これで、元の全てのデータが表に表示されます。

今回はExcelのフィルタリング機能の基本について説明しました。フィルタリングは非常に便利な機能であり、日々の業務では必須のツールとも言えます。次章では実際にフィルタリング機能を使ったデータの絞り込み方法を解説していきます。

3章:データの絞り込み:フィルタリング機能を活用した一例

ここでは、実際の販売データを使用し、Excelのフィルタリング機能を使ってデータの絞り込みを行う一例を見ていきましょう。

まず、以下のような商品の販売データが表現されているとします。商品名、販売地域、販売数量、販売金額の4つの列でデータが構成されています。

販売データ

今回の目的は、「北海道で販売されたA商品のデータを表示する」とします。そのためにフィルタリングを活用します。

まず、「商品名」列のフィルタから「A商品」を選択します。すると、A商品だけが表示され、他の商品のデータは一旦隠されます。次に、「販売地域」列のフィルタから「北海道」を選択します。

この二つの操作により、「北海道で販売されたA商品」に関するデータだけが表に表示されます。このように、フィルタリングを使用することで、大量のデータから特定の条件に合うデータだけを瞬時に抽出することが可能です。

フィルタリングされた販売データ

Tip: フィルタリング条件はより複雑にすることも可能です。例えば、「北海道で販売されたA商品で、販売金額が100万円以上のデータ」を抽出したい場合、「販売金額」列のフィルタを使用し、「100万以上」を選択します。

フィルタリングの結果はそのままの状態で印刷やコピーペーストを行うことも可能です。また、フィルタリングされたデータに対して更に集計やグラフ化を行う事で、特定の条件に合ったデータに対する分析を効率的に行う事ができます。

以上で、実際のデータを用いたフィルタリングの一例を解説しました。次章では、データの可視化について解説していきます。

4章:条件付き書式の活用:データの可視化の第一歩

これまでに、Excelのフィルタリング機能を利用したデータの絞り込み方について解説しました。しかし、データの分析には、それを「見える化」することも非常に重要です。その一助となるのが、Excelの「条件付き書式」機能です。

条件付き書式は、あらかじめ設定した条件に基づいてセルの書式を自動的に変更する機能で、データの可視化を効率的に行うことができます。例えば、売り上げが一定額を超えたセルを赤く塗ったり、売上ランキングに応じてセルの色をグラデーションにしたりできます。

Tip: 条件付き書式はデータの傾向や異常値を一目で把握するのに役立ちます。

では、具体的な設定方法を見ていきましょう。「販売金額」列で1,000,000円以上の売り上げを緑色に表示する例を考えます。対象となる列を選択し、「ホーム」タブの中にある「条件付き書式」ボタンをクリックします。

条件付き書式メニュー

すると、選択肢が展開され、「新しいルール」を選択します。出てくるダイアログで「セルの値が次の条件に一致する場合の書式設定」を選び、「~以上」を選択、右側の値を「1000000」にします。その上で、「書式」ボタンをクリックし、必要な書式(今回はセル色を緑)を選択し、「OK」を押すと設定は完了です。

条件付き書式設定

設定後は、「販売金額」列の値が1,000,000円以上のセルが緑色で表示されます。このように、条件付き書式を使うと、データの中で自分が注目したい部分をすぐに把握することができます。

条件付き書式の結果

条件付き書式はフィルタリングと同じく、一度設定すれば自動で更新されます。そのため、データが増えたり変動したりしても常に最新の状態を反映した可視化が可能です。

以上で、Excelにおける基本的なデータの可視化手法である条件付き書式の使い方を解説しました。次の章では、フィルタリングと条件付き書式を組み合わせたデータ分析の実例を見ていきます。

5章:実戦例:条件付き書式とフィルタリングを組み合わせた効果的なデータ分析

これまでに学んだフィルタリングと条件付き書式を組み合わせることで、より効果的なデータ分析が可能になります。ここではその実践的な使い方を一例として紹介します。

例えば、ある商品の販売データがあり、それぞれの地域で売り上げが一定額以上のデータを見つけたいとします。そのような分析を行う場合、フィルタリングと条件付き書式を活用すると以下の手順で可能です。

  1. まず、売り上げが一定額以上のものを視覚的に見やすくするために条件付き書式を適用します。売り上げ列に対して、「ホーム」タブの「条件付き書式」から「新しいルール」を作成し、売り上げが一定額以上のセルを特定の色に設定します。
  2. その後、フィルタリングを用いて該当する地域のみを表示させます。地域列にフィルタをかけて目的の地域を選択すると、その地域のデータのみが表示されます。

以上の操作により、指定した地域で売り上げが一定額以上のデータが視覚的に分かりやすく表示されます。これにより、特定地域の売れ筋商品や高額商品の情報を素早く把握することが可能になります。

フィルタリングと条件付き書式が適用されたデータ

Tip: フィルタリングと条件付き書式は、グラフ作成にも活用できます。上で作成したフィルタリングと条件付き書式が適用されたデータからグラフを作成すると、該当するデータの視覚的な比較が可能となります。

今回は、条件付き書式とフィルタリングを組み合わせたデータ分析の一例を紹介しました。これらの機能は、自己組織化や視覚化に役立つだけでなく、大量のデータから特定の情報を速やかに抽出する力強い道具となります。これらの基礎的な概念を理解し、適切な応用能力を持てば、Excelはあなたのビジネスにおける最も強力なパートナーシップになります。

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