1章: ピボットテーブルの基本:Excelのパワフルなツールを理解する
Excelを使った作業中、複数のデータソースから値を抽出し、一覧表や集計表を作る状況は少なくないでしょう。しかし、これらの操作を手作業で行うとなると時間も労力もかかってしまいます。そこで助けとなるのが、Excelのピボットテーブルという機能です。
ピボットテーブルは、大量のデータを軽快に、かつ柔軟に分析するためのExcelの一機能です。データを集計するための手間を大幅に減らし、異なる視点から分析を可能にします。
「ピボット」は「軸を回す」という意味。その名の通り、ピボットテーブルは「データの軸を自由に回転させて、様々な視点からデータを再配列する」ことができます。
例えば、商品の売上データがある場合、商品カテゴリーごとの売上、地域ごとの売上、月ごとの売上など、条件を変えて分析したいときに、一気に計算してくれるのがピボットテーブルなのです。
また、セルを指定し直すだけでデータの集計方法を変更したり、ドラッグ&ドロップで行や列を簡単に入れ替えたりすることも可能です。これらの操作一つ一つが時間を節約し、効率的なデータ分析に繋がるわけです。
この章では、ピボットテーブルの基本的な使い方を押さえ、2章以降で具体的な操作を行う準備をしていきましょう。もしまだピボットテーブルを使ったことがない、あるいはあまり使いこなせていないという方は、ここで理解を深めて次へ進んでください。
2章: データソースの準備:統合を円滑に進めるための前準備
いきなり複数のデータソースを統合しようとすると、データが整合性を欠いてしまったり、結果が思うように出ない場合があります。ここでは、追求を円滑に進めるためのデータソースの準備方法を説明します。
まず、Excelのピボットテーブルを使用するためには、分析したいデータが一列に並んでいることが必要となります。それぞれの列は、同じ種類のデータを持ち、表の上部にはそのデータが何を表現しているのかを示す見出しが必要です。
ピボットテーブルを使うためのデータソースの例:
年度,月,地域,商品名,売上
2020,1,東京,商品A,10000
2020,2,大阪,商品B,20000
2020,3,福岡,商品A,15000
・・・
このように各列に年度、月、地域、商品名、売上といったデータが入力されていると、そのデータを使ってピボットテーブルによる分析が可能になります。特定の商品の売上推移や地域別の売上などを瞬時に分析できるわけです。
さらに、データがきちんと整理されていることで、複数のデータソースの統合もスムーズに進みます。 統合するデータソース全てが同じフォーマットになっていることを確認しましょう。このことを確認する時間は、後々の手間を省き、分析を正確に行うために必要な投資と言えます。
データソースの状態を整理するための作業は少々時間がかかるかもしれませんが、きちんと整理されたデータがあることで、後の作業が大幅に効率化されます。時間をかけて、しっかりと準備を行いましょう。
3章: 複数のデータソースをピボットテーブルに統合する:ステップバイステップガイド
前章では、ピボットテーブルを作成するためのデータソースの前準備について解説しました。この章では、事前に準備した複数のデータソースをピボットテーブルに統合する方法について具体的に述べていきます。
ここでは「統合するデータソースが全て同じフォーマットで、それぞれの列が同じ種類のデータを持つ」という前提の基、手順を進めていきます。
初めに、「追加を記録」を始める前に、統合する複数のデータソースを開いておきましょう。そうすると、全てのファイルがExcelの操作履歴に記録されます。
- まずは画面上部の「データ」タブをクリックします。
- 次に「データの取得」のボタンをクリックし、「結合」を選択します。ここで必要な繋ぎ方を選択しましょう。
- 「結合するデータ」のウィンドウが表示されたら、「データソース」のリストから統合するデータソースを選択します。
- データソースが選択できたら、「結合する列」のリストから、各データソースで共通の列を選択します。
- 全て選択したら「OK」ボタンをクリックします。
以上の手順で、複数のデータソースを統合する設定ができました。
実際に、結合されたデータをピボットテーブルとして表示するためには、「挿入」タブから「ピボットテーブル」を選択します。そこから、新規のワークシートで表示させ、セルに基づく分析を行うと、統合したデータをもとにしたピボットテーブルが完成します。
この方法で、元々複雑でバラバラだったデータを一つのピボットテーブルにまとめることができます。これにより、これまで面倒だった分析作業がぐっと楽になるでしょう。
ただし、データの取り扱いには常に慎重さが求められます。急げば事故のもとということを忘れずに、確認作業を怠らないようにしましょう。次章では、このピボットテーブルを使用した具体的なデータ分析方法について説明していきます。
4章: ピボットテーブルでのデータ分析:統合されたデータを有効利用する
ピボットテーブルには、集計、並べ替え、フィルタリングなど、データ分析に必要な機能がたくさん搭載されています。この章では、具体的なピボットテーブルでの分析方法について学びます。
ピボットテーブルのフィールドリストを理解する
まずはじめに、ピボットテーブルの操作に最も関わる「フィールドリスト」について理解しましょう。フィールドリストは、データソースの列名を列挙しています。それぞれの列名(フィールド)をドラッグ&ドロップすることで、ピボットテーブルの行や列、値、フィルターを設定します。
たとえば、「商品名」フィールドを「行」エリアに、「売上」フィールドを「値」エリアに配置すれば、商品ごとの売上合計が得られます。また、「年度」フィールドを「列」エリアに配置すれば、年度ごとに結果が並びます。
並べ替えやフィルタリングで見たいデータを絞り込む
次に、絞り込みたいデータを見つけるための並べ替えやフィルタリング方法を知りましょう。ピボットテーブル内の任意のセルを右クリックし、「並べ替え」を選ぶと、昇順・降順などで結果を並べ替えることができます。また、「フィルタ」オプションを使えば、特定の値や条件に合致するデータだけを表示することが可能です。
データを視覚化する
最後に、数値だけでなく視覚的にデータを理解する方法を紹介します。Excelには、ピボットテーブルのデータを基に、簡単にグラフやチャートを作成できる「ピボットチャート」機能があります。
- ピボットテーブルを選択し、「挿入」タブから「ピボットチャート」をクリックします。
- 表示されるダイアログボックスで、希望するチャートタイプを選択し、「OK」をクリックします。
これで、データを視覚的に表現することで、より深い分析や結論を得ることができます。
以上がピボットテーブルを用いた基本的なデータ分析方法です。データ分析は、一見複雑そうに思えますが、ピボットテーブルを利用すれば、手軽に全体像を把握しながら具体的な分析が行えます。この力を身につけて、業務効率化を実現しましょう。
5章: ピボットテーブルの応用:ビジネスにおける事例と応用方法
これまでの章では、ピボットテーブルとデータを統合する方法、データを操作する基本的な方法について説明しました。この章では、その応用方法と具体的なビジネスでの活用事例を紹介します。
集計範囲を動的に変える
通常、ピボットテーブルで集計対象となる範囲を設定すると、それが固定されます。ですが、データが日々追加されるようなケースでは、都度範囲を手動で変更するのは手間です。そうした場合、Excelの「テーブル」という機能を使うと、テーブル内に新たに追加されたデータも自動的にピボットテーブルの集計対象に含めることができます。
「データ」タブから「テーブル」を選び、対象範囲をテーブル化します。この状態でピボットテーブルを作成すれば、新たにデータが追加された時、ピボットテーブルの「データの更新」を選ぶだけで最新のデータを反映することができます。
ビジネスでの活用事例
ビジネスにおけるピボットテーブルの活用事例として、商品の売上分析が一般的です。地域毎、月毎、商品カテゴリ毎の売上の推移を一覧で確認することができます。また、フィルタリング機能を使えば、特定の商品の売上だけを抽出して分析することも可能です。
他にも、社員の勤務時間の管理、業績の比較、事業部門の費用対効果分析などに活用することが可能です。
まとめ
ここまで、ピボットテーブルの基本操作から応用までを学んできました。ピボットテーブルはExcelのパワフルな機能の一つであり、データを活用する力は現代のビジネスにおいて重要なスキルです。
しかし、ただツールを使えるだけでなく、どのような目的で、どのように分析を行うかという視点も重要です。今後は自身の業務や課題を見つめ直し、ピボットテーブルを使用して問題解決に繋げる力を身につけていきましょう。
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