Excelのデータのピボットテーブルを使って大量データの集計とレポートを作成する方法

Excelのデータのピボットテーブルを使って大量データの集計とレポートを作成する方法IT

1章:ピボットテーブルとは何か:効率的なデータ集計の概念理解

日常のビジネスシーンでMS Excelは広く使用されています。しかしExcelの機能のすぐは使いこなせていないという方も多いことでしょう。その中でも、ピボットテーブルは、データ分析における非常に強力なツールです。

それでは、ピボットテーブルとは何でしょうか?

ピボットテーブルは、大量のデータを短時間で分析し、要約集計を行うための強力なツールです。列や行を自由に「転がす」ことで、欲しい情報を迅速に抽出できます。(ちなみに、ピボットとは「中心軸でくるくる回る」という意味です。)

具体的には、数千行ものデータがあるシートから、新たな表を作成し、その表の行や列を好きなだけ移動させてみたい値を表示させることができます。提示したい情報に基づいてレイアウトを自由に変更できるので、データの分析および提示が短時間で可能になります。

ピボットテーブルの利点

  • 時間の節約: 大量のデータを効率的に要約できます。集計、比較、分析作業が迅速に行えます。
  • 柔軟性: 表示されたデータを素早く変更し、さまざまな角度からデータを見ることができます。また、新たな視点でデータを分析するための新しい列を簡単に作成できます。
  • データの理解: データの傾向を理解するために、簡単にグラフ化することが可能で、結果を話し合う際の有効なビジュアルツールとなります。

続いて次章では、Excelのデータの基本的な構造と、ピボットテーブルを作成する前の準備について解説していきます。

2章:Excelのデータ構造理解:ピボットテーブル作成の前準備

ピヴォットテーブルを使う前に必要な事と言えば、Excelのデータ構造を理解することです。Excelのデータは、セルに保存された情報を行と列でまとめていくことで構成されます。この章では、それらの基本事項とピボットテーブル作成前に注意すべきポイントをお伝えします。

Excelのデータ構造

Excelのデータ構造は、以下のような形式で整理されます。

  • データ: セルに格納される各種情報です。文字列、数値、日付などがあります。
  • 列: 同一の項目のデータがまとめられた縦のブロックです。各列には一貫したデータが配置されるべきです。
  • 行: 一つのレコード、つまり関連性のある一連のデータを横に並べたものです。一つの顧客の情報や、一つの商品の情報などです。

ピボットテーブル作成前のチェックリスト

以下に、ピボットテーブルを作成する前に確認すべき重要なポイントをリストアップしました。

  1. 列の一貫性: 各列は一貫したデータを含むべきです。例えば、ある列が商品名を示している場合、その列全体が商品名だけで構成されていなければなりません。
  2. 空白セルの確認: ピボットテーブル作成時には、データに空白セルがないか確認しましょう。空白セルが存在すると、正確な結果が得られません。
  3. データ型の確認: 同じ列内でデータ型が混在している場合、想定外のエラーが発生する可能性があります。データの型を確認し、必要であれば修正しましょう。

以上が、Excelの基本的なデータ構造とピヴォットテーブル作成の前準備です。次の章では、具体的にピヴォットテーブルの作り方について解説します。

3章:ピボットテーブルの作成:初めの一歩と基本操作

この章では、ピボットテーブルを作成する詳細な手順を見ていきましょう!ここでは、任意のデータセットすでにExcelのシートに整理されていることを前提としています。

1. ピボットテーブルの作成

まず、ピボットテーブルを作成したいデータが入力されたセルを選択します。そして、「挿入」タブの「ピボットテーブル」ボタンをクリックします。

※データは整形済みテーブルであることが前提となります。具体的には、見出し行が存在し、列は同じ種類のデータで一貫しており、空白セルがない状態です。

2. ピボットテーブルの設定

次に、ピボットテーブル作成ウィンドウが表示されます。ここで、「新規ワークシートに配置」を選択します。こうすることで、ピボットテーブルが新しいシートに作成されます。「OK」をクリックしてウィンドウを閉じます。

3. フィールドの配置

新しいシートが開き、「フィールドリスト」が表示されます。このリストから、ピボットテーブルに表示したいフィールド(列名)を選択し、「行フィールド」や「列フィールド」、「値フィールド」にドラッグ&ドロップします。

  • 行フィールド: 行ラベルとして表示するデータ
  • 列フィールド: 列ラベルとして表示するデータ
  • 値フィールド: 集計するデータ

また、「値フィールドの設定」をクリックすることで、どのように値を計算するかを設定することが可能です。

4. フィルタリング

レポートフィルタ」領域にフィールドを追加すると、特定のデータのみを表示するフィルタリングが行えます。これにより、特定の条件にマッチするデータのみをピボットテーブルに表示させることが可能になります。

以上で、基本的なピボットテーブルの作成は完了です。次章では、実際に大量のデータを扱う際のピボットテーブルの活用方について詳しく解説します。

4章:実践!大量データを自在に操作:ピヴォットテーブル活用法

これまでにピボットテーブルの概念及び基本操作について学んできました。しかし、単にテーブルを作るだけではなく、大量のデータを如何に効率良く操作できるかがピボットテーブルの真髄です。具体的な活用方法について解説いたします。

データの分析・比較

ピボットテーブル最大の特徴は、データの分析・比較作業を迅速に行えることです。

売上データなどを例に取ると、商品カテゴリ、地域、期間等あらゆる角度から分析・比較することが可能です。「行フィールド」や「列フィールド」を短時間で転換させることで、それぞれの属性による集計結果を比較していくことが容易となります。

商品・カテゴリ別の分析

各商品や商品カテゴリごとの売上高を把握したい場合、「行フィールド」に商品名や商品カテゴリを指定します。そして、「値フィールド」に売上高を指定することで、商品・カテゴリ別の売上高を一覧できます。

期間別の分析

期間(年、月、週、日)ごとの売上推移を把握したい場合も、同様に、「行フィールド」に期間を、「値フィールド」に売上高を指定します。これにより、時系列でのデータ分析が可能になります。

複数属性のクロス集計

商品・カテゴリ別に加え、地域別や期間別の売上集計も同時に行いたい場合は、「列フィールド」に地域や期間を追加します。これにより、複数の属性をクロスさせて集計結果を一覧できます。

集計結果の可視化

ピボットテーブル自体が非常に分かりやすい表ですが、さらに視覚的に情報を伝えるには「チャート」が適しています。ピボットテーブルから直接ピボットチャートを作成することもできます。「Insert」の「PivotChart」をクリックすれば、適用可能ないくつかのチャートタイプから選択できます。

以上が具体的なピボットテーブルの活用法です。節度良く複雑なデータ分析が実行可能となるため、ビジネスシーンでの応用範囲は広範です。次章では、最後のステップとして、ピボットテーブルを使ってきちんとしたレポートを作成する方法について解説します。

5章:ピボットテーブルを使ったレポート作成:データの可視化と見せ方のコツ

ピボットテーブルを使う最終的な目標は、データを集計し可視化することで、意思決定をサポートするレポートを作成することです。では、どのようにレポートを作成すればよいのでしょうか。

視覚的なレポート作成のポイント

  • 要点を明確に伝える: データ分析の結果をもとにした意見や診断を明確に表示しましょう。
  • 情報の整理: Excelの「デザイン」タブを活用して、図表やテキストのレイアウトを整理します。
  • 視覚的な強調: 重要な部分は色や形で強調しましょう。Excelの「条件付き書式」は、値の大小や傾向によって自動で色付けを行う便利な機能です。

見せ方のコツ

大事なのは、誰が見てもすぐに理解できるように、情報を伝えることです。それでは具体的なコツについて見ていきましょう。

  • グラフの利用: ピボットチャートを使えば、一目でデータの傾向を把握することが可能です。ただし、適切なグラフタイプを選ぶことが重要です。例えば時系列データには折れ線グラフ、カテゴリ比較には棒グラフや円グラフなどが適しています。
  • データの要約と解釈: 前章の分析結果を元に、数字だけでなくその解釈や意味も一緒に記述しましょう。なぜそのデータが重要なのか、何を示唆しているのかを明確にすることが大切です。
  • データの書式: テーブルを活用し、数値データはチャート、テキストデータは見出しなど、「適切な場所に適切な書式」を心掛けましょう。

ここまでは一例ですが、自身の状況により適切なレポート作成方法は異なります。レポートは相手が理解しやすいよう工夫を凝らすことが必要です。

お疲れ様でした。これであなたもExcelのピボットテーブルを使った、大量データの集計とレポート作成のプロです!不明な点や他の操作方法についても是非調べてみて、スキルを磨いていきましょう。

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