インドール (Indore)ってどんな街?!徹底解説!

インドール (Indore)ってどんな街?!徹底解説! ライフスタイル

インドールはインド・マディヤ・プラデーシュ州の都市です。インド政府の全国清潔度調査「スワッチ・スルベクシャン」で、インドールは6年連続で単独首位を取り続け、2023年度はスーラトと並んで最清潔都市に選ばれました(インド政府報道情報局の2024年1月11日発表)。2024-25年度には新設の最上位区分「スーパー・スワッチ・リーグ」に入っています。

出張・赴任の候補地として見ると、インドールはホールカル王家の旧都であり、国立のビジネススクールを抱え、州の自動車・医薬品クラスターの玄関口でもある街です。以下、観光・ビジネス・食事・宿泊・治安・お土産の6つの切り口で、公的機関と運営会社の公式情報で確認できた事実だけを並べます。

※本記事の数値・評価は2026年10月時点で公開されている情報に基づきます。Googleの口コミ評価・件数も同時点で確認したものです。

1章 観光:ホールカル王家の旧都に宮殿とガラスの寺院が残る

マディヤ・プラデーシュ州観光局によると、インドールは16世紀にデカン高原とデリーを結ぶ交易の拠点として開かれ、のちにホールカル家の首都になりました。見どころは王家の建築と寺院に集まります。

◆ラージワーダー(カジュリ・バザール付近)
州観光局が「ホールカル家の誇り」と呼ぶ宮殿です。7層のファサードが特徴です。

◆ラール・バーグ宮殿(サラスワティー川の左岸)
州観光局によると71.63エーカー(約0.29平方キロ)の敷地に広がり、1886年から1921年にかけて建てられました。トゥコジー・ラーオ2世、シヴァージー・ラーオ、トゥコジー・ラーオ3世の3代の治世にまたがる工事です。様式はヨーロッパ風で、門はバッキンガム宮殿の正門を2倍の大きさで再現したものだと説明されています。

◆カーンチ・マンディル(ガラスの寺院)
20世紀初頭に実業家セート・フクムチャンドが建てたジャイナ教寺院です。州観光局の説明では「扉、床、天井、さらには絵画や壁画まで、部屋の中のすべてがガラスで作られている」。最上階には黒オニキスを削り出したアーディナート、シャーンティナート、チャンドラプラバの3体のティールタンカラ像が置かれ、ガラスに無限に映り込みます。

◆カジュラーナー・ガネーシャ寺院
ホールカル家のラニ・アヒリヤーバーイー・ホールカルが建立した寺院です。州観光局は「1735年に井戸から神像を引き上げた」と伝えており、参拝者がいちばん多いのは水曜と日曜です。

◆セントラル・ミュージアム
1929年にナル・ラタン・マンディルで設立され、1965年に現在地へ移りました。ヒンドゥー教とジャイナ教の彫刻を所蔵しています。

日程に余裕があれば、州観光局が近郊として挙げるウッジャイン(54キロ)、マンドゥ、マヘーシュワル、オームカーレーシュワルが選択肢になります。

2章 ビジネス:自動車クラスターの玄関口だが、工業団地は隣の県にある

◆インドール・ウッジャイン地域の産業
州政府の投資促進機関インベストMPの資料は、この地域の成長センターとして「ピタンプール、ケーダ、メグナガル、ウッジャイン、デーワース、マクシー、ジャッガケーディ」を挙げ、主要産業を「自動車、医薬品、繊維、食品加工、IT/ITeS、ESDM(電子機器システム設計製造)」としています。

◆ピタンプール工業地域(ダール県)
最大の工業団地ピタンプールはインドール市内ではなく、隣接するダール県にあります。インベストMPのダール県輸出計画は「ピタンプールはダール県に属する大規模な工業地域である」と明記し、同県の自動車クラスターの中心だとしています。同資料の大・中規模工業の表(2019年3月31日時点)では、ダール/ピタンプールの事業所数は63です。拠点を検討するときは、所在地が市内か県外かを必ず確認してください。

◆インド経営大学院インドール校(IIM Indore)
公式サイトによると1996年設立、キャンパスは193エーカー(約0.78平方キロ)。EQUIS、AMBA、AACSBの3つの認証ロゴを掲げています。自らを「教育、研究、産業との連携において世界最高水準に比肩する主要な経営教育機関」と位置づけています。

◆デーヴィー・アヒリヤー・バーイー・ホールカル空港
インド空港協会(AAI)のページによると、滑走路は2,754メートル×45メートル、ICAOコードはVAIDです。

州観光局は、インドールがスマートシティとして開発する最初の20都市の1つに選ばれたとも書いています。

3章 食事:昼は宝飾店街、夜10時から食べ歩きの街になる

インドールの食の特徴は、朝のポハー(押し米の炒め物)とジャレビー、そして夜の屋台街です。州観光局はサラファ・バザールを「昼は輝く宝飾品市場、夜は食いしん坊でにぎわうチャート(軽食)市場」と説明しています。

◆サラファ・ナイト・フード・マーケット(Sarafa Night Food St)
Googleの口コミは★4.5・約22,300件、価格帯は200〜400ルピー。開くのは22時からです。細く曲がった道が続くため車はほとんど入れず、駐車場は周辺にあります。

◆ジョシ・ダヒ・バダ・ハウス(サラファ・バザール)
ダヒ・バダ(豆の揚げ団子にヨーグルトをかけた軽食)の店。Googleの口コミは★4.4・約4,980件、価格帯は1〜200ルピーです。

◆56ドゥカーン(チャッパン・ドゥカーン)(56 Dukan St)
州観光局が「いつも食いしん坊で混み合うインドールの人気通り」と書く軽食街です。Googleの口コミは★4.4・約27,100件、価格帯は200〜400ルピー。23時まで開いています。

◆サイニー・ウサル・ポハー(DIL PASAND TOWER, Bicholi Mardana Rd)
ウサル(豆のカレー)をかけたポハーの店。朝7時から開くので、出張の朝食に使えます。Googleの口コミは★4.1・約2,050件、価格帯は1〜200ルピーです。

◆ナフィース・レストラン(30-B, Greater Kailash Road)
州観光局がアフガン料理とインド料理の店として挙げている老舗です。Googleの口コミは★4.0・約10,600件、価格帯は400〜1,200ルピー。23時30分まで開いています。

4章 宿泊:2,000名規模の会場を持つホテルが市内にある

今回、公式サイトで会議設備の数字を確認できた3軒を挙げます。

◆シェラトン・グランド・パレス・インドール(Omaxe City 1, Mayakhedi Bypass Road)
公式サイトの数字は催事用4室、イベントスペース合計5,143平方メートル、最大収容2,500名、ブレイクアウト4室。床面積が最大の会場はザ・グレート・ホール(1,765平方メートル)で、ザ・グランド・パレス(1,719平方メートル)がこれに次ぎます。

◆インドール・マリオット・ホテル(H-2, Scheme No 54, Meghdoot Garden, Vijay Nagar)
公式サイトの数字は催事用9室、最大収容2,000名、ブレイクアウト2室。収容人数が最大の会場は屋外の「マリオット・ローン」です。

◆ラディソン・ブル・ホテル・インドール(12, Scheme No 94 C)
公式サイトは客室200室、可変式のイベントスペースを3,250平方メートル(3万5,000平方フィート)超とし、「最大2,000名」の収容をうたっています。館内のレストラン「インディヤ・オイ」は州観光局の紹介にも出てきます。

5章 治安:危険情報はレベル1、ただし睡眠薬強盗の記述が重い

日本の外務省が出す危険情報(2025年3月25日発出)では、マディヤ・プラデーシュ州は名指しの対象に入っておらず、「上記以外のインド全域」としてレベル1(十分注意してください)に区分されます。2026年10月時点でスポット情報は出ていません。レベル2以上が指定されているのはジャンム・カシミール準州とラダック連邦直轄領、北東部諸州の一部、そして中・東部諸州の一部です。

外務省の安全対策基礎データ(2025年8月22日更新)は、インドの都市部について「地方からの人口流入、失業者の増大、貧富差の拡大を背景として、一般犯罪の発生件数が増加傾向にあります。窃盗、強盗、詐欺、強制性交等の犯罪が多発しており、いずれも日本の主要都市と比べるとかなり高い水準にあります」と書いています。同データの「主要都市・地域別の犯罪情勢」の節には、デリー、バラナシ、ムンバイ、ゴア、チェンナイ、ベンガルール、コルカタが挙がっていますが、インドールの記載はありません。

基礎データでとくに記述が重いのは睡眠薬強盗です。「旅行中に親しくなったインド人から勧められた飲食物に睡眠薬が混入されていて、それを口にしたことで意識が混濁状態となったところで金品を盗まれる」手口で、「使用される睡眠薬は非常に強力で、1〜2日間意識が戻らない場合もあり、入院が必要となった事例もあります」。さらに「インドでは、嫌なものをはっきりと断れない日本人は格好の標的と見られています」とも書かれています。ATMでは、操作を教えるふりをして暗証番号を聞き出し、本物のカードを偽物とすり替える手口が報告されています。両替は、外貨買取証明書(Encashment Certificate)が発行される銀行やホテルで行ってください。

マディヤ・プラデーシュ州を管轄するのは在ムンバイ日本国総領事館です。同館の「安全の手引き」(令和7年3月)によると、管轄はマハーラーシュトラ州、グジャラート州、マディヤ・プラデシュ州、チャッティースガル州、ゴア州の5州とダマン・ディウ、ダドラ・ナガルハベリの各連邦直轄地で、令和7年3月1日現在の管内在留邦人は在留届ベースで約1,600名です。手引きは「インド国内を見ると、宗教的、民族的対立による大規模な暴動が発生している地域もありますが、当館館内の情勢は比較的安定しています。しかしながら、宗教的対立等の社会問題に起因する事案は、反対運動などが国内に広がり、治安が急激に悪化する可能性があるので注意を要します」としています。被害事例のうちマディヤ・プラデーシュ州で起きたものは1件で、「2014年6月、マディヤ・プラデシュ州内を列車で移動していた邦人旅行者が睡眠中、何者かに旅券、現金在中のバッグを窃取された」という内容です。

薬物は量刑が重く、同手引きは「所持量が僅かであった場合でも懲役6か月以上」、有罪なら「懲役10年及び罰金10万ルピー」が科せられることもあると書いています。観光地で売人に声をかけられても手を出さないことです。

実務的には3点。①見知らぬ人から勧められた飲食物は口にしない。②断るときははっきり断る(基礎データがそう書いています)。③夜間の移動は配車アプリか信用できるタクシーを使い、荷物は常に身につける。緊急通報は警察112、消防101、救急車102。在ムンバイ日本国総領事館は022-2351-7101です。

6章 お土産:革の玩具は地理的表示に登録されている

◆レザー・トイズ・オブ・インドール(革の玩具)
インド特許意匠商標総局の地理的表示(GI)データベースで、「Leather Toys of Indore」は出願番号97、2007年6月13日出願、区分28、出願人はDevelopment Commissioner(Handicrafts)、対象地域はマディヤ・プラデーシュ州、ステータスは「Registered」(登録済み)です。

◆インドーリー・ナムキーン
州観光局は、サラファ・バザールがナムキーン(スパイスの効いた乾き物のスナック)と銀の宝飾品で知られていると書いています。日持ちがして軽いので、職場への土産に向きます。

◆サリー(マヘーシュワリー、チャンデーリー、バーグ・プリント)
州観光局によると、サラファ・バザール周辺のサリー店ではこの3種が買えます。バーグ・プリントはインベストMPのダール県輸出計画が「ダール県固有の産品」と記す伝統的な手捺染(てなっせん)です。

◆銀の宝飾品
サラファ・バザールは夜の屋台街として知られていますが、昼間は宝飾品の市場です。夜の食べ歩きのついでに、という順番ではなく、買い物は日中に済ませる必要があります。

まとめ

インドールは、ホールカル王家の宮殿とガラスのジャイナ教寺院が残る旧都であり、同時にインドの全国清潔度調査で6年連続単独首位を取った街です。ビジネスでは自動車・医薬品・繊維・食品加工が軸ですが、最大の工業団地ピタンプールは市内ではなく隣のダール県にあるため、所在地の確認が最初の仕事になります。

回り方としては、宮殿と寺院を日中に、サラファ・バザールの屋台を22時以降に充てると1日で街の両面が見られます。宝飾品やサリーを買うなら同じサラファ・バザールの日中に行く必要があります。会議や商談があるなら、2,500名規模のシェラトン・グランド・パレスか、客室200室のラディソン・ブルが選択肢です。治安は危険情報レベル1の地域ですが、外務省が睡眠薬強盗について「1〜2日間意識が戻らない場合もある」と書いている点だけは軽く見ないでください。

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